
当事業は、「間伐促進による多様な森づくり」「間伐材の新用途開拓による地域産業の活性化」「耐震改良による安心して暮らせる住環境の整備」など1石3 鳥の効果があり、また、県の行動計画に示されている基本目標である「環境首都とくしま」、「経済再生とくしま」、「安全・安心とくしま」の実現に向けた取り組みとなっており、県が推進する施策にも貢献できる事業になるものと考える。
徳島県では、今後30年以内に50%の確立で発生すると言われている南海地震に備え、平成16年度より耐震診断が必要な昭和56年以前に建てられた木造住宅の診断を行い耐震改修を進めてきたが、1戸あたりの耐震改修費用が250万円程度かかることから、実施に対して県民が踏みとどまってしまっているという現状がある。そこで県では、平成18年度、耐震改修の進度を木造住宅の全面改修ではなく、寝室や居間等の部分的な補強工事で、命だけは守ることを前提とした耐震リフォーム支援事業を開始した。こうしたことから、耐震診断結果により改修を指摘された住宅やリフォームを計画している住宅に対して、補強壁や耐震壁を設けなければならない間口に、間伐材による耐震性に優れた壁パネルを施工することで、耐震に強い家づくりを進めていくとともに、間伐材の利用分野や使用量の拡大を図るほか、優れた間伐材製品を使って木造住宅の信頼性の確保を目指す。
耐震用壁パネル木造住宅の構造に応じた安価で施工性に優れた耐震用壁パネルで、使用材としては杉間伐材を使ったオール杉合板、間柱、筋交い、垂木程度の角材、化粧用の杉ピーリング材。パネルパターンとしては杉合板を枠に打ち付け杉の無垢加工板を斜めに化粧貼りして、筋交いの役割も兼ね備えるものや、杉合板に木づれパネル(ラチス条)を加えたもの、厚さ30㎜の板を格子状に組み合わせ木製棚などにも使えるものなど3タイプを考案した。 ※タイプ詳細は下記を参照 |
耐震用壁パネル |
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| 仕様 | 利用イメージ | |
|---|---|---|
| Aタイプ | 杉構造用合板 (厚さ1 2 ㎜) 真壁仕様 |
○和室において、真壁仕上がりの状態を維持した改修を行うもの。 ○開口部において同様の仕様による改修を行い、開口部においていくらかの壁倍率を確保することにより、1部屋単位の耐震改修補強を行うもの |
| Bタイプ | 杉厚板 (厚さ3 0 ㎜ × 幅13 5 ㎜) |
○別の改修材と合わせて、複合的な壁として改修を行うもの ○耐震化改修の応用タイプである収納ボックス等の開発において、セットで使用するもの |
| Cタイプ | 杉板 (厚さ1 5 ㎜ × 幅14 5 ㎜) 大壁仕様 |
○別の改修材と合わせて、複合的な壁として改修を行うもの ○押入れにおける耐震改修補強を行うもの。壁倍率を確保するため、別の耐力壁と併用することもありえる |
徳島県では、平成17年度より「林業再生プロジェクト」に取り組んでおり、間伐材を住宅部分や合板用材として安定的に供給する体制づくりを進めており、本事業はそのプロジェクトの一助を担うものでもある。開発にあたっては、徳島県木の家づくり協会(http://www.nmt.ne.jp/~kinoie/)が実行部隊となり、強い家づくりに向けた徳島杉・スパン表の作成や、会員企業の住宅資材の性能評価試験などの成果を活かして、構造性、意匠性、施工性に優れた商品の開発を行っている。
| 区分 | 実施項目 | 実施結果 |
|---|---|---|
| 製品の製作・実証 | ① 技術検討委員会の開催 ② 既実施改修パターン調査 ③ 試作品の性能評価調査 (面内せん断試験、壁倍率の測定を実施) |
① 開発構想、既実施改修パターンの調査方法、試作や性能試験方法について検討された Aタイプ<1.8~2.0>、Bタイプ<0.7~1.0>、Cタイプ<0.5> 開口部を設けた仕様では Aタイプ<0.5>、Bタイプ<0.3>、Cタイプ<0.25>となった |
| 試験導入 モニタリング |
耐震診断の評点が0.7未満の現状建物に 今回試作した壁パネルを使用して、1.0以上に改修を行うシュミレーションを実施 |
杉合板については真壁仕様とし、加工版については筋交いを設けることで、評点1.05 が確認できた |
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| Aタイプ全面壁2P仕様における +1/30rad加力時の変形状況 |
Bタイプ全面壁1P仕様における +1/15rad加力時の変形状況 |
Cタイプ開口部有り仕様における -1/15rad加力時の変形状況 |
| 課題 | 対応策 |
|---|---|
| 今回の試験で得られた結果は、信頼性の高いものになるが、このままでは建築基準法上認められるとは判断できない。また、耐震改修工事の多種多様な設計・施工方法に応じられるよう「品揃え」を充実させる必要がある | 当面は「徳島県における耐震改修設計・工事において採用できる壁倍率」として利用できるようにし、建築基準法における位置付けについては将来的な課題としておく。また、今回の試作をベースに発展させ、次年度以降、意匠性も加味した壁パネルの開発をしていくとともに、使いやすく分かりやすいマニュアルを整備し、工務店及び設計事務所等へ周知し、間伐材を使用した壁パネルの利用促進に努める |
| 間伐材の計画利用量 |
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| 間伐材の調達先 | 徳島中央森林組合から上勝町内の私有林及び木頭森林組合から那賀町内の私有林 | |||||||
| 本事業の実施期間 | 平成18年8月~平成19年2月 | |||||||
| 試作品の製作・実証 | 実施者 | 徳島県木材協同組合連合会 | ||||||
| 試験導入・モニタリング | 方法 | アンケート調査 | ||||||
| 実施場所 | 徳島県徳島市内 | |||||||
| 実施者 | 徳島県木材協同組合連合会 | 対象者 | 設計士・工務店 | |||||
| 製品の設定価格 |
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