<!--#include file="./header.html"-->
						<li><a href="./list4.html">事例：関西</a>&nbsp;&gt;&nbsp;</li>
						<li>大規模所有者を中心とした中間土場による原木流通コストの削減</li>
					</ul>
				<!--pankuzu-end--></div>

				<h2 class="title_h2 title_h2_shiryou">資料室</h2>
				<h3 class="title_h3 title_h3_shiryou_h22_report">森林組合は、全国各地で、森林づくりを進めている協同組合です。</h3>

				<h4>大規模所有者を中心とした中間土場による原木流通コストの削減　−速水林業・松阪木材（三重県北牟婁郡紀北町・松阪市）−</h4>
<h5>１　原木流通コスト削減事業の計画と実績</h5>
<h6>1.1　コスト削減の開始と経緯</h6>
<p class="indent1">三重県紀北町の速水林業大田賀山林周辺では紀勢自動車道建設工事による森林伐採で、一時的に大量の小径材などが発生することになった。これに対して、2007年から市売市場業者である松阪木材（株）が事実上のオルガナイザーとなり、速水林業の所有する大田賀土場（約1ha）の一部を借用して中間土場とし、速水林業など地域の複数の主体が供給する丸太を製材工場等へ直送する事業を行うことになった。速水林業にとっては、一時的な小径材対策であるとともに、構造的には育林・伐採を含む経営コスト削減の一環として、さらには近隣の大森林所有者によるネットワーク形成をも視野に入れて、並材および低質材の流通コストを削減しようとするものである。また、松阪木材にとっては、本業の市売業務が長期的に低迷するとともに、木材流通における物流短絡化の風潮が強まっていることに対する実験的な取り組みである。</p>
<h6>1.2　対象地の特色</h6>
<p class="indent1">ヒノキ良質材生産の伝統を誇る尾鷲林業地は尾鷲市と紀北町からなり、森林面積約40,678ha、人工林率60％である。先進林業地であるために所有の集中も進んでいて、100ha以上の森林所有者は14に達する。また、この地域には製材工場も多く、なかでも速水林業が所在する旧海山町の製材工場は素材生産業を兼ねている者が多く、大規模な森林所有者から直接に立木を縁故取引で購入する者が多いといわれる。</p>
<p class="indent1">従来からヒノキの良質材を中心とした林業が展開されてきたが、小径材については「森林組合おわせ」の小径木市場が一定の役割を果たしていた。だが、2004年9月の船津川氾濫によって被害を受け、そのまま廃止に追い込まれた。そのため、小径材の販路や需要が拡大している合板用材やチップ用材の流通体制を創設することも、地域にとっての課題であった。</p>
<h6>1.3　中間土場の設置状況と設備</h6>
<p class="indent1">2007年9月から大田賀中間土場での事業が始まった。</p>
<p class="indent1">さらに、2008年2月には大台町にあるT自動車社有林（旧M林産所有林、1,630ha）の土場を２番目の中間土場とした。それによって、ロットの拡大、土場利用の効率化や市売市場会社のコスト削減などが期待された。同社有林の管理は事実上、M林友（株）（社長は、速水林業幹部のK・Y氏）が行っており、間伐を大々的に実施し始めていた。しかし、リーマンショックによって、間伐はスローダウンしたために、2008年11月で中間土場としての役割は終わった。それにかわって、大紀町のY本家が所有する場所に中間土場が新たに設けられた。</p>
<p class="indent1">大田賀の中間土場では、速水林業は良質材（一番玉丸太）と、それ以外の木材とを自前で仕分けしている。そのような仕分や良質材の造材などは、速水林業の専門の従業員が担当している。</p>
<p class="indent1">松阪木材は大田賀の土場の4分の1にあたる2,500uの土地を速水林業から借用して、また大型のフォークリフト1台を常置して、速水林業の並材や低質材、それに地域の製材業を兼ねる素材業者などによる丸太について、仕分・選別・寸検の作業を行っている。</p>
