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						<li><a href="./list7.html">事例：九州</a>&nbsp;&gt;&nbsp;</li>
						<li>直営林を核にした中・大規模森林所有者の集約化</li>
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				<h2 class="title_h2 title_h2_shiryou">資料室</h2>
				<h3 class="title_h3 title_h3_shiryou_h22_report">森林組合は、全国各地で、森林づくりを進めている協同組合です。</h3>

				<h4>直営林を核にした中・大規模森林所有者の集約化　−久恒森林株式会社（大分県中津市）−</h4>
<h5>1　実施主体とねらい</h5>
<p class="indent1">久恒森林株式会社（以下，久恒森林）は大分県中津市周辺にある久恒家所有林710haを経営する事業体で，1992年に法人経営に移行し，2002年に認定林業事業体となった。中津市は，平成17年に3町1村を編入合併し，西南部は日田市と隣接して日田地域の木材集荷圏でもあり，林野率は約8割と高く，その多くが民有林である。</p>
<p class="indent1">久恒家はかつて筑豊地域で炭鉱を経営し，杭木確保のため明治から昭和初期にかけて林野を取得し，人工造林を行ってきた。1991年の台風19号により同社の所有林も大きな被害を受け，90年代は主に100ha以上の復旧造林を行った。また，人工林の6割は７齢級以上の利用間伐対象林分であるが，台風災害復旧により間伐が遅れ気味になっていた。</p>
<p class="indent1">そこで，高性能機械導入と作業道開設をセットにした列状間伐に取り組み，伐出工程の単純化を通じた経営改善を目指した。年間1,000ｍ前後の作業道を開設し，2006年までに所有林の25％にあたる154haにおいて作業道開設と１巡目の列状間伐（3残1伐）を実施し，現在は2巡目の列状間伐（3残部分を1列伐採）を実施している。これを皮切りに，新生産システム一連の事業など様々な事業を利用して，直営作業班の育成，土建業界の工程管理手法の導入，多様な原木販売先の確保，再造林の低コスト化，ハイブリット機械（スウィングヤーダにハーベスタ・ヘッドを装着したもの）の導入による列状間伐の低コスト化など，多方面で生産性の向上・コスト削減と作業実行体制の整備に取り組んできた。</p>
<p class="indent1">同社の集約化のねらいは，このような経営改善で習得した高い生産力を十分に発揮できる事業規模に拡大すること，販売先確保・未利用材の価値実現をはかることにある。</p>

