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						<li><a href="./list7.html">事例：九州</a>&nbsp;&gt;&nbsp;</li>
						<li>路網・車両系作業システムの導入に向けた集約化による基盤形成</li>
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				<h2 class="title_h2 title_h2_shiryou">資料室</h2>
				<h3 class="title_h3 title_h3_shiryou_h22_report">森林組合は、全国各地で、森林づくりを進めている協同組合です。</h3>

				<h4>路網・車両系作業システムの導入に向けた集約化による基盤形成　−五木村森林組合（熊本県球磨郡五木村）−</h4>
<h5>1　実施主体とねらい</h5>
<p class="indent1">熊本県球磨郡五木村は、県南部の人吉市から北に約30ｋｍ距てた急峻な山地に位置する。森林面積は２万4,000ｈａ余り、林野率は９割を超える。所有面では国公有林の存在感が大きく、また、ダム水没集落の移転にともない不在村所有者が多くなっている。他方、資源面では、人工林率がスギを主体に52％と高く、その多くが利用間伐可能な林齢にすでに達している。</p>
<p class="indent1">集約化の実施主体である五木村森林組合は、役員13人、職員14人、現業職員68人という組織体制のもと、年間事業収入約５億円を取り扱っている。平成21年度の事業実績は、造林12ｈａ、保育間伐111ｈａ、利用間伐217ｈａ（１万715ｍ3）、皆伐６ｈａ（2,355ｍ3）、作業路網新設9,157ｍである。事業量の多くを村、県、公社公団からの受注に依存しているが、近年では、利用間伐可能林分の増加をうけて一般私有林での事業量拡大を図っている。特に利用間伐は、平成18年度比で約２倍に拡大した。</p>
<p class="indent1">この間、当組合は、架線主体の作業システムを路網・車両系の作業システムに転換することに取り組んできた。地形の急峻な五木村では架線系の作業システムが発達しているが、利用間伐をさらに進めるためには、架線系だけではコスト面で限界がある。そこで、路網・車両系の作業システムを徐々に導入することを計画し、それを遊ばせないだけの事業量を安定的に確保するため、平成18年度に林業経営担い手モデル事業に応募し、集約化による基盤形成に取り組むこととした。</p>

<h5>2.　集約化事業の計画と実績</h5>
<h6>2.1.　これまでの集約化の経緯</h6>
<p class="indent1">当組合は、従来からの架線系作業システムにこだわらず、新たに路網・車両系のシステムを導入することを課題としている。しかし、車両系のシステムを導入するには、高性能機械の購入費等の初期投資が大きくかかるため、投資回収のための事業計画とセットで行うことが望ましい。そこで、事業計画の対象を把握することを目的に、車両系システムの受け皿となる基盤を集約化することを図った。</p>
<h6>2.2.　集約化面積と所有者数</h6>
<p class="indent1">平成18年度の集約化事業では、主に平沢津・入鴨・頭地の３地区周辺に集約化予定区域を設定し、そのなかの利用間伐の可能でかつ間伐補助対象となる７齢級以上の林分を抽出し、その森林所有者と交渉して長期施業受委託契約を結ぶというかたちで集約化を進めていった。そのうえで、それらの林分を結ぶように約1,500ｍの路網開設予定を立てたうえ、今後の集約化計画と、そこでの一部皆伐を含む５年間の素材生産計画を策定した。表１は、平成18年度に策定した当初計画と平成22年度までの実績である。</p>
<h6>2.3.　集約化事業の実績</h6>
<p class="indent1">当初計画では、面積規模の大きな層の森林所有者から呼びかけ、毎年90ｈａ程度を目標に集約化を進めつつ、徐々に協定に基づく素材生産・出荷量を拡大していく予定であった。所有者数が後半になるほど大きくなるのは、所有者の面積規模が小さくなることを想定したことによる。</p>
<p class="indent1">これに対して実績では、３年目には計画全体の面積目標を達成した。所有者数のほうは、大中規模層を中心に呼びかける営業戦術が奏功し、少ない所有者で効率よく大きな面積を確保することができている。</p>
<p class="indent1">一方、生産量のほうは苦戦し、いずれも目標量を下まわって推移している。徐々に単年目標に近づく成果を上げつつあるが、４年目から増加量が鈍化し、計画数量との乖離が大きくなっている。これには、リーマン・ショック（2008年９月）以降の木材価格の下落が少なからず影響していると考えられる。</p>
<p class="indent1">なお、ここでの生産量は、協定販売量ではなく、集約化区域からの素材生産の全量を意味する。協定販売量は表２のとおりである。協定販売に向けられる適材は生産量の４分の１程度にとどまっている。</p>
<div class="margin_b10 text_center"><p class="margin_b5">表１　当初の集約化計画と５年間の実績</p><img src="./images/detail8_1.gif" alt="表１　当初の集約化計画と５年間の実績"></div>
<div class="margin_b10 text_center"><p class="margin_b5">表２　くまもと製材向け協定販売の実績</p><img src="./images/detail8_2.gif" alt="表２　くまもと製材向け協定販売の実績"></div>