<div class="margin_b10 text_center"><p class="margin_b5">表１　速水林業の販売量・販売額の推移</p><img src="./images/detail35_1.gif" alt="表１　速水林業の販売量・販売額の推移"></div>
<div class="margin_b10 text_center"><p class="margin_b5">表２　速水林業の販売形態別販売量・販売額の推移</p><img src="./images/detail35_2.gif" alt="表２　速水林業の販売形態別販売量・販売額の推移"></div>
<h6>1.4　計画と実績</h6>
<p class="indent1">全体的な実績については、「平成21年度第２回地域ブロック国産材安定供給協議会原木販売収入確保の取組事例」によると、2007年度、2008年度、2009年度（計画）の販売量はそれぞれ1,530m3、2,020m3、1,600m3、販売金額は1,830万円、2,840万円、1,500万円とされる。</p>
<p class="indent1">それらのうち、ここでは速水林業の供給動向を中心に述べることにする。</p>
<p class="indent1">速水林業は1,070haの森林を所有し、うち813haが人工林である。従来は成長量以下の伐採量を目標にして、長い間、間伐材を中心に年間3,000m3前後の素材を販売していたが、2000年前後には4,000m3前後に増加していた。その後、販売材積は減少し、2005年2,561m3、2006年2,805m3となっていた。2007年9月から大田賀周辺での高速道路建設現場における皆伐作業が始まったが、それから2010年までは伐採個所がその現場のみとなったため、表１のように販売量が減少し、販売額はその割合以上に大きく減少した。2008年頃から、速水林業の現場担当従業員は半数の7名がM林友へ出向するようになり、速水林業所有森林を担当する現場従業員は半減した。</p>
<p class="indent1">中間土場が稼働するまでの販売先は、良質材が松阪木材などの市売、並材がM木材市場、そして良質材も並材も含まれる地元製材工場と、その他であった。表２をみると、2005年の場合、４つの販売形態別の販売量はそれぞれ36％、24％、34％、6％を占め、金額ではそれぞれ64％、5％、28％、3％となっている。販売量では良質材の市売と並材の市売、地元製材工場が拮抗していたが、金額では良質材が群を抜いていた。</p>
<p class="indent1">2007年度の途中から伐採個所が大田賀土場周辺での皆伐（2010年度までで8ha弱）に限定されてくることになったので、全体の販売量が減少した。そのなかで、表２にみられるように、販売形態別にみる販売量の割合は大きく変わった。良質材の販売割合は減少し続け、2010年には販売額もわずか8％にまで下がった。また、M木材市場への並材は2009年からはゼロとなった。地元製材も減少し、やや盛り返した2010年の場合でも、販売量は6％、販売額は17％である。いっぽう、中間土場の割合は販売量では9割を、販売額でも7割を超えるまでになっている。</p>
<div class="margin_b10 text_center"><p class="margin_b5">表３　中間土場販売量・販売額の推移</p><img src="./images/detail35_3.gif" alt="表３　中間土場販売量・販売額の推移"></div>
<div class="margin_b10 text_center"><img src="./images/detail35_4.gif" alt="図１　中間土場を利用した流通経路"><br>図１　中間土場を利用した流通経路<br>資料：川端康樹『速水林業の山林管理と施業』6頁より作成</div>
<p class="indent1">そのようななかで、並材の流通形態については、従来のM木材市場への販売から中間土場を通した松阪木材への販売にシフトし、地元製材への販売の一部は松阪木材を通す商流に変わった。</p>
<p class="indent1">その間、速水林業による中間土場の販売量・販売額は表３のように推移したが、販売量は伸び悩んでいる。また、全体の流通経路を図化すると、図１のようになるが、大型製材工場や合板工場へはスギノアカネトラカミキリ食害問題（地域ではアリクイ問題）などで展開不十分である。</p>

