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2009/03/25

東西ブロック森連会長会議開催される 〜危機感のなかで熱い議論〜

 東日本ブロックを3月23日に東京で、西日本ブロックを25日に大阪で開催しました。百年に一度と言われる世界的な金融危機の中で、林業界においても、住宅や製紙需要が激減、国内原木価格も続落しています。森林所有者や森林組合・連合会の経営が危機的な状況にさらされている中で、白熱した議論が展開されました。

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東日本ブロック 3月23日:東京

東日本ブロック 3月23日:東京

* 環境税の実現と木材自給率の向上を目指せ!!
 多くの都道府県で環境税が導入され、森林整備が随分進んできているが、国の環境税は依然として実現に至っておらず、実現に向けた系統一丸となった取り組みを進めていくことが肝要である。
 加えて、住宅の50%は国産材を利用することを目標とするようにしないと森林組合は潰れてしまう。このままでは、木材製品に買い手がつかない状況にあり、木材自給率の向上のため、あらゆる努力をすべきである。



* 思い切った対策で林業の復権を!!
 政府は、予算額を増やすだけでなく、思い切った制度の見直しをすべきである。
全国700組合に1億円ずつ配分し、山村における雇用創出や低炭素社会を実現するくらいの気構えを持つべきである。
 そうしてくれれば、我々も責任を持った使い方を自分たちで考えて、山村・林業の再生させるための努力を惜しまない。
 新たな展開を切り開くための英断を政府に求めていくべきである。

* 需要創出こそが林業復権の鍵!!
 超長期住宅200年住宅や内装材への使用等需要開拓が林業復権の鍵。基本は顧客である地域の工務店を大切にすること。また、大手ハウスメーカーに対する働きかけも重要である。
 無垢の住宅の良さを訴えるTVドラマ化でのPRや木材の安全性のPRも必要である。
 もちろん、公共事業や公共施設への国産材の利用拡大をこれまで以上に求めていく地道な活動を忘れてはいけない。

西日本ブロック 3月25日:大阪

西日本ブロック 3月25日:大阪

* 木質バイオマス利用推進には政府の支援が不可欠!!
 バイオマス利用には10年間取り組んできているが、現状は赤字である。電力会社への売電については採算がとれるものもあるが、バイオマス事業トータルでは採算に合っていない。ミシガン州トラバスシティのバイオマス発電がコスト問題から原子力発電に転換された現実がある。バイオマス関連の取り扱いは、行政・政府とよく連携しないと、コスト問題で挫折してしまう。継続性のある事業とするためには政府の支援が不可欠である。

* 荒廃した森林の再生や竹林対策、あわせて獣害対策の強化を!!
 皆伐したあと放置されて荒廃した森林を早急に整備すべきである。また、人工林に侵入した竹林の整備も重要である。
 荒廃森林対策を強化して、森林資源を循環させる森林構造を造っていくことが必要である。
 また、新植後、シカ等の獣害が多く発生しており、獣害対策や補植経費助成を強化することが健全な森林を育てる上で不可欠である。

* 系統におけるセーフティーネットの構築を急げ!!
 経済不況の中で森林組合の経営は、一層苦しくなっている。森林組合、連合会の経営指導・支援をしっかりやってほしい。経営悪化した組合の金融支援を含めたセーフティーネットを早急に構築すべきである。
 このままでは、林業の担い手としての森林組合が立ち行かなくなり、山村・林業が崩壊してしまう。山村に人が定住・定着できるといった根本対策をお願いする。

* 緑の雇用対策の充実と無災害を目指した取り組みを!!
 緑の雇用事業の充実が必要、特に労災の問題については、無災害を目指してしっかりとした対策を実施する必要がある。全森連でしっかり取り組むことが必要である。 
 国会審議の場で「森林組合は担い手ではない」旨の発言があるのはPRが足りないからだ。全森連は、系統指導のみならず、そうした発言をする政治家に対する指導もしっかりやってほしい。林野庁へもしっかり言ってほしい。

* 積極果敢な林政活動の展開!!
 森林・林業活性化に向けたマニュフェストを速やかに策定し、全森連が東京の事務所にいるからできることの存在意義を認識し、高い次元の政治活動をしっかりやってほしい。  
 全森連は、事業計画にある「積極果敢な林政活動の展開」に力を入れて、政策の実現に向けてまい進すべきである。

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 各連合会長からは各地域の切迫した状況が訴えられました。全森連では各地域の要望を集約し、政策・予算に反映するよう、政府・国会に要請活動を展開していきます。
 また、国レベルだけでなく、各都道府県段階・市町村段階においても必要な施策の実現へ向けた要請活動とこれまでに実現した制度・予算の効果的な活用について更に努力し、この大不況を組合員と共に乗り切っていかなければなりません。
 系統一丸となって、力を合わせて頑張りましょう。

                                 平成21年4月1日
                                 全国森林組合連合会
                                 代表理事会長 國井常夫

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森林づくりを進める170万人の協同組合 JForest全国森林組合連合会
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