間伐

第3回 木質バイオマスは21世紀のエネルギー 2/5 

1.資源としての薪

薪は、木質バイオマスの最も原始的な利用法である。燃焼効率の割りにはかさばるので相対的に輸送コストが高くつく。森のない都会で薪をどんどん使いましょう、という気は毛頭ない。だが、もし住んでいるところが、森林の近くである場合は、薪ストーブの使用がお勧めである。ログハウスに薪ストーブというのは、最近の別荘の定番だが、これは単に流行の問題ではない。

もちろん、森の近くだからといって、近くの森林で勝手に木を調達するのは犯罪だ。そのため、森の近くに住んでいても、町の燃料店から薪を購入する人も多い。この薪が近くの森林産のものであれば結構なのだが、遠くから運ばれたものであれば輸送のために使われるガソリンの燃焼を考えるとあまりエコロジックなエネルギーとはいえなくなる。

もう一つ、薪ストーブを使用する部屋の問題がある。最近の別荘に付き物ともいえる薪ストーブだが、多くの別荘の間取りが薪ストーブにぴったりという背景もある。別荘の作りは、もちろん個人差はあるものの、1階に広いリビング1室。吹き抜けになっている2階の廊下に面した寝室、というのが定番だろう。こうした間取りこそ、薪ストーブの独壇場だ。薪ストーブ1つで、家中の暖房がまかなえる。これは次に出てくるペレットストーブも同様で、日本の住宅で一般的な細かい部屋割りの家では使いづらい。

以上のような条件をクリアすれば、薪は素晴らしい燃料といえるだろう。薪を燃やしたときの心安らぐ香り、木のはぜる音、緩やかに揺れる赤い炎、すべてがリラックスを誘ってくれる。暖房中でも、乾燥しすぎないのもうれしい。キッチンストーブタイプのものを利用すれば、煮込み料理などを味わうことができる。

写真 写真 メンテナンスを考えて軟鉄を使用した軽井沢ストーブ。こうした品番のあるレギュラー製品もあるが、特注にも応じてくれる。軽井沢ストーブK−682。幅682mm 奥行536mm 高さ816mm、重量200kg  最大薪の長さ45cm、煙突径150φ、本体価格480000円。
http://homepage1.nifty.com/kurogane-koubou/index.htm

写真 Pecan Oven。オーストラリア製のクッキングストーブ。上部ボックスが炉、下部ボックスがオーブンになっている暖房器具兼クッキングストーブ。天板部分のホットプレートは、上部ボックスの炉からの熱で火力が強く調理に有効な熱が得ることができる。幅550mm×奥行560mm×高さ875mm、重量120kg、本体価格335000円。中山産業株式会社。
http://www.nakayamasangyo.co.jp/index.html

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