<h5>2　コスト削減事業の手法と実情</h5>
<h6>2.1　素材の供給者</h6>
<p class="indent1">大田賀中間土場への素材の供給者は、速水林業以外では森林所有者は大紀町のY本家（大紀町などに1,256ha所有）で、旧海山町に所在する所有森林から出材される素材が持ち込まれる。それ以外は、地域の素材業を兼ねる製材業者であるU材木店、K製材所、S商店などである。</p>
<h6>2.2　市売市場会社</h6>
<p class="indent1">市売市場会社である松阪木材（株）が、仕分・選別・寸検の作業と与信業務を担当している。仕分・選別・寸検の作業は必要に応じて松阪から１〜２名の社員を派遣して、グラップルとフォークリフトを使って作業をしている。すべての丸太を計測する市売の場合には1時間かかる作業は、目算に変えることによって5〜10分程度で済むものもある。また、市売業務の場合と同様に、与信業務も行っているので、素材の供給者にとっては販売代金の回収の点で安心感がある。手数料は、松阪木材の市売の場合が8.1％であるが、1.1％低い7.0％に設定されている。</p>
<h6>2.3　素材の販売先</h6>
<p class="indent1">製材用材は、松阪市内の工場、旧海山町の地元工場のほか、和歌山県田辺市のYグループの工場などに販売される。とくに、大田賀中間土場からYグループの工場に直送する場合には、物流が松阪木材の市売市場を経由すると、中間土場（三重県紀北町）から市場（松阪市）までの約75kmと市場から製材工場（田辺市）までの約260km（途中で大田賀を通る）の二度手間となるのに対して、中間土場から製材工場までは１回の積みおろしで距離も約190kmで済むことになる。</p>
<p class="indent1">合板用材は京都府舞鶴市にあるHベニヤ産業（株）の工場、チップ用材は亀山市のSチップ（株）が予定されたが、前者は先に述べた事情で動いていない。</p>
<h6>2.4　合意形成の手法</h6>
<p class="indent1">速水林業と松阪木材とは古くからの取引関係にあり、速水林業と大田賀中間土場への供給者も、従来からの関係が深い。素材業を兼ねる地元製材工場は長年にわたり、速水林業から原木の供給を受けてきた。また、販売先の製材工場などは、速水林業の地元の製材業者を含めて松阪木材との従来からの取引関係を基礎としている。これらの信頼関係の上に、合意形成が成り立っている。</p>
<h6>2.5　コスト削減の手法</h6>
<p class="indent1">速水林業の立場からみたコストの削減は、輸送費、市場手数料のほか、松阪木材で仕分・寸検等を行うために造材出荷担当者が２名から１名に減ったことによるものである。</p>
<p class="indent1">輸送費は、従来、市売市場（松阪木材の市場）までの費用を速水林業が負担していたが、中間土場から製材等の工場までの直送になると、工場までの輸送費は原則的に工場側が負担するので、速水林業の負担はゼロになる。市場手数料は、松阪木材の市売では8.1％であるが、今回の場合は7.0％という取り決めなので、1.1％の節減となる。土場の整理料は市売では1,000円／m3であるが、中間土場でも同じである。</p>
<p class="indent1">速水林業の試算では、販売単価を20,000円／m3、出荷材積を1,000m3〜2,000m3、大田賀土場から松阪までの輸送費を2,500円／m3と設定すると、輸送費が250万円〜375万円、手数料が22万円〜33万円節減でき、それらを合わせると272万円〜408万円の節減となる。</p>
<p class="indent1">速水林業従業員による出荷・造材の生産性は、中間土場設置以前の2人体制の時期にあたる2005年が6.7m3／人日、2006年が7.8m3／人日だったのに対して、完全に1人体制に変わった2009年は16.5m3／人日、2010年は15.9m3／人日と、約２倍になっている。</p>
<p class="indent1">また、伐採の際、従来は山で枝払いをしていたが、地拵の省力化をも意図して、全木集材に転換して、枝条を松阪のウッドピア内に設置された木質バイオマス施設（市内の辻製油による蒸気発生に利用）に供給するための交渉が行われているとのことである。</p>
<p class="indent1">松阪木材の立場からの分析は、200７年度と2008年度の『林業生産流通革新的取組支援事業実績報告書』で行われているといってよかろう。
<p class="indent1">2007年度報告書の結果では、素材供給者（山主）については、中間土場を使うと従来の市売経由に比べて、1m3あたりで市場までの輸送費2,500円、手数料の差額24円、整理料の差額299円で、合計2,823円のプラスになると算定されている。いっぽう、製材工場等については、1m3あたりで、工場までの輸送費は500円増額になるが、積込料が717円節減されるので、217円の節減になると算定されている。ここでも、山側にとっては一定のメリットがあるとされている。</p>
<p class="indent1">2008年度報告書では、中間土場２個所による積み合わせの効果の実験結果が示されている。そこでは、コストが下がったケースもあったが、両土場の出材状況が合理的に揃うわけではないこと、同じ日に行われるため仕分等の作業コストが増加することなどの問題点が挙げられている。</p>