<h5>3.　集約化の特徴</h5>
<h6>3.1　森林現況調査と境界調査</h6>
<p class="indent1">五木村ではまだ地籍調査が完了していないが、森林簿及び森林基本図、空中写真等を活用することによって、ほぼ森林所有者を把握することができる。ただ、森林簿の情報には一部不正確な部分があるので、当組合では、施業前に森林現況調査、また必要に応じて境界調査を入れるようにしている。</p>
<p class="indent1">森林現況調査に関しては、標準地調査または毎木調査を行うが、経費の関係から、できるだけ標準地調査で済ませるという方法を採用している。標準地調査では、20ｍ四方のプロットをとり、そこで樹種、胸高直径、樹高などの基礎データを採録し、その林分の資源量を推定するのに役立てられる。この方法で初年度に約450ｈａの調査を完了し、その後の集約化に活用した。</p>
<p class="indent1">また、境界調査に関しては、厳密な所有境界を画定するのではなく、あくまで施業委託を目的として、樹種や齢級で区分する施業境界を把握することを優先するという方法で行っている。これには２つの目的がある。１つは森林簿の補正である。五木村内の森林簿は一定の信頼性を有するが、一部不確かな部分がある。それを正確に測量することによって、今後の継続的な集約化経営の情報基盤にすることができる。もう１つは多大な時間と労力を要する所有境界の画定を回避することである。所有境界が分からなくても、施業境界さえ分かれば、隣接する所有者同士でその林分の取り扱いについて合意することも可能である。なので、まず施業境界を先行させ、境界問題で集約化が躓かないようにするのである。なお、測量はＧＰＳの器材をもちいて行い、その後はＧＩＳで境界を管理する。これによって初年度に、人工林40 haの施業境界を明確にした。</p>
<p class="indent1">集約化には、正しい見積もりを作成するため、森林現況調査ならびに境界調査が必要である。当組合では、こうした簡素化によって経費の節減を図り、集約化が止まらないようにしている。</p>
<h6>3.2　合意形成過程</h6>
<p class="indent1">初年度は集約化予定区域に含まれる平沢津・頭地地区において所有者向けの座談会を開催したが、その後は、７齢級以上という利用間伐林分の所有者に絞って個別に集約化事業への参加を呼びかけるようになっている。</p>
<p class="indent1">というのも、現在の木材価格、作業システムのコスト水準では、間伐・搬出補助なしでは利用間伐が赤字になることは確実で、集約化の呼びかけも、いきおい補助対象の林分に限られてしまうため、どうしても面ではなく点での交渉にならざるを得ないという事情による。ただ、そのような事情のもとでも、集約化とは別に路網の担当職員を配置し、ブドウの房のように対象林分を結ぶような路網線形を考えながら所有者へのはたらきかけを行い、集約化の利点を引き出すように努力している。</p>
<p class="indent1">所有者に呼びかける際には見積書を活用している。この見積書は、コストを大きく労務費を中心とする作業費と林業機械代を中心とする施設費に二分し、前者は森林現況調査にもとづく素材材積（ｍ3）の予測量に歩掛けして算出し、後者は使用日数に乗じて算出するという方式をとっている。ただ、この見積書を集約化区域に応用する場合、複数の所有者に対する経費の按分が明確にできないという問題をかかえている。</p>
<h6>3.3.　長期施業受委託契約の運用</h6>
<p class="indent1">集約化に関する取り組みでは、森林所有者との間で集約化に参加する同意が得られたら、当組合と長期施業受委託契約をの５年間で締結する。</p>
<p class="indent1">当組合では、地域森林整備活動支援交付金制度の導入や行政からの指導を契機に、長期施業受委託契約による森林施業計画の策定に積極的に取り組んできた。集約化予定区域の７齢級以上の林分所有者ともその約６割とすでに契約を交わしていた。しかし、当時は利用間伐への体制が不十分だったことから、計画は立てたが必ずしも実行がともなわず、計画本来の効果を発揮するには至っていなかった。</p>
<p class="indent1">今回の集約化事業では、これらの長期施業受委託契約を改めて実効性の高い計画のなかに組み直すことが一つの目的であった。路網開設から素材販売までの工程を計画のなかで一貫して捉えることで計画が具体性を帯び、具体性を帯びることによって、計画実行への意識を所有者と当組合とで共有しようという試みである。</p>
<p class="indent1">ただ、長期施業受委託の内実は、完全な受委託関係を保障していない。つまり、受託者である当組合が施業を行うには、その都度委託者である森林所有者に説明し、了解をとり、場合によっては変更等を余儀なくされる可能性がある。これでは個別交渉を重ねていた従来の手法と大差がなく、集約化の効果も得られにくい。これについては、実践を繰り返し、成果を上げるなかで、委託者・受託者の双方で契約に関する意識を共有し、その権能の及ぶ範囲を確認していくことが不可欠である。</p>