<h5>2　集約化事業の計画と実績</h5>
<h6>2.1　これまでの集約化の経緯</h6>
<p class="indent1">2007年の林業経営担い手モデル事業では，3カ年にわたって自社有林670haを核として，中津市内の中・大規模森林所有者（所有林864ha）に中心に働きかけ，合計1,534haを同社が一括して森林管理を行うこととした。その結果，2009年には直営林と合わせ1,601ha（うち森林施業計画面積1,212ha）の森林について長期施業受託をはじめた。森林組合とは異なり，比較的財産保持的性格の強い中・大規模林家層に焦点を当てて長期受委託の話を持ちかけているところが特徴である。</p>
<p class="indent1">長期施業受託によって経営規模が拡大し，経営組織が大きくなるにつれて，現場に対して中枢機関が的確な指示（工程管理や労務管理など）を出せるような業務管理システムが必要になった。そこで，それまでの専務1人，または専務と幹部2名で指揮を執る体制から，2007年に森林計画室を設置し，2010年には3課体制へと組織改変している（図1）。また，森林計画室設置を機に，それまで森林組合に委託していた森林施業計画を自社で樹立するようになり，また集約化した森林の森林施業計画策定の受託，それらの森林のＧＩＳによる管理も開始した。さらに，複数の現場を同時に管理でき，幹部職員と現場従業員の情報共有がスムーズになるように，従業員全員のスケジュール管理及び作業指示の電子ネットワーク化にも取り組んでいる。</p>
<p class="indent1">現在，集約化に係る業務は4人で行っており，それぞれの仕事に占める集約化事業の割合は，T氏10%（他の業務は造林），O氏40%（他に労務・安全管理60%），U氏50%（森林計画室長），N氏100%で，ほぼ2人が専属で集約化事業にあたっている計算になる。</p>
<div class="margin_b10 text_center"><img class="margin_b5" src="./images/detail15_1.gif" alt="図1　久恒森林経営組織の変遷"><br>図1　久恒森林経営組織の変遷<br><span class="font_s">資料：久恒森林業務資料および聞き取り調査より作成<br>注　：これらに加え，山林所在地の管理人（山守）や請負人が管理・現場作業を行う。</span></div>
<h6>2.2　集約化面積・所有者数と実績</h6>
<p class="indent1">まず集約化を予定したのは，中・大規模森林所有者A氏グループ4人（452ha），B氏グループ3名（185ha），C氏（32ha），久恒森林グループ4名（710ha）の1社11名1,380haであり，2007年度末までに長期施業受託契約および森林施業計画の樹立が終了した。また，所有森林が集中している中津市内の3地域において，周辺の小規模森林所有者の集約化に取り組んだ。2009年度には，宇佐市院内町にて久恒森林の所有森林周辺の共有林を含む小規模森林所有者50名30haの集約化を行った。さらに，同社が森林施業計画の樹立や長期施業受託を行っていることを知り，3名の中規模所有者から声をかけられ，契約を結んだ（うち1名（50ha）は，施業計画策定のみの委託）。</p>
<p class="indent1">集約化の取り組みにより，久恒森林は経営面積を直営林のみの624ha（2006年）から1,533ha（2009年）へと拡大し，素材生産量も2,320m3（2006年）から6,515m3（2008年）へと増加させている。</p>

<h5>3　集約化の特徴</h5>
<h6>3.1　森林現況調査と境界調査</h6>
<p class="indent1">森林現況調査は，森林簿および森林計画図の整理，点検，修正を行い，森林施業計画樹立した。その後，空中写真等を用いた現況把握を実施し，それを補完するため，所有者自身や所有者が施業を委託していた管理人と職員とで現地で林相を確認し，ＧＰＳを用いて境界測量を行った。これにより，2007年度に，1,380haの現況調査と約1,500mの境界測量を完了した。現在は，大分県よりＧＩＳのデジタル情報を入手し，日常的な施業履歴と併せて管理している。その一方で，地籍調査が終了していない地域については，地元の山番や森林所有者の協力のもとでの境界確認が欠かせない。</p>
<h6>3.2　合意形成過程</h6>
<p class="indent1">主な集約化の対象である中・大規模森林所有者には，まず中・大規模森林所有者グループの本家に同社での森林施業計画の樹立と長期施業受託を持ちかけ，承諾を得られた森林について施業計画樹立と長期施業受託を締結した。しかし，これらの森林は，面積も広く，所在地も中津市内やその周辺に点在しているため，具体的な施業については随時施業提案を行い，承諾を得て実施する方式をとっている。久恒森林の施業実施予定がある直営林や受託森林に接する小規模森林所有者については，基本的には集落ごとに座談会を開き，施業内容等の承諾を取りつけている。また，中・大規模森林所有者と異なり，森林所有者の所在を森林計画図，森林簿，森林の地番を基に把握し，自宅訪問を行うケースもある。</p>
<p class="indent1">合意形成の過程で，久恒森林へ施業を委託するメリットとして，作業道等が未開設の森林には負担金なしで開設できること，森林施業計画対象になっていない森林では久恒森林が施業計画を樹立することで様々な有利な補助金が活用できること，集団施業によって施業コストの低減ができること，素材生産の際には久恒森林の販売網を利用して有利な販売ができることを挙げている。</p>
<h6>3.3　長期施業受委託契約の運用</h6>
<p class="indent1">長期施業受託林の契約書は，5年間の森林管理について契約しており，施業の実施については施業計画の範囲で行い，施業実施の際には個別に見積書を提示し，承諾を得たうえで実施している。2007年に集約化の承諾を得られた中・大規模森林所有者グループとは，森林施業計画樹立時に契約を締結している。長期施業受託を締結している森林の施業実施は，おおむね当初の計画通りに遂行している。</p>
<p class="indent1">長期施業受託林の面積が大きい一方で，今すぐに収入間伐ができる林分がほとんどないケースや森林所有者の経営方針に沿った施業を行うケースもあり，現状では久恒森林の低コスト列状間伐は直営林においてのみ実施している。</p>

