*********************************            森林環境教育ネットワークメールマガジン                    第 40 号                  平成18年11月16日 *********************************  □今号の目次    1.<レポート>気付くことの大切さ              〜森林環境教育の研修に参加しました〜    2.<レポート>「森林整備シンポジウム2006inしまね」へ参加しました    3.平成18年度 間伐・間伐材利用コンクールから    4.林野庁ホームページのご紹介 **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---**  東京では、先日木枯らし一番が吹き、朝夕の冷え込みがぐっと厳しくなり ました。みなさんお住まいの地域はいかがでしょうか。  木々が艶やかな晴れ姿の後に着物を脱ぎ捨てるのとは逆に、人間はどん どん着ぶくれ、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車が辛い季節です;  空気もどんどん乾燥し、風邪をひきやすい時期でもあります。大人と言わ れる年代になってからは、なかなか人に言われることはありませんが、 どうぞみなさん、『手洗い・うがい』で風邪対策を万全に。  それでは今号もよろしくおつきあい下さい。  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  ◆ネットワーク会員の登録は11月16日現在 No.508に達しました。  ◆イベント情報    11月2日以降、新たに3つのイベントが登録されました。     ◇『極限環境に生きる術〜富士山の植物に学ぶ〜』     ◇『田貫湖見聞録・秋』     ◇『第3期「森林セラピー基地」「セラピーロード」公募説明会』    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで。      →http://www.zenmori.org/feenet/einfo/ **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---** 1.<レポート>気付くことの大切さ 〜森林環境教育の研修に参加しました〜  先日、林野庁の森林技術総合研修所が実施した森林環境教育の研修に 参加する機会がありました。  この研修の対象者は主に公的機関で林業関係の仕事に携わる方々で、 年齢は20歳半ば前後の若者たち。で、その中に30歳半ばの筆者が加わり ました。  まず午前中は講義。森林環境教育の概論について講義を受けました。その 中で講師の先生が述べたことは、自然・森林に関わるあらゆる問題に対し、 「気づく」、「知る」、「考える」、「行動する」という課程を踏むことで、森林 体験が幅広い力を体験者に与える可能性があるとのこと。  「気づく」という行為は、何事も行動する上での原点ですが、なかなか気付 かない。筆者は生まれも育ちも山々に囲まれた場所でしたが、案外身の回り の自然について気付いていないことが多かったような気がします。別に自然 に限らず普段の生活でも同じです。 また、体験とは実際に五官(目、耳、鼻 、舌、皮膚)を使って経験することであると。講師の先生に言われて、ああ、 なるほど。改めて納得したところです。  そして午後は、隣接する森林内での実習。まず始めにアイスブレイク。 ’はじめまして’、’よろしくお願いします’。互いに自然に関する問答を行い ながら仲間意識を作ります。つぎにネイチャーゲーム。何種類かのゲームを 体験してみました。その中で「きこりの親方」ゲームについて。  このゲームは、森の木の特徴を子分(仲間)が見つけ出し、それを親方 (リーダー)に伝えて、リーダーはその木を捜すといった単純な内容です。  さて親方を決めましょう。すると、即座に鋭い視線が筆者に。ひとときの親方 気分に浸らせていただきます。結果は子分たちが樹形、葉っぱ、樹皮の特徴 など的確に伝えてくれたおかげで、森林の中にある特定の樹木を当てることが でき、ホッとしたところ。他にも虫メガネを使って足元の自然を観察するミクロ ハイクや、森の中に隠された人工の小物を探し出すカモフラージュゲームなど を行い、五官を使ってこれまでに気付かなかった森の姿などに気付くことがで きました。  また、「人の目・森の目」と題し、人の視点、森(動物、植物等)の視点で・・・ (鳥の目)’実のなる木があったらいいなあ’、(人の目)’歩きやすい道があっ たらいいなあ’・・・森のより良い姿についてそれぞれの観点から考察してみま した。森林と環境、森林と私たちの関係から、森林とのつきあい方や生活のあ り方を考えました。  短時間でありましたが、今回は、環境教育の素材・フィールドとして森林を 活用し、「気付くから行動する」までの一連の流れを作る過程を研修しました。  活動を通じて伝えたいこと、気付いてほしいこと、知ってほしいことを明確に 示し、「気付く、知る、考える、行動する」という大きな流れの中にその活動 を位置づけることを意識しておくことが重要とのこと。  今回の研修に限らず、私の日頃の生活の中においても考えさせられる研修 でした。(康) ――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.<レポート>「森林整備シンポジウム2006inしまね」へ参加しました  先日2日間にわたり、林野庁、島根県主催による「森林整備シンポジウム 2006inしまね」へ参加しましたので、今回はその概要について簡単に報告し ようと思います。   このシンポジウムは毎年全国各地で行われており、今回は「木を使いみんな で支える森林づくり 〜緑豊かな森林を未来に引き継ぐために〜」をテーマに、 島根県浜田市の島根県立大学の講堂にて開催されました。  1日目は、主催者挨拶の後、「間伐・間伐材利用コンクール」の表彰が 行われました。「間伐・間伐材利用コンクール」は平成18年7月14日発信の メールマガジン第33号でも募集をしましたが、間伐推進中央協議会(全森連な ど森林・林業関係18団体で構成)にて、間伐および間伐材利用に関する実践 例やアイディア製品を募集し、広く紹介することを目的に、平成12年度から実 施されてきたコンクールです。  今年度も多数の応募をいただき、ありがとうございました。