<!--#include file="./header.html"-->
						<li><a href="./list7.html">事例：九州</a>&nbsp;&gt;&nbsp;</li>
						<li>遅れた地域の間伐に独自に取り組む民間事業体</li>
					</ul>
				<!--pankuzu-end--></div>

				<h2 class="title_h2 title_h2_shiryou">資料室</h2>
				<h3 class="title_h3 title_h3_shiryou_h22_report">森林組合は、全国各地で、森林づくりを進めている協同組合です。</h3>

				<h4>遅れた地域の間伐に独自に取り組む民間事業体　−佐藤木材（宮崎県西臼杵郡日之影町）−</h4>
<h5>1　実施主体とねらい</h5>
<p class="indent1">佐藤木材は宮崎県西臼杵郡日之影町にある素材生産事業体である。現在は、現業従業員が4人×2班の8人体制で、年間の素材生産量は約5,000m3である。</p>
<p class="indent1">日之影町には森林組合（西臼杵森林組合日之影支所）以外に民間の素材生産事業体が数社あるが、民間事業体はいずれも民有林ではほとんど主伐だけしか手がけていない。佐藤木材もこれまでは民有林の主伐を専門としてきたが、2009年1月より私有林の利用間伐にも乗り出した。これは、所有者の立場に立つと、主伐は後の再造林が大変であるので、利用間伐をし、補助金をもらうことで立木代を稼ぐという考え方もあるのではないかと考えたためである。そして、こうして利用間伐を取り組む中で、しかし面積をまとめなければコスト高になるということで、2010年より集約化に取り組み始めたところである。</p>

<h5>2.　集約化事業の計画と実績</h5>
<h6>2.1.　集約化の経緯</h6>
<p class="indent1">2009年1月より始めた利用間伐であるが、その後の1年ほどの間に10件の間伐を行った。この中で、山の面積が小さいとコスト高となり赤字になることが分かってきた。具体的には1ha程度はまとまらないと、機械の回送費用等の固定費をカバーしきれないことが分かってきたのである。そこで、必要に応じて複数所有者の山をまとめて間伐をすることに取り組むようになった。実際に初めて集約化ができたのは、2010年2月であり、所有者4人、計1.7haの山に作業路を入れ、間伐を行った。</p>
<h6>2.2.　集約化面積と所有者</h6>
<p class="indent1">集約化はそもそも必要に応じてやることと考えているので、計画を立て、それに則って行うということではない。利用間伐自体は、年間20〜30haで、素材生産量2,000〜3,000m3というのを一つの目標と考えているが、それも厳密な計画ではなく、主伐事業との兼ね合いは臨機応変に調整していく考えである。</p>
<h6>2.3.　集約化事業の実績</h6>
<p class="indent1">佐藤木材の集約化は緒に就いたばかりであり、実績としては先に挙げた、2010年2月の現場の一例しかない。この現場は所有者4人の林分をまとめたもので、1.7haのスギ45年生前後の林である。国道218号線に面し、国道から分かれた町道が真ん中を横切る好立地の現場である。民間事業体の民有林での利用間伐は地域でも新たな取り組みであることから、佐藤木材は地域所有者へ向けのデモンストレーション効果を狙って、搬出によいだけでなく、目立つ場所ということで、こうした立地の林分を見つけ、所有者に声をかけている。</p>
<p class="indent1">その後も、間伐を行う場合は隣接所有者に声をかけることにしているが、それから半年は集約化したという事例はない。一つには、主伐の仕事が忙しく、間伐がなおざりになりがちであることがあり、もう一つには、後述のように隣接所有者を捜して話をまとめるのに手間がかかりがちであったり、また隣接所有者の同意が得られない場合があったりするためである。</p>

<h5>3.　集約化の特徴</h5>
<h6>3.1.　森林現況調査と境界測量</h6>
<p class="indent1">佐藤木材では、間伐の候補地を見つけたら、まずは森林組合で森林簿・森林基本図を閲覧し、地番と所有者を確かめる。森林組合では森林簿・基本図のコピーはもらえないが、閲覧はさせてもらえる。その情報をもとに、所有者に声をかける。話が進めば、役場で地番を言って、地籍図のコピーをもらう。幸いにも日之影町はほとんど地籍調査が終わっているので、図面は正確なものが入手できる。現場での最終的な境界確認は、所有者に立ち会ってもらって行う。所有者がお年寄りの場合、車で連れて行ってあげても、車から出ずに道端から確認という場合もあるということである。ちなみに、上記集約化箇所の所有者4人は50歳代が1人のほか、3人は65〜70歳の方であった。</p>
<p class="indent1">問題は、民間事業体の場合、森林簿・基本図のコピーを取ったり、持ち出したりということができないために、所有者を割り出すのが難しいことである。現地の状況を頭で憶えておいて、森林組合の事務所で図面と合わせようと思っても、なかなか簡単なことではなく、現場と森林組合事務所を行ったり来たりということがある。特に複数の所有者の小規模林地が入り組んでいる場合にはそうである。しかし、所有者が分からなければ話も進まないし、地番が分からなければ、役場で地籍図の閲覧請求もできないので、今のところこのような手順を踏むしかない。佐藤木材では現在のところ道路沿いの林地しか利用間伐の対象にしていないが、もし対象地が道から離れたところとなれば、この手順は困難を極めるであろう。</p>
<h6>3.2.　合意形成手法</h6>
<p class="indent1">事業候補地の所有者には個別に声をかけ、間伐をさせてもらえないか交渉する。各所有者には、1m3当たり1千円を素材売上から立木代として払うことを触れ込みに営業をしている。これは次のような考えからである。</p>
<p class="indent1">間伐補助事業の要件を満たせば、間伐補助金が20〜25万円/ha出る。1ha当たり100m3の出材とすると、1m3当たり2千円強になるので、素材売上から1千円/m3を立木代として返せば、合わせて3千円強/m3になる。これであれば主伐の立木代にさして劣らない額になる。対象としている間伐林分は40〜50年生で主伐も可能な林齢のものが多いが、所有者の考えで主伐をせずに長伐期に持っていくというのであれば、間伐しないで置いておくよりは、補助金をもらって間伐をした方が、伐採した分については主伐立木代相当額が得られ、かつ残存木の成長にはよい影響があるから、悪い話ではないということを、所有者を説得する材料にしている。</p>
<p class="indent1">このように話を持っていって、了解して間伐をさせてくれる所有者は半分程度である。理解してくれる所有者の反応として多いのは、持ち出しがないのであれば、やってくれ、というものである。また、所有者は今の木材価格や補助金のことがよく分かっていない人も多く、森林組合に行ったことがない人も多いそうである。間伐率については30％と決めて説明し、予め了解を得ておく。選木は作業員が行っており、所有者から意見が出ることはこれまでのところない。</p>
<p class="indent1">立木代は所有者ごとの出材量をトラック積み込み時点の検収で把握し、材積当たり一律1千円/m3で払っている。森林組合への間伐補助金の申請は佐藤木材が代行しているが、補助金の受領には佐藤木材は関与せず、直接各所有者の口座へ組合から振り込まれる。</p>

