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27 『第3回森林活用セミナ-レポート vol.2』 2003/3/17
テーマ1「身近な木材資源を活用することの意義と住宅文化」

本テーマでは、暮らしや住まいに近くの森林・木材資源を活用することの意義を解説するとともに、近隣の山の木で家を建てる運動や国土交通省が進める長寿命木造住宅整備などの事例紹介を通じて実践が呼びかけられました。解説および、報告のポイントを紹介いたします。

○解説
菊間 満氏(山形大学農学部教授)

日本の住宅事情は貧困であり、特に大学生は住宅受難者と言えます。阪神大震災におきましては、木造アパートなどに住んでいる国立大学校の学生の犠牲者が多かったのです。また、家庭内で起きる災害で年間1万人近くが亡くなっており、そのうち約7割は65才以上の高齢者が占めます。住宅建築業界の構造も特殊で、年間1万戸以上生産するメーカーが数社もあります。これは先進国の中でも日本だけに見られる特殊な状況です。さらに、新規住宅着工独自の振興策には偏りがあるため、規格化された木材を大量に供給しなければならず、地域から生産された材木を有効に利用することは産業構造的に難しい状況にあるのです。


○報告「東京の木で家を造る会の活動」
稲木清貴氏(東京の木で家を造る会)

地元の材木を使うことは良いことのように言われていますが、私は大変危うきことだと思っています。それは日本の林齢構成によるのですが、現在低齢級の立木の植栽面積は非常に低レベルです。このまま、国産材を使っていけば材木として使用できる森林の備蓄がなくなり、さらなる外材依存体制に陥る恐れがあるのではないでしょうか。行政や研究者の方は、現在の備蓄量を試算し、この問題について調査して欲しいと思います。


○報告「国土交通省がすすめる超寿命木造住宅整備」
水流潤太郎氏(国土交通省住宅局木造住宅振興室長)

住宅の平均寿命は日本26年、アメリカ44年、イギリス75年です。今後は長寿命の木造住宅を作っていく必要があると思います。また、木屑の再利用率は36%しかありませんが、これを一層上げていく必要があると思われます。


○報告「住宅の近山度を表すウッドマイルズの提案」
藤原 敬氏(森林総合研究所理事)

ウッドマイルズとは、木材総輸送距離のことです。今後、木材の利用を考える上で重要な指標になるものと思われます。日本は、アメリカに次ぐ木材輸入国ですが、南米や北欧といった遠距離からの輸入率がアメリカに比べて高いのです。これは結果として輸送によるエネルギーコストがかさみ、低エネルギー原料としての木材の価値を引き下げるものとなります。今後は、この指標を環境と森林を考える上で注目していただきたいと思います。
 

 

 
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