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2009/04/20

豪雪地帯で組織一丸となって取り組む津南町森林組合に学ぶ

津南町森林組合収益構成

津南町森林組合収益構成

 今回は、4月7日に伺った新潟県の南の雪深い山間の町、津南町森林組合をご紹介しましょう。津南町人口は1万2千人、面積は170平方km日本一の河岸段丘と、日本一の豪雪地として有名です。

津南町森林組合は、組合員数は1700余人、区域内森林面積も11,437haと決して大きくない組合ですが、職員は144人で、毎年若い職員を採用しています。(平均年齢も○○といいます。)昭和42年に組合員の森林を造成するために造林事業に取り組んで以来、チップ工場の賃貸契約、山菜加工、木工芸品生産に毎年のように新しい事業を取り入れ、雪国特有の12月〜3月季の雪崩等の危険が多い森林内での作業を避け、土場や工場でできる作業に特化してきたのでそうです。

津南町森組滝沢専務、新潟県森連村松会長と

津南町森組滝沢専務、新潟県森連村松会長と

 新潟県森連村松二郎会長、津南町森林組合滝沢完治専務理事のご案内で、国道405号線沿いに広がる工場群を視察させていただきました。
 工場は、いろいろな国の補助事業を逐一取り入れてきたものですが、連携もよく、排水浄化も集中的に行われ、まさに小コンビナートの観がありました。
 平成20年度の総収益は、20億1,792万円、その63%は工場で生産された特産品の販売によるものです。チップ工場等の木材関係は11.5%、通常組合の主たる収入である森林経営指導等はわずか0.7%です。まだまだ、特産関係の生産施設の増設の計画があるようですが、これは、これまでと同様、販売提携等により販売先を確保した上で実施することにしているそうです。丸太や製材製品の販路確保に悩んでいる木材工業中心の組合とは大変な違いですね。

職場訓(創立30周年記念碑碑文より)

職場訓(創立30周年記念碑碑文より)

 工場などの生産現場では、従事している職員がきびきびと働いているのが印象的でした。伺えば、「職場の道標」といういわば組合訓のようなものがあるそうです。それは、昭和44年度事業計画策定に当たってチップ工場の経営や、これに伴う林産事業の強化拡大など現業職員の増加と併せて危険の伴なう職種が多い事など、職員一人一人この声を揃えてお互いを結ばせ目標を共有して危険防止を願い、そして自らを律しながら家庭の安定につなげてほしいと考え、理事会の承認をうけたものだそうです。

 創業当時の意気込みが伝わってきますね。これが、今も脈々と生きているのです。 さて、全国森林組合連合会も4月1日から、系統に「JForest」という新たなロゴマークを導入するとともに、林業従事者の雇用創出などを目的としたグリーン・ニューディール事業に取り組んでいます。

 この事業は都道府県の森林組合や連合会などの構成団体にコスト削減を促し、国産木材の利用拡大を図ることで雇用創出につなげる。取り組みを通じ、農山村の活性化につなげるものです。系統の皆様方の絶大なるご協力を得て継続的な成果をあげて行きたいと思います。
 なお、力強く育つ木と、間伐され美しくバランスの取れた森林、山間を表現しました。これからの活動のシンボルとして参りたいと思います。


平成21年4月20日

全国森林組合連合会
代表理事会長 國井常夫

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森林づくりを進める170万人の協同組合 JForest全国森林組合連合会
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