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						<li><a href="./list7.html">事例：九州</a>&nbsp;&gt;&nbsp;</li>
						<li>高密路網を基盤とする主伐を含めた柔軟な林業経営</li>
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				<h2 class="title_h2 title_h2_shiryou">資料室</h2>
				<h3 class="title_h3 title_h3_shiryou_h22_report">森林組合は、全国各地で、森林づくりを進めている協同組合です。</h3>

				<h4>高密路網を基盤とする主伐を含めた柔軟な林業経営　−耳川広域森林組合（宮崎県日向市・東臼杵郡美郷町・諸塚村・椎葉村）−</h4>
<h5>1　実施主体とねらい</h5>
<p class="indent1">耳川広域森林組合は、宮崎県中部の耳川流域に相当する日向市及び東臼杵郡に組織された広域組合である。管内は民有林が約７割と優越し、その面積は13万4,833 haである。人工林率は62％とほぼ県平均（61％）と同じ水準にあり、その大半が８齢級以上に達し、資源の成熟がみられる。2009年度末の実績では、職員数67人、現場作業員数377人（うち主として林産に従事する者119人）という体制のもと、利用間伐２万1,000ｍ3（340ha）と主伐６万1,000ｍ3を行った。</p>
<p class="indent1">当地域ではもともと自伐林家の活動が旺盛で、各林家が個別的に伐採・搬出を実施するため、当組合が主導する団地化は大きくは進展してこなかった。しかし、2000（平12）年以降は、主伐期に入って立木が大径化する一方、高齢化により林家の自伐生産が困難になりつつある。そこで、当組合では、自伐林家の後退を補うため、森林施業計画の策定に加えて森林所有者と長期施業受委託契約を結ぶところまで取り組むこと、つまり施業集約化を行うことにより、地域の森林整備を継続的かつ低コストで行える体制への移行をめざした。</p>

<h5>2.　集約化事業の計画と実績</h5>
<h6>2.1.　これまでの集約化の経緯</h6>
<p class="indent1">集約化対象区域は、諸塚村内の立岩地域3,204 haに設定した。当区域は、諸塚のモザイク林分の景観で知られる地区である。林業立村・諸塚村内でも特に林業に熱心な地区で、路網密度が70ｍ/haにせまり、所有境界も明確で、森林所有者による森林施業計画の策定がほぼ済んだ状態であった。そこで、当組合は、本事業においてさらに森林所有者と長期施業受委託契約を結び、かつ個別の森林施業計画を集約化経営計画へと取りまとめることに取り組むこととした。</p>
<h6>2.2.　集約化面積と所有者数</h6>
<p class="indent1">区域内は齢級や樹種の異なるモザイク林分であることから、５年間の集約化計画を策定するにあたっては、区域全体を対象とはせず、特に素材生産を行う部分のみを抽出した。その上で、区域内の素材生産可能な林地854 haのうち135.61 haを５年間で集約化し、主伐や再造林を含めて素材生産を行っていくこととした。</p>
<p class="indent1">表Ａはその計画数量を年次別に表したものである。実際の生産作業ベースで計画を進め、集約化面積は毎年20〜30 ha、所有者数は20人少々とした。そして、素材生産量の目標は4,000ｍ3に定めた。</p>
<h6>2.3.　集約化事業の実績</h6>
<p class="indent1">平成19年度から平成21年度末まで３年間の実績は、表Ａの下段のとおりである。所有者数が伸びず、面積とともに目標数をやや下まわっている。しかし、生産量は毎年6,000ｍ3ちかくが行われ、計画量を大きく上まわっている。</p>
<div class="margin_b10 text_center"><p class="margin_b5">表Ａ　当初の集約化計画と５年間の実績</p><img src="./images/detail5_1.gif" alt="表Ａ　当初の集約化計画と５年間の実績"></div>

