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さて、森林の恩恵は以上のように計り知れないのですが、その森を守るために間伐、つまり木を伐採することがどうして重要なのか、を紹介しましょう。森林は、大きく分けて人工林と天然林に分類されます。天然林は生育過程が、その名の通り、自然の力を利用して生長し、衰退していくものです。山火事などが起こり、壊滅的な被害を受けない限りはあまり人が手を加える必要はありません。
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| 実際の間伐作業。いま、若い森林労働者を増やさなくては、熟練の森林作業のノウハウも失われてしまう。 |
一方、スギやヒノキなどのいわゆる人工林は、人の手によって植林をします。植裁本数は1haあたりに3000本もの苗木が植えられます。これが最終的には500〜600本になります。つまり4/5程度は間伐などをしなくてはならないのです。人工林を適切に維持するためには、間伐の他に枝打ちや下草刈りなどの作業が必要です。いずれも、森の中に日照を確保するための作業になります。かつては、間伐材も建築現場の足場や様々な木工製品などに利用されるという需要もあったのですが、現在では間伐材は驚くほど安値でしか取引されていません。間伐のためにかかる人件費も出ないほど安価なのです。それでも、きちんと生長した木材が適切な価格で取引されるのであれば、そのための投資として間伐を行うこともできますが、成長した木材ですら驚くほどの安値でしか売れなくなっているのです。それは、海外から想像を絶するほど安価な木材が流入しているからです。海外からの木材輸入のすべてに問題があるわけではなりません。カナダや北欧のような持続可能な林業から生み出される木材なら問題は少ないのですが、東南アジアなどから送られてくる木材は持続可能ではない、植林を伴わない皆伐などによって送られてくる木材が大量に含まれているのです。また、ロシアからは他人の森林の木材を無断で伐採したいわゆる盗伐による木材も流入しているといわれています。これらの木材が流入していることで、木材価格が下がり、それにともなって国産材も安価でしか取引されなくなっているのです。そのことが日本の林業を圧迫しています。予算が足りずに間伐などの手入れが行えなくなっているのです。適切に間伐が行われない人工林では、木は生命力を失い、十分に根を張ることもできなくなり、いわゆる線香林と呼ばれるひ弱な人工林が拡がっていきます。こうした人工林は、冒頭に書いたような森の機能を十分に果たすことはできません。さらに、日本が海外から違法伐採された木材を購入することにより、世界規模の森林面積の減少、ひいては世界の環境破壊という事態も招いています。
日本は、森林面積が国土の67%を占める森林国家です。これらの森から毎年出てくる森林資源は、日本の木材需要の90%前後をまかなえるといわれていますが、実際には20%程度しか利用されていないのが現状です。国内の森林を守るためにも、世界の森林資源を守るためにも、国産材を使うことが求められているのです。現在、日本の森の状況に危機感を持つ多くの人びとが、間伐材を使った製品を開発、販売しています。日本の森林を守るために、都市部に生活する私たちにできることは、こうした製品を積極的に購入し、使うことなのです。かつては、間伐材を含む国産材を使った家具や家は高価であるというのが常識になっていました。しかし、最近は事業に携わる人びとの努力により、海外からの輸入品と十分に競合できる価格になっています。
日本の森を守るために、そして世界の森を守るために、日本の森の恵みを生活に取り入れてみませんか?
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