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						<li><a href="./list1.html">事例：東北</a>&nbsp;&gt;&nbsp;</li>
						<li>森林組合による組合員所有林の集約化</li>
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				<h2 class="title_h2 title_h2_shiryou">資料室</h2>
				<h3 class="title_h3 title_h3_shiryou_h22_report">森林組合は、全国各地で、森林づくりを進めている協同組合です。</h3>

				<h4>森林組合による組合員所有林の集約化　−釜石地方森林組合（岩手県釜石市）−</h4>
<h5>1　実施主体の特徴と取り組みの背景</h5>
<p class="indent1">釜石地方森林組合は岩手県沿岸南部の釜石市と大槌町を管轄としている。総土地面積6万4,168haのうち森林面積が5万6,548ha、89％を占める。このうち民有林は3万8,013haである。民有林のうち45％にあたる約1万7,000haがスギを中心とした人工林となっている。国有林1万8,535ha、公有林6,582haと公的森林が多く、後述するようにこれが当組合の事業基盤となってきた。当地域は標高800〜1,300ｍの山々に囲まれた急峻な地形で、森林所有者も5ha未満の小規模所有者が半数以上を占めている。</p>
<p class="indent1">当組合は、組合員数が1,683人（2009年）で、組織率は釜石市のうち87％、大槌町のうち43％となっている。職員は内業をおこなう者が6名である。外業を担う者、つまり直営班として作業するものが7名、これに臨時3名が加わり、10名で2班を構成している。この他に、請負班が13班、約40名となっている。</p>
<p class="indent1">事業量のほとんどは受託、受託以外を問わず間伐であり、利用間伐が3割、保育間伐が7割という構成になっている。</p>
<p class="indent1">釜石地方森林組合が集約化に取り組み始めた背景は、それまで組合の中心的な事業であった国有林、公有林での事業が2002〜2004年にかけて大きく減少したことが直接のきっかけとなっている。そのため、組合員を中心とした私有林からの事業の掘り起こしが急務となったのである。これに対応する取り組みとして2004〜2005年にかけて岩手県の地方振興局、釜石市、大槌町によって、「健康な森推進隊」を設立した。管内の森林を巡視し、組合員への森林整備の働きかけを行う取り組みを展開し、それらが団地形成に結びつき、現在までに3地区で約200haの集約化を実現している。</p>

<h5>2　集約化の特徴</h5>
<h6>2.1　集約化の取り組み展開</h6>
<p class="indent1">現在までに集約化面積は、尾崎・白浜地区：40ha、20人、甲子地区：50ha、６人、佐須地区：100ha程度、14〜15人となっている。この他に箱崎地区で100ha以上の団地化をとりまとめ中である。なお、この箱崎地区は300haほど所有する団体の一部森林を対象としている。</p>
<p class="indent1">「健康な森推進隊」は管内独自の取り組みで、管内の森林整備が必要とされる森林の掘り起こしをおこない、施業の提案を実施していった。管内全域を対象に森林組合からの働きかけをおこなうと同時に、各地区の代表である理事が地区の森林所有者に積極的に働きかけをおこなうことで、集約化が実現していく。</p>
<p class="indent1">集約化のさきがけとなったのは尾崎・白浜地区、佐須地区であり、小規模所有者が中心であるが、組合理事がリーダーシップをとった事例である。管内6地区のそれぞれに座談会を開催したが、この2つの地区についてはより詳しい説明の要望があり、集約化に至るまで5回の説明会を追加的におこなった。こうした対応が他地区においても理解を生み、上記団地形成に結びついている。</p>
<h6>2.2　合意形成の手法</h6>
<p class="indent1">上記の通り、集約化に関わっては管内6地区で座談会を毎年開催している。通常、1月末から2月にかけて実施し、集約化に関心がある組合員から要望があれば随時説明会をおこなう。戸別訪問はあまりおこなわず、より小さな単位の地区での10〜20名に対しての説明会の開催を重ねていく場合が多い。</p>
<p class="indent1">また、当組合では団地化最終的な成果と考えており、通常は日常的な組合員への働きかけが中心である。具体的には、ひとつの現場で間伐作業に入る際、隣接する所有者に対して働きかけをおこない、面積をこまめにまとめていくという地道な作業が積み重ねられている。</p>
<p class="indent1">さらに、事前の十分な説明はもちろんだが、作業に入る前の立ち会いでの境界確認、所有者からの要望聴取など必ず行う。作業道を通す場合も、伐採する支障木を立ち会いで確認するなど、きめ細かな対応をおこなうことで、組合員を含めた森林所有者からの信頼を獲得することが目指されている。</p>
<h6>2.3　森林現況調査と境界測量</h6>
<p class="indent1">境界測量には「森林整備地域活動支援交付金」を活用するなどして実施している。間伐を実施する際には、山主が立ち会いのもと境界確認をし、毎木調査を実施する。</p>
<p class="indent1">森林現況調査、境界測量では、岩手県が運用している市町村森林管理システム（森林図）と連係させながら活用している。</p>
<p class="indent1">また2010年度からデジタルコンパスとＧＰＳを導入した。このことにより能率が３倍ほど上がったとしている。</p>
<h6>2.4　研修等の取り組み</h6>
<p class="indent1">上記の取り組みを実施するにあたって、2005年に岩手県の事業を活用し職員を日吉町森林組合での研修に参加させている。翌2006年には全国森林組連合会によるＪフォレスター養成研修に参加している。</p>
<p class="indent1">2007〜2009年には、提案型集約化施業の東北地域のモデル森林組合のひとつとなり、地域実践研修を実施している。</p>

