Q-11. ホームページの可能性は?

A-11.  すでに大企業ではホームページの開設は常識となり、会社でインターネットアドレスを取得して社内のコンピュータネットワークを専用回線でインターネットに直結し、WWWを始めとする多くの機能を社内の誰もが利用できるようになっています。それは、企業全体の情報力の強化がビジネスチャンスを生み出したり、情報取得とその情報の共有の速さが、競争に勝ち残るための有効な武器と考えられているからです。

 ホームページは、情報発信ばかりでなく広く情報を集めるためのツールとしても利用できます。全森連のホームページではまだ作っていませんが、誰もが書き込むことができる電子掲示板で広く意見を募ったり、そのホームページで提供したい情報自体を提供してもらうことさえできます。ホームページの主催者が人々に提供したい情報を広くユーザーから得て、それをメインコンテンツとしてしまうことで情報提供者であるユーザーに利益を返すというのは、理想的な情報共有の形態と言えます。

 サーチエンジンと分類されるホームページのアドレス集のページは、ホームページ側ではユーザーによって登録される多くの情報を蓄えることと見たい人にそれを見せるだけの機能しか持っていません。自分の興味のある分野のホームページのアドレスは誰もが知りたいことですし、また自分でホームページを持っていれば、サーチエンジンに自分のホームページのアドレスを載せることで、より多くの人に自分のページを見てもらうことができるということで情報はどんどん回転します。大きなサーチエンジンでは数万件から数百万件の情報を抱え、年間のべ数百万人から数千万人の人がアクセスしています。これだけの来場者数があると、ページの片隅に広告スペースを設けるなど新たなマ−ケットが誕生しています。

 このような掲示板やユーザーから情報提供を受け付ける仕組みは、ホームページと連携して動作するプログラムを開発または、インターネット上で配布されている既存のプログラムを利用して、それをホームページと一緒に設置することで実現できます。プロバイダがそういったプログラムを提供しているところもあります。このようなプログラムの利用によって、掲示板などを設置することができるほかホームページに動きを与えたり、アクセス人数をカウントしたり、様々な角度からの来場者統計がとれたりと、ホームページの双方向性を拡大させることや、より高度なプレゼンテーションを展開することが可能になります。

 ホームページの成功・不成功を判定するのは大変難しいことです。100万人の人が見に来たら成功かというとそうとは限りません。効果の計り方は、ホームページのテーマによって、それぞれ異なった観点があるはずです。例えばインターネット・ショップでは、単純に売上高と利益が基準となることでしょう。また、情報収集のためのホームページでは、収集できた情報の質と量がポイントです。主催者は得た情報で仕事に使う統計資料が作れたり、マーケティングの役に立てられるのかもしれません。

 しかし、全森連もそうですが、情報提供型のホームページはどうなのでしょう?

 客観的な判断材料としては、来場者数が何人になったのかということと、ごくたまに寄せられる感想くらいなものです。情報の提供に対する、ホームページ主催者への見返りというのは、主催者自身がそれを受け取ることのできる仕組みを特別作っておかない限り全く何もないのです。個人のページなら、それでもいいでしょう。自己満足でも納得はできます。しかし、それが企業のページであったら、やはりコストに対する客観的な価値基準となりうる見返りを受け取れる仕組みを作っておくことは、後で何らかの評価を下すためにも必要不可欠なことだと言えます。

 インターネットの世界には、これからさらに新しいプレゼンテーションを切りひらくためのキーワードが数多くあります。表現の可能性が増えるということは、より新しいチャンスの出現や、誰かにとってのインターネットに接続する目的自体が増えていくことに他ならないわけです。こうした進歩によって、これからより多くの人がインターネットに接続するようになることが予想できますし、それに伴ってインターネットは現実世界と対をなす、より重要な世界に成長していくことになると考えられます。

 このような状況のなか、当事業でもインターネット利用を大きく視野に入れ、全森連でのパイロットケースとしてのホームページの立ち上げを通して、この分野で我々が展開するべきプレゼンテーションの方法も研究してきているわけです。



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