<h5>3.　集約化の特徴</h5>
<h6>3.1.　森林現況調査と境界調査</h6>
<p class="indent1">当区域はすでに地籍調査が完了し、所有境界がほぼ明確である。それを基盤に森林現況調査では、正確な見積もりに必要な森林簿の補正と小搬出路の設計及び境界の最終確認が重点的に行われる。具体的には、間伐等による素材生産対象の林分を対象に、標準地（20ｍ×20ｍ）内部の毎木調査により@樹種、A林齢、B蓄積、C生育状況、D必要とする施業 等を調べ、予定線形をガーミン社製のＧＰＳ受信機を使用して描出するという方法で行った。</p>
<h6>3.2.　合意形成過程</h6>
<p class="indent1">初年度に森林所有者に対して地域座談会を開催し、本事業に関して周知したあとは、組合側から所有者向けの案内を折りに触れて行う一方、所有者の施業に関する意向を組合作業員を通じてキャッチした際に、見積もり提案書を携えて所有者のもとに出向き、長期施業受委託契約を結んだうえ、施業を行うという流れが多数である。</p>
<p class="indent1">所有者は、自伐こそ少なくなったものの、林業経営への関心は依然として強く、区域全体でみたときには、おおむね森林施業計画どおりに施業量を実行することが多い。そのため、組合側は、合意形成に大きな労力を費やすことなく、所有者との合意を取り付けることができている。</p>
<p class="indent1">ただ、所有者の施業意向の向かい先は、当組合にすべて集中するわけではない。民間素材生産事業体への発注も少なからずあり、組合側はその実績を必ずしも把握できていない。また、組合に発注される場合も、所有者の意向により長期施業受委託契約を結ばないこともある。つまり、森林所有者が自律的に経営主体として生きており、当組合に権限が集中するまでには至っていない。</p>
<p class="indent1">また、本事業では、組合側が提案するスイングヤーダによる列状間伐が所有者に受け入れられるかがポイントの一つであったが、所有者の拒否感が根強く、定性間伐がやや強度を強めて続けられている。</p>
<h6>3.3.　長期施業受委託契約の運用</h6>
<p class="indent1">このように森林所有者の経営意識が強いため、長期施業受委託契約に関しても受託者の森林組合の権限は小さく、所有者の意向をふまえて運用されている。その際、特に重要なのは、主伐か利用間伐かの選択である。</p>
<p class="indent1">当流域では、全国的な傾向と大きく異なり、材価安の中でも主伐が盛んに行われている。全国的には、低水準の木材価格下では主伐を控え、利用間伐でしのぐという判断が通常だが、しかし、当流域では、短伐期志向のうえ、自家労働で再造林を行えばそのコストが労賃収入として家計に戻ってくるため、再造林コストを気にしなくて済む。そのため、純粋に伐採コストの収益性だけで主伐と利用間伐が天秤にかけ、有利などちらかが選択される。そして、近年は、リーマン・ショック以降の材価安のため、より収益性の高い主伐のほうを選択する所有者が多かった。そのため、森林施業計画では「利用間伐」であった施業種が「主伐」に切り換えられることが増加し、計画量よりも素材生産量が大幅に上まわる原因となった。</p>

<h5>4.　素材の生産と販売</h5>
<h6>4.1.　素材生産</h6>
<p class="indent1">素材生産は、スイングヤーダとプロセッサを導入した作業班と、従来からの架線（集材機）とグラップルの作業班とを併用して行われる。路網がすでに70ｍ/haと高密であるため、スイングヤーダの集材距離が150ｍ程度に抑えられ、利用間伐の伐出コストは、初年度には7,500円/ｍ3だったものが、近年では5,000円/ｍ3にまで上がってきている。しかし、スイングヤーダの実戦経験を積む中で150ｍは遠すぎるという問題意識が強くなり、現在は小搬出路をもっと積極的に開設し、集材距離を70〜100ｍの間に抑える取り組みを行っている。将来的には、スーパーロングリーチ・グラップルの導入も視野に入れている。</p>
<p class="indent1">また、従来からの集材機による架線作業システムも、５haを超えるような主伐では車両系システムよりも効率が高いため、こちらも廃止せず、集約化区域内で引き続き活用していくこととなっている。</p>
<h6>4.2.　素材の販売</h6>
<p class="indent1">素材の販売先は、株式会社岸本木材と、当組合の諸塚木材加工センターの２箇所である。前者とは協定に基づき原木を出荷しているが、近年、先方との調整のうえ、出荷量を減らしている。それに対して、後者は原木不足に陥っているため、そちらへの出荷を優先している状況である。</p>

<h5>5.　成果と今後の課題</h5>
<p class="indent1">集約化計画３年目の成果をみると、面積・所有者人数は目標を下まわったが、生産量については計画量を大きく上まわるという経過となっている。その理由は、上述したように、所有者の主伐傾向が強まり、利用間伐が減ったことによるが、この一事は、当区域は依然として森林所有者の経営意識が強いことを表している。</p>
<p class="indent1">本事業は、高齢化する森林所有者をバックアップする目的で進められているが、所有者が、自伐労働こそ後退しているが自律的な林業経営者として健在であるため、組合側はその意向のもとに施業を行うという状況が続いている。このような状態は、そのあとの施業を森林組合が長期的に受託するという、集約化施業の標準的な取り組みとは趣旨を異にしているかもしれない。確かに、面積・所有者人数は、他例と比べて規模が小さく、集約化の実績面では不十分である。しかし、それにもかかわらず、生産量の実績が示すように当区域の林業経営はむしろ活発であるといえる。組合側からの提案を待たずに、区域全体では一定の事業量が出てくる状況である。</p>
<p class="indent1">それを可能にしたのは、70ｍ/haという広域に展開された高密路網である。路網が整備されていることで、個人所有者それぞれの柔軟な林業経営が可能となり、組合側は、所有者の意向をうけた委託生産をいかに効率的に実施するかに集中することができるのである。</p>
<p class="indent1">今後の課題は、まさに当組合が取り組んでいるように、このような高密路網区域における最も効率的な作業システムを組み上げることである。スイングヤーダ集材はその一つの解であるが、さらにその効率を上げるためには、小搬出路を入れて集材距離を短縮する等、トータルコストを勘案しつつ改良を重ねることが必要である。その中で、個々の現場間の作業スケジュールを調整することにより、面としての路網の活用を意識的に進めていくことが望ましい。</p>
<p class="indent1">当区域は、以上のように所有者の経営意識が強く、現在はまだ森林組合が経営権を長期的に受託していく状況ではない。しかし、今後10年、20年という先も、現在のような状況が続いているとはかぎらない。森林組合には、現状の流れに合わせた取り組みを行いつつも、同時に、将来の展開に向けての準備が求められる。</p>
<p class="text_right">（藤掛一郎）</p>


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