2004年の「間伐・間伐材利用コンクール」の中で「暮らしに役立つ間伐材利用」部門での林野庁長官賞を獲得したのは、愛媛県森林組合連合会木材加工センター(愛媛県松山市)です。受賞の対象になったのは、六角チャコールブロックの開発と製品化。六角チャコールブロックは、地元から産出されるスギの間伐材の端材などを、細かく砕き、炭化させた「炭」を六角ブロックに固めたものです。遊歩道の舗装に使用できるもので、クッション効果、透水作用、施工性に優れ、景観や歩行者の歩行快適性に配慮した製品。炭の効能である浄化・消臭・土壌改良作用を活かしており、都市公園整備や森林空間整備など公共性の高い場所での活用が期待される製品です。
この六角チャコールブロックを開発したのが、愛媛県森林組合連合会木材加工センター所長の松下義雄さんです。開発の経緯と製品化までの道のりをうかがいました。


施工性を追求して
「木材加工センターは昭和55年に設立されました。当初は小径木の有効活用を目的として、杭の生産を始めました。この六角チャコールブロックは、切り捨て間伐したものや、根株などの有効利用を目指して開発したものです。最初の発送は、木くずを炭化したものをアスファルトのように舗装に使えないかということで始めたんです。施工例もあるんですが、施工してから養生に1か月かかるといった具合に施工性が悪いんですね。それを改良して、ブロック状にしたわけです。六角形の形状は、交互に入れ子になっているので、順に置いていくだけで施工できるし、お互いの重さでお互いを固定できるようになっている。施工してすぐに歩くこともできる。最大のメリットは、水はけがいいことです。とにかく、水が貯まるということが一切ないんです。さらに、木と違って柔らかいんですね。歩いていて、クッション効果がある。さらに炭のメリットとして、土壌改良効果も期待できます。炭の多孔構造がバクテリアなどの住処になる。また、炭の多孔構造は水の浄化作用も期待されています。また遠赤外線効果も見逃せません」。

木材加工センター内にサンプルで施工されている六角チャコールブロック。写真ではわかりにくいかもしれませんが、撮影時は雨が降っていました。水はけの良さは特筆ものです。
舗装に用いたのが、平成13年。六角ブロック化したのが平成14年。施工実績は、平成14年が約40000個、平成15年が約30000個、平成16年が約41000個で推移しています。施工地域は、県内に限らず滋賀県などからの発注もあります。


透水性と親しみやすさが魅力
「炭を破砕したのでは、破片が均一になってしまうんですね。破砕した木を炭化することで、破片の大小ができるわけです。そのことによって、透水性など、六角チャコールブロックの特徴が出ているわけです。ただし、生産には非常に手間がかかる。現在では、カラーブロックの会社に生産を委託しています。炭化に関しても、外注という形を取っています。現状では、ひとつ当たりの価格が550円で、坪当たり11000円になっています。価格を抑える努力はしているんですが、炭を固めるためのレジンが高価なんですね。」
六角チャコールブロックのラインナップは、現在着色していない黒、黄色、赤の3種が用意されている。着色に関しても、以前はベンガラやチタンを混ぜ込むなどの方法で着色していましたが、現在ではできあがってからの吹きつけ着色としています。耐久性に関するテストなどはしていませんが、5年前に施工したものが現状でもほぼ施工時と変わらない状態であることから、10年程度は使えるのではないか、と見られます。アスファルトが5年で施工し治すといいますから、耐久年数としては十分ではないかと考えられます。

六角チャコールブロックのメリットはたくさんありますが、何よりもまず製材過程や、森林維持の際に出る木くずや端材の有効利用ができること。本来ならば、捨て置かれるか、燃やされるかしかないものを使うことができるわけです。炭化はしていますが、二酸化炭素の固定にも一役買っています。さらに、アスファルトやカラーブロックでは得られない自然の風合いが得られることです。公園内の歩道などに使えば、周囲との緑や土との相性もよく、違和感なく自然にとけ込ませることが可能です。今後も、県内、県外に限らず公共施設などの歩道の舗装に活躍しそうです。

木片を破砕してから炭化する。そこが特徴でもあり、むずかしいところ、と語る松下さん。

皿ヶ嶺は松山市民の憩いの場。四季折々の花が出迎えてくれます。その一部に六角チャコールブロックが使われています。
瀬戸内海に面する川之江のチャコールロード
木材加工センターでは、六角チャコールブロック以外にも、木材化粧型枠ウッドグッドや、コンクリートを使わないウッドブロックなど間伐材の有効利用を図るための技術開発を行っています。写真はウッドグッド。