<h5>4.　素材の生産と販売</h5>
<h6>4.1　素材生産</h6>
<p class="indent1">当組合は６個林産班の体制で、間伐・主伐とも架線主体の作業システムで素材生産を行っている。チェンソー伐倒のあと、集材は、間伐はスカイライン方式で、主伐はエンドレス・タイラー方式で架線を張り、１ｈａごとに２〜３回主索を張り直しながら行う。造材は、以前はハーベスタがあったが、現在は老朽化して使用不能になっているため、チェンソーで行われている。そして、搬出は直接大型トラックを乗り入れるという工程である。各班には１台グラップル機能をもった機械が付けられ、木寄せや積み込みに使われているが、しかし、全体的には人力による部分が大きく、生産性及びコストの改善は芳しくない。具体的には、市場までの間伐コストは１万2,000円/ｍ3、皆伐コストは5,000円/ｍ3ほどになり、伐出生産性は、間伐で２〜2.5ｍ3/人日、皆伐で７ｍ3/人日ほととなっている。</p>
<p class="indent1">一方、路網・車両系の作業システムについては、スイングヤーダとフォワーダからリースで導入し、実際の作業に配備してオペレータを養成しているところである。まだ造材工程の高性能機械が入れられていないため、生産性・コストに関するデータはない。しかし、路網計画の具体化と集約化事業の進捗に後押しされるかたちで、平成23年度末にはスイングヤーダとフォワーダが購入される予定である。</p>
<p class="indent1">このように、徐々に路網・車両系作業システムへの転換が図られているが、しかし、生産性・コストの面ではまだ十分な成果が上がっていない。通常の利用間伐では、ほとんどの場合赤字になる。したがって、利用間伐を行うには間伐補助に頼らざるを得ず、補助金の有無と給付要件に集約化計画が大きく規定されてしまう状態になっている。</p>
<h6>4.2.　素材の販売</h6>
<p class="indent1">他方、素材の販売に関しては、２〜３年目に大きな変化があり、協定に基づく素材供給の流れが生まれつつある。初年度、当組合は球磨村森林組合に直送していたが、その後、2008年４月に協同組合くまもと製材が稼働開始したことで、「スギ・24ｃｍ上・３ｍ・直」の受け入れが始まった。当組合も、くまもと製材と協定を締結し、集約化区域から生産される適格材は、山土場で仕分けられ、くまもと製材へと直送されるようになった。出荷量は、2,000ｍ3前後で推移している。また、くまもと製材への適格材の他は、熊本木材市場と人吉木材市場へと市況の高いほうを選んで出荷している。</p>

<h5>5.　成果と今後の課題</h5>
<p class="indent1">以上のように、五木村森林組合の集約化事業をめぐっては、作業システムの生産性・コストが隘路となり、森林所有者の伐採インセンティブを刺激するような展開にはなっていないが、間伐補助金をベースとしながらも、集約化から素材生産、協定販売というパイプが形成されていることは、林業経営担い手モデル事業の大きな成果として評価されてよい。今後は、作業システムの改善を進めながら、このパイプをますます太くすることが重要である。</p>
<p class="indent1">また、集約化に取り組んだことによって、当組合には、路網に対する意識が高まり、生産合理的な路網の配置を検討するようになっている。これが、集約化による第一の効果といえよう。ただ、施業の効率化という面では、先述したようにまだまだ改善の余地がある。なので、路網・車両系作業システムのオペレータを養成しつつ、集約化によって形成した基盤団地で年間事業計画を策定し、確かな見通しのもとに高性能林業機械への投資を検討すべきと考えられる。そうすることが、集約化の第二の効果につながるだろう。</p>
<p class="indent1">そして、今後、多数の森林所有者が納得できる費用按分の見積もり方法を確立し、提案書に盛り込んでいくことも、森林所有者の伐採インセンティブを刺激し、自生的な集約化の展開を起こすためには避けて通れない。</p>
<p class="indent1">当組合では、林業経営担い手モデル事業からの集約化事業だけでなく、同時に別の集約化プロジェクトも進めている。特に、五木村を舞台に行われている森林整備協定の取り組みは、国有林（九州森林管理局）と民有林とが団地経営を一体的に分業する仕組みづくりに向けた挑戦として全国から注目されている。そして当組合は、このプロジェクトに国有林の請負事業体であり、かつ五木村の代理人であるといった立場から参画し、特に、利用間伐の計画や、路網線形について積極的に関与しているところである。今後、これらの取り組みを通じて集約化を発展させ、より一層の効果を引き出すことが期待される。</p>

<p class="text_right">（大地俊介）</p>


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