<h5>4.　素材の生産と販売</h5>
<h6>4.1.　素材生産</h6>
<p class="indent1">集約化した現場は3人1セットで作業をし、労働生産性は4.98m3/人日、素材生産コスト（運材費含む、事務所経費除く）は5,900円/m3であった。作業はチェーンソー伐倒→バックホー路網開設→ハーベスター造材→フォワーダ（グラップル付き）搬出という工程で行った。</p>
<p class="indent1">佐藤木材は現在2班体制であるが、利用間伐に取り組み始めた当初から、そのうちの1班を間伐班と位置づけ、育成している。ただし、現在は主伐の仕事が多く入っており、かつ現状では主伐の方が利益が出やすいため、間伐班も年中通して間伐をしているわけではない。間伐面積の目標は年間20〜30haと考えているが、2010年の実績は10haほどにとどまると予想している。</p>
<p class="indent1">佐藤木材の機械装備は、タワーヤーダが1台、ハーベスターが2台（ベースマシンは0.45と0.3）、フォワーダ（6t積み）、グラップル4台（0.45、0.3×2、0.2）である。ハーベスター、グラップルは、どれを間伐に使うということはなく、その時々の現場の状況に応じて使い分けている。</p>
<h6>4.2.　素材販売</h6>
<p class="indent1">佐藤木材の社長は、西臼杵郡の三町等が出資する第三セクター方式の製材工場であるもくみの専務を務め、その経営に関与している。もくみの現在の年間素材消費量は3万m3である。もくみは地域の素材生産事業体から素材を直接仕入れており、佐藤木材も山土場からもくみへ素材を直納している。そして、佐藤木材ではもくみに納入しない分は、宮崎県森連高千穂林産物流通センターに出荷する。もくみは3mと4mの14〜24cmと26cm上、直材とやや曲がりまでを受け入れている。そのため、これらに該当しない小丸太と曲がり、大曲がりを、県森連高千穂センターに出荷するのである。</p>
<p class="indent1">間伐現場では効率を考え、全て3mに造材している。従って、間伐現場では山土場で、@14〜24cm、A26cm上、B小径・曲がりに選別しておき、@とAをもくみに直送、Bを県森連高千穂センターへ出荷する。もくみは素材生産事業体からの受入を念頭に、14〜24cmといったように幅広い径級の素材を同時にラインに投入して挽き分ける生産体制を取っている。そのため、素材生産事業体の山土場での選別は分ける種類が少なくて済むのである。</p>

<h5>5.　成果と課題</h5>
<p class="indent1">佐藤木材は、遅れている私有林間伐に地域の民間素材生産事業体として初めて本格的に取り組み、利益を上げるために集約化して面積をまとめるというところへ辿り着いた。集約化といっても大きな団地を設定するわけではなく、必要に応じて最低1haの間伐面積を確保するためのものであるが、地域の間伐を進める上での重要な貢献であると評価できる。間伐が遅れたために形状比が大きくなり、風害のリスクを考えると、これから間伐をするには遅すぎる林分が増えている。森林組合だけでは十分とは言えない地域の間伐を担う民間事業体が現れ、一定の手応えを得たことは大きな力であると言える。</p>
<p class="indent1">しかし、佐藤木材も、現状では主伐の方が利益になり、主伐が忙しいので、間伐に手が回らないという状況がある。特に、集約化となると、隣接所有者を捜すのが面倒で断念することもある。所有者の取りまとめ、交渉を森林組合、行政と連携して改善できないかが、地域としての今後の課題ではなかろうか。佐藤木材のような民間事業体が所有者情報等を収集するのを森林組合や行政が支援する、あるいは、所有者の取りまとめ、交渉を森林組合、行政が担当し、施業を民間事業体が担う。そういった連携を強化することで、現状では民間事業体にとって取り組みがたい集約化しての利用間伐に取り組むための条件整備をすることが期待される。</p>

<p class="text_right">（藤掛 一郎）</p>


<!--#include file="./footer.html"-->