<h5>3　素材の生産と販売</h5>
<h6>3.1　素材生産の実績</h6>
<p class="indent1">釜石地方森林組合が利用間伐を中心とする林産事業への明確に重点を置くようになったのは最近5、6年のことである。上述の通り、国有林、公有林等の事業の減少に対応するためで、集約化とあわせて利用間伐の推進に取り組んでいる。</p>
<p class="indent1">利用間伐に積極的に取り組む2004年度以前の素材生産量は概ね1万m3程度で推移をしてきたが、最近3年間の実績についてみると、2008年度は約1万7,000m3、2009年度は約1万2,000m3、2010年度は約2万m3（見込み）となっている。2009年度は国有林等での事業量が増えたため、林産事業に労務を十分に回せず一時的に落ち込んだが、素材生産量は近年大きく増加している。</p>
<h6>3.2　素材生産の体系</h6>
<p class="indent1">素材生産は素材生産専門の直営班2班（10名）が担い、必要に応じて請負班3班（9名）が加わることによっておこなわれている。また、大きな現場が入った場合は、地域の素材生産業者に請負に出すこともある。</p>
<p class="indent1">004年頃までは、現場担当職員が3名おり、トラックでの運搬や生産性の低い現場をになうなど、請負班の素材生産を補完する位置づけにあった。しかなしながら、林産事業を積極的に推進するにあたって、新たに人員を雇用し現在の作業班体制を構築している。具体的には、2007年に地域内で林業の経験があり技術の高い人物（43歳）を雇用し、林産事業のグループ長として素材生産全般の体制づくりを進めた。2009年にはさらに3名を雇用し、2010年には高卒の新卒者を採用している。</p>
<p class="indent1">作業班体制の構築とともに、高性能林業機械の導入もおこなっている。2009年にプロセッサを導入し、今後さらに導入を図っていく予定としている。</p>
<p class="indent1">生産の体系は、これまで短幹集材または全幹集材がおこなわれてきている。具体的には、伐倒：チェンソー、集材：林内作業車またはグラップル、玉切り：チェンソー、搬出：林内作業車である。これは現在もおこなわれているが、高性能林業機械を導入した班では、全木集材を実施しており、伐倒：チェンソー、集材：グラップル＋ウインチ、玉切り：プロセッサ、搬出：フォワーダ、となっている。</p>
<p class="indent1">斜面が急峻なため、作業道を自由に延ばすことが出来ないため、より簡易な搬出路を延長し伐出の効率化を進めている。搬出路はその後も使うことを想定して開設するが、崩れそうな場所では埋め戻している。</p>
<p class="indent1">これらの取り組みの結果、生産性は最低で4〜5m3／人日、最高で8m3へと上昇している。高性能林業機械を導入した場合は平均で5〜6m3／人日となっている。また、伐出コストも山土場までで4,000円／m3台、出荷先着でも7,000円／m3を下回るようになった。</p>
<h6>3.3素材の販売</h6>
<p class="indent1">現在の素材の出荷先は、大船渡（北日本プライウッド（株））、宮古（ホクヨープライウッド（株））の合板工場へ7割、2割が隣町の住田町の製材工場へ、残り1割が管内木材センターとなっている。</p>
<p class="indent1">3〜4年前までは、管内木材センターが最も多く、年間3,000〜4,000m3出荷していたが、木材価格が下がり、合板工場、製材工場への直送化を進めるにつれて中間土場的な位置づけに変わり、現在は年間1,000m3程度にとどまるようになった。</p>
<p class="indent1">一方で、合板工場への出荷量が急激に増加している。かつては材の単価が最も安い出荷先であったが、Ａ材価格が下落し、その出荷先も限られてくるようになったため、現在では中心的な出荷先となったのである。</p>