<h5>4　素材の生産と販売</h5>
<h6>4.1　素材生産</h6>
<p class="indent1">素材生産は直営林では列状間伐を，経営受託森林では定性間伐を実施している。また，生育不良林分については植え替えを前提とした皆伐も行う。現場従業員はハイブリッド機2台やフォワーダ等を使いこなす林産班3班9名，作業道開設班4名，森林整備班1班9名である（2010年6月現在）。彼らは日給月給制の直接雇用労働者であり，労働・社会保険や中退共にも加入している。久恒森林が経営改善に取り組む2000年以前は，管理人と季節労働的な請負人が施業を実施していた。列状間伐に取り組み，高性能林業機械を導入するにつれて，作業効率と安全確保の観点から，若年労働力を新たに雇用して技術者を養成し，現在の作業実行体制へと刷新した。現在でも管理人や請負人は数名ずついるが，一連の経営改善に取り組んでからは作業の主体は直接雇用の若年労働力に移り，素材生産量も増大し，素材生産6,000m3を目標としている。</p>
<p class="indent1">また，ハイブリッド機の利用や循環式路網の開設・改良（山土場作設を新たに必要としない）に加えて，高性能林業機械や人員を効率的に配備するために，土建業界等で活用されている工程管理手法を導入し，さらなる低コスト化を図っている。</p>
<h6>4.2　素材の販売</h6>
<p class="indent1">現在，原木の販売先として，Ａ材は日田地域の製材工場への協定取引や産直住宅向けに，ＢＣ材は国有林のシステム販売と共同で販売している。協定取引は，新生産システムによるものが日田地域の2社，独自の契約が原木市場を仲介して九州外1社と日田地域1社，中津市内1社がある。一方で，曲がり材の割合が比較的高く，直材や目細材を要求する当地の製材工場の需要に合致しないことも多い。また，伐採現場から出材されるもの全てを販売する必要があるとして，ＤＥ材（極曲，腐れ，枝条等）をボイラーチップなどに利用するため販路を模索中である。</p>

<h5>5　成果と今後の課題</h5>
<p class="indent1">久恒森林では，2000年より多角的に経営改善に着手し，習得した高い生産力を十分に発揮できる事業規模に拡大するために，長期施業受託に取り組んできた（図2）。長期施業受託は，事業量の確保という意味では経営の持続性確保の取り組みであるが，同時に，森林所有の枠を超えた生産活動を展開し，地域森林管理の担い手を目指した取り組みとも言える。一方で，素材生産にすぐには直結しない受託森林も存在し，また境界確認等の管理業務が増加した。これらの増加したコストを，一部は森林整備地域活動支援交付金を利用しているが，今後どのように吸収していくかが課題である。</p>
<div class="margin_b10 text_center"><img class="margin_b5" src="./images/detail15_2.gif" alt="図2　久恒森林の経営革新の全体像"><br>図2　久恒森林の経営革新の全体像<br><span class="font_s">資料：聞き取り調査より作成</span></div>

<p class="margin_b5">注および引用文献</p>
<p class="margin_0 indent-1"><sup>1)</sup> 興梠克久「森林・林業基本法下の林業構造ビジョンと林業事業体」志賀和人・藤掛一郎・興梠克久編著『地域森林管理の主体形成と林業労働問題』日本林業調査会，2011年，63〜75頁</p>
<p class="margin_b10 indent-1"><sup>2)</sup> 全国森林組合連合会『平成19年度林業経営担い手モデル事業成果報告書』，2008年，58〜64頁</p>

<p class="text_right">（川ｱ章惠・興梠克久）</p>


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