<h5>3　原木流通コストの成果・課題と今後の構想</h5>
<h6>3.1　成果</h6>
<p class="indent1">先に述べたように、速水林業の試算においても、2007年度の『林業生産流通革新的取組支援事業実績報告書』の結論からも、中間土場から製材工場等への直送によるコストの削減が主に中間土場から市売市場までの輸送費の節減によって発生し、速水林業など川上側に還元されていることが分かった。それとともに、市売の場合と同様に、松阪木材による与信事業に与ることができる点が、川上側にとっては大きなメリットであると評価されている。いっぽう、製材工場など川下側にも若干のコスト削減によるメリットがあることも分かった。</p>
<h6>3.2　課題</h6>
<p class="indent1">オルガナイザーの役割を果たした松阪木材にとっては、与信事業も同時に行っているため、この事業単独では採算がとれないようである。速水林業の場合のように従来から市売での取引があることと一体になって初めて採算性がカバーできるということである。</p>
<p class="indent1">さらに、今後については、出材量が拡大あるいは維持できるかどうかが、このような取引を維持できるかどうかのポイントとなる。また、技術的な問題としては、仕分・選別等の作業を素材供給者側で行うことが2008年度に実験されたが、需要者側からのクレームが増加する結果となった。素材供給者側が的確にこのような技術を身につけることによって、仕分・選別等のために松阪から出張することがなくなれば、コスト削減に結びつくことになろう。</p>
<h6>3.3　今後の構想</h6>
<p class="indent1">速水林業では高性能機械の導入による伐出過程の合理化が早くから進められてきたが、2004年には育林過程についても植付本数の8,000本から5,000本への削減、除草剤の導入などによって413人工から136人工へ削減する方針が打ち出された。しかし、2007年以降、T自動車社有林と一体的な管理が始められた頃から、灌水チューブやセラパイプを使った苗木が導入され、それを核として4,000本植えで95人区という新たな目標が設定されている。</p>
<p class="indent1">このような育林施業体系の合理化とともに、販売方法の見直しが打ち出され、@造材方法の改善、A量の確保、B販売コストの削減、C原木の流通経路が掲げられている。Aでは中間土場の事業に示されるような並材の大ロット化や地域（グループ）間の連携が挙げられている。地域（グループ）間の連携については、中間土場の現況では速水林業、Y本家、T自動車の連携が進められているが、さらに地域の大森林所有者を集めて、6,000ha〜7,000ha規模の丸太供給源を確立することまで構想されている。そして、大ロット化を確保するために、それらの所有者ごとに中間土場を設置し、現在の２つの中間土場にとどまらず、それらを連携していく構想である。</p>

<p class="margin_b5">参考文献</p>
<p class="margin_0">田中林業株式会社『林業生産流通革新的取組支援事業実施報告書』（平成19年度版、平成20年度版）2008年、2009年。</p>
<p class="margin_b10">川端康樹『速水林業の山林管理と施業』（速水林業資料）2010年。</p>

<p class="text_right">（三井昭二）</p>


<!--#include file="./footer.html"-->