<h5>4　新たな取り組み</h5>
<h6>4.1　石炭火力発電施設への林地残材供給の取り組み</h6>
<p class="indent1">集約化と利用間伐の生産性の向上により、新たに可能になった取り組みがある。そのひとつが新日鐵釜石の石炭火力発電施設への林地残材供給の取り組みである。</p>
<p class="indent1">新日鐵釜石は、経済産業省系補助事業である「林地残材バイオマス石炭混焼発電実証事業」の採択を2009年度に受け、2010年度より本格的に木質バイオマスの混焼を開始している。当初予定では年間5,000トン（生トン）の供給であったが、供給目標を8,000トンに拡大した。この目標は達成され、8,000トンのうち約7割は釜石やその周辺地域からの規格外丸太であったが、約3割、2,500トンは釜石地域からの林地残材が供給された。</p>
<p class="indent1">釜石市もまた、「緑のシステム創造事業」（2009〜2011年度）としてこれらの取り組みを支援している。そのひとつとして、森林組合が高性能林業機械を購入する際の費用の一部を釜石市が負担をしている。</p>
<h6>4.2　Ｊ−ＶＥＲへの登録</h6>
<p class="indent1">集約化による森林管理体制の構築により、オフセット・クレジット（Ｊ−ＶＥＲ）制度への登録が実現した。釜石地方森林組合が取り組む森林整備活動を対象としたもので、2010年8月に483.85haの森林を対象に登録された。その後、山村再生支援センターによるマッチング支援により、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の商品、サービスのカーボン・オフセットとして採用された。</p>

<h5>5　成果と今後の課題</h5>
<p class="indent1">釜石地方森林組合における、集約化による成果は次の4点として整理出来る。</p>
<p class="indent1">1点目は、集約化が実現すると同時に林産事業の事業量拡大に結びついていることである。森林整備管内全域での森林巡視と地道な施業提案を通じ、森林整備事業の掘り起こしに成功している。その大きな成果のひとつは、3地区で約200haの団地が形成されたことであろう。また、集約化を着実に利用間伐の増加へと結びつけており、最近5年間で素材生産量を倍増させている。</p>
<p class="indent1">2点目は、高性能林業機械の導入が実現し生産性が向上したことである。急峻な地形のため高性能林業機械が導入しにくい地域ではあるが、集約化することでその導入が可能となったといえる。また、高性能林業機械の導入が着実に生産性の向上へと寄与している。</p>
<p class="indent1">3点目は、こうした素材生産の生産性の向上、伐出システムの転換を通じ、新日鐵釜石の石炭火力発電施設への林地残材供給が実現したことである。このこともやはり、集約化に基づく事業量の確保が重要な前提条件となっている。</p>
<p class="indent1">4点目は、集約化した森林を中心にＪ−ＶＥＲへの登録、採用が実現したことである。オフセットによって得られた資金は森林整備に活用される。地域森林の新たな価値化とさらなる森林整備の推進へと展開している。</p>
<p class="indent1">以上のように、集約化を中心とした取り組みは、様々な事業に好循環をもたらしている。成果が目に見えるものとなってきたのは、ごく最近であるため今後それらを安定させていくことが課題であろう。現在対応が急がれる具体的な課題としてあげられているのは、新たな林産班の編制である。現状では獲得する事業地に対して林産班が足りない状況になりつつあるためである。また、素材の販売先が合板に依存する割合が高まっているため、特にＡ材の販路獲得が今後の課題となってくるだろう。</p>

<p class="text_right">（伊藤幸男）</p>


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