日本の森を守る「間伐」
Part 3  森の恵みの新たな活用法─「カートカン」を知っていますか?─
偶然に出会った間伐材
「間伐材利用は、品質追求の結果だったんです」と語る凸版印刷株式会社パッケージ事業本部事業戦略本部営業企画部事業企画チーム梅田勝彦さん。
「間伐材利用は、品質追求の結果だったんです」と語る凸版印刷株式会社パッケージ事業本部梅田勝彦さん。
カートカンは、日本に入ってきてから約10年で、日本の需要を満たすため、環境対応のために、さまざまな改良が加えられてきました。使用する紙に間伐材が含まれているのも、そうした環境対応の一環と思いがちですが、実情は意外なものでした。

「カートカンは、見た目以上に複雑な構造になっています。自販機での販売や、輸送に耐える強度を保つために、さまざまな紙を試してみた結果、国産の木材を30%以上使用した紙がもっともカートカンに向いているということがわかったのです。1996年当時、間伐の必要性といったことは林業関係者の間では深刻な問題だったかもしれませんが、一般の人にとっては身近な問題にはなっていなかったと思います。その当時は、国産材を使うことの環境的な意味を意識してはいなかったんですね」(凸版印刷株式会社パッケージ事業本部梅田勝彦さん)。

性能を追求していたら、それが結果的に日本の森林によい影響を与え、環境にいい影響を与えていたわけです。しかし、次第に間伐の必要性は、凸版印刷のスタッフやカートカンを使用している飲料メーカーのスタッフの耳に入ってきます。そして、図らずも間伐材の利用を促進しているカートカンの環境的な役割が認識されていくことになります。
紙という資源を使う容器ゆえ、その源となる森林保全につながる活動をしたかった。そこから、飲料メーカーさんと話し合って、カートカンの売り上げの一部を基金にして森林保護、地球緑化のNPOの活動をサポートすることにしたんです。その活動を表しているのが、間伐材マークの隣に印刷してあるForest Fund(森林基金)マークなんです。

「木材を有効利用することは必ずしも、自然破壊につながるわけではない。特に、持続可能な林業から発生する間伐材や端材を利用することは、森林を育てることにつながる、というのは正直驚きでした。カートカンを使うことで、京都議定書で定められた日本のCO2排出量の低減に、少しでも貢献することができる。日本が世界に約束したことの手助けができるという点で、社会貢献にもなる。CSR(=企業の社会的責任)の一助にもなるわけです。どうか、みなさんもカートカンに注目して頂きたいと思っています」(横尾耕一さん)。

カートカンを採用した飲料製品につけられた間伐材マークとForest Fund(森林基金)マーク。 間伐材マークは、間伐材を用いた製品に表示して森林の間伐や間伐材利用の重要性をPRし、間伐推進の普及啓発、間伐材の利用促進と消費者の製品選択等に資することを目的として、全国森林組合連合会が認定しているもの。
カートカンを採用した飲料製品につけられた間伐材マークとForest Fund(森林基金)マーク。 間伐材マークは、間伐材を用いた製品に表示して森林の間伐や間伐材利用の重要性をPRし、間伐推進の普及啓発、間伐材の利用促進と消費者の製品選択等に資することを目的として、全国森林組合連合会が認定しているもの。
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