今年度は3部門で 11団体の表彰となりました。  表彰に続き、(株)富士通総研経済研究所の梶山氏による「国際比較に よる日本林業の課題分析と再生の道筋」と題して基調講演がありました。  事例発表では、県産材スギ材利用型枠用合板の利用・間伐材生産の機械 化・石州くんえん木材・豊かな里山づくりについて、島根県を中心に活躍してい る4名の方々より発表がありました。事例発表の後、大会宣言があり、次回開 催県である大分県の挨拶で1日目は終了しました。  2日目は、2つのコースに分かれ、Aコースは柿木山国有林・くん煙木材加工 施設・くん煙木材モデルハウスへ、Bコースはくん煙木材モデルハウス・島根 県合板協同組合浜田針葉樹工場へ、それぞれ現地研修が行われ終了となり ました。  今回のシンポジウムでは全国各地から300名以上が集まり、国や県、市町 村をはじめ、林業家、製材業者、ボランティア等、様々な立場の方が参加され ました。  森林内の植物をはじめとする生物はすみ分けや助け合いをし、生態系を 保っています。また、適材適所という言葉の語源にあるように、木材もその 性質によって適した場所や組合せがあります。  森林や林業、木材に関わる人間にも同じことがいえるのではないでしょうか。 難しいかもしれませんが、できることとできないことを整理し、林業家・森林 組合・製材業者・NPO・ボランティア等、適材適所にすみ分け助け合いをして いけば、森林や林業、木材にとっても、それに関わる人間にとっても、いいこと ではないかなと改めて感じました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.平成18年度 間伐・間伐材利用コンクールから  第33号のメールでご案内した「平成18年度 間伐・間伐材利用コンクール」 の受賞作品が決まりました。詳しくは、下記のホームページをご覧下さい。 http://www.zenmori.org/kanbatsu/concours2006/result.html  本コンクールでは、「林業事業体による森づくり」部門、「森林ボランティア 団体等による森づくり」部門、「暮らしに役立つ間伐材利用」部門の3部門が あります。  「林業事業体による森づくり」部門の受賞者をみると、下層植生を育て針広 混交の複層林とする長期の計画による森林づくり、団地設定による施業の 集団化、高性能機械の導入と路網整備による間伐の低コスト化などに取り 組んでいます。  また、小中学生を対象とした森林教室を実施している事業体もあり、林業 事業体の活動の幅が広がりつつあることを垣間見ることができます。  「森林ボランティア団体等による森づくり」部門の受賞者は、間伐材利用を 前提に活動し、自ら生産した間伐材でログハウスをつくり、木工教室の材料 として活用しています。また松林の再生・保全に取り組み、さらに地元の 中学校の総合学習の時間で、除間伐、チップ化作業を指導している団体も 受賞しました。  「暮らしに役立つ間伐材利用」部門の受賞者は、ユニークな発想とアイ デアを生かした建物や緑化、舗装用の資材を開発しています。また、子供向 けの椅子や玩具の製作に取り組んでいる受賞者もありました。  今回の受賞者の取組を見渡すと、教育的な活動や森林・林業の啓蒙普及、 子供向けの活動や製品作りを行う団体が多く見られました。現在の日本人の 衣食住、身の周りの生活用品や住む家などから標準的な日常生活を考えて みると、木と触れ合う時や場所は思いのほか少ないように思われます。  そういったことからも、今回の受賞者の取組は、森林環境教育活動として みてもたいへん重要な取組です。  様々なところで木を使うことの大切さを学べるこうした活動が広がることを 望みます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.林野庁ホームページのご紹介: http://www.rinya.maff.go.jp/ □記者発表資料 〜プレスリリース  ○第4回木材等輸出戦略検討会の開催について(11/15)  ○小笠原諸島の世界自然遺産候補地地域連絡会議等の設置    について(11/14)  ○第2回木材産業の体制整備及び木材市場の形成・拡大に向けた    基本方針検討委員会の開催について(11/13)  ○林政審議会施策部会の概要について(11/10)  ○間伐・間伐材利用コンクールについて(10/31)  ○平成18年台風7号〜13号等による山地災害に関する災害関連緊急    治山等事業の採択について(10/26)  ○ニュースレター「集約化・提案型施業 かわら版」の発行について(10/26) □今月の施策紹介  ○新たな森林・林業基本計画  ○国産材、使って減らそうCO2 □お知らせ  ○林政審議会の委員を募集します。  ○山村力(やまぢから)誘発モデル事業支援対象プランの選定    について(2次公募分)  ○「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について  ○「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」    について  ○寒波・雪害による災害対策の概要について  ○「森林(もり)づくりと木づかいのお便り」(林野庁メールマガジン)の創刊    について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 渡邊純枝 佐藤康弘 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  千島列島を震源とした昨夜の地震で、北海道をはじめとする各地に 『津波注意報』が発令されました。もう、3年近くも前のこととはいえ、スマトラ 沖地震の影響による津波被害の光景がまだ頭の中に残っています。警報が 解除されるまでは、心落ち着かない不安な時間でした。  友人の友人であるハワイ人は、先日ハワイ諸島を襲った地震の際に、 『ペレ(ハワイ諸島で広く信じられている火山を司る神様)が怒っているので、 私達は自分の行いを改めなければいけない。』と、真面目な顔で言ったそう です。偶発的な自然災害が、その地域に住む方々の行いにかかっていると いう説明は、かなりのナンセンスでもありますが、彼女の言った『私達』を 広く『人間』と捉えれば、近年の異常気象をはじめとする多くの自然災害に 関して、彼女のコメントは的の中心を射抜いていると感じました。 *********************************