*********************************            森林環境教育ネットワークメールマガジン                    第 39 号                  平成18年11月1日 *********************************  □今号の目次    1.「子ども樹木博士リーダー交流会」の開催について    2.<レポート>目黒の自然教育園で思ったこと    3.体験活動への助成制度について    4.森林管理新時代(1) GPS編    5.アリとエビから学ぶ生態系のハナシ    6.林野庁ホームページのご紹介 **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---**  11月になりました。公園や街路樹の葉が次々と色づき、秋もだいぶ深まって きたなと思いながらカレンダーをめくると、残りは2枚。今年もあと2ヶ月で終 わってしまうことに気づき、はっとしました。  皆様、少し早いですが、ここまでの平成18年はどうでしたか?ここで一度 振り返り、やり残したこと・やっておきたいことを整理しておくと、年末年始を いつもよりゆったりと迎えられるのではないでしょうか。(そういいながらも自 分は、秋の夜長をだらだらと過ごすのが大好きです。)今年最後の2枚が皆 様にとって素敵な2枚になりますように。  それでは今号もよろしくおつきあい下さい。  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  ◆ネットワーク会員の登録は11月1日現在 No.501に達しました。  ◆イベント情報    10月16日以降、新たに7つのイベントが登録されました。    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで。      →http://www.zenmori.org/feenet/einfo/ **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---** 1.「子ども樹木博士リーダー交流会」の開催について  来る12月2日(土)に子ども樹木博士認定活動推進協議会主催の「子ども 樹木博士リーダー交流会」を開催いたします。  「子ども樹木博士」とは、木の名前を覚えることをきっかけに、自然に親しみ 遊ぶプログラムのことです。子ども樹木博士認定協議会(会長:木平勇吉  日本大学教授)では、機関誌の発行、認定活動への支援、モデル教材等の 作成などを通じ、この活動を支援しています。  この度開催される交流会は、認定活動を実施されている実施団体の皆様、 これから実施してみたいと考えておられる皆様、あるいは子ども樹木博士に 関心や興味のある皆様等により交流を図り、本活動の一層の推進に資する もので、今回が4回目となります。  概要は次のとおりですが、詳細と参加申し込みにつきましては、下記のURLを 開いてご覧いただくか、事務局(国井)までご連絡(TEL:03−5840−74 71)下さい。(参加費は不要です。)  【開催概要】   日  時:平成18年12月2日(土) 13:30〜17:00   場  所:日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)   主な内容:活動報告、野外プログラム(実習等)、意見交換・交流等   U R L:http://www.shinrinreku/kyoukai/kodomokyou.html ――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.<レポート>目黒の自然教育園で思ったこと  とある10月の週末に、東京都内、山手線の目黒駅から徒歩15分ほどのところ にある国立科学博物館附属自然教育園に行ってきました。  都心では稀なまとまった緑地ですが、宮内庁の御料地だったところが昭和24 年にその全域が「天然記念物および史跡」に指定され、一般公開されるように なったとのことです。  特徴は、一般的な植物園等とは違い、自然の移りゆくままという考え方の元 に、できる限り自然の本来の姿に近い状態で残しているということです。  したがって、御料地だった開園以前の自然教育園では草地の刈り払いや 下刈りなどの手入れが行われており、明るい見通しのきく昭和30年代以前の 里山のような状態だったとのことですが、自然教育園となってからは、一部の 教材園以外は自然の遷移にまかせているので、当初明るい雑木林だった林 内は徐々にシイやカシなどの常緑広葉樹の暗い林に移り変わっていく過程に あります。園内では、そのような遷移の過程についても解説がされています。  肥料のための落ち葉の採取や燃料としての薪炭材の伐採など、人の手が 入っていた里山が、化学肥料の台頭やエネルギー革命等により経済的な 利用価値を失い放置されたことで、本州にあるコナラを中心としたような雑木 林の多くはこのような変化をたどっていくものと考えられています。  一方で、このように落葉広葉樹の森が常緑広葉樹の森に変化していくことは 従来の生物の生息域を奪うこととなり、生物多様性保全上の問題があります。  人間の手によって維持されてきた自然が、放置されるようになったことにより 本来の姿を取り戻そうとすることについて、どのように対応したらいいのだろ うか、人間にとって好ましい姿を維持・回復するような取組はどこまで出来るの だろうか?などと思いながら目黒の森の中を歩いたひとときでした。(H.O)  自然教育園のURL:http://www.ins.kahaku.go.jp/ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.体験活動への助成制度について  民間団体の実施する様々な活動への助成については、国が実施するもの、 独立行政法人や公益法人が実施するものなど、様々なものがあります。  今後、19年度に向けて順次募集が開始されていくこととなりますが、早くも 独立行政法人青少年教育振興機構の実施する「子どもゆめ基金」の19年 度の助成金の募集が開始されています。  この基金では、21世紀を担う夢を持った子どもの健全育成を進めるため、 民間団体が実施する自然の中でのキャンプや科学実験教室などの体験活動、 読書活動、インターネットなどで利用可能な子ども向け教材を開発・普及する 活動への支援を行っています。  募集締め切りは12月5日となっており、インターネットに募集案内など詳しい 情報が出ています。  子どもゆめ基金のURL:http://yumekikin.niye.go.jp/ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.森林管理新時代(1) GPS編  最近、携帯電話やカーナビなどでGPSと言う言葉をよく耳にするようになった と思います。  皆さんもよくご存知だとは思いますが、このGPS(Global Positioni ng System 全地球位置把 握システム)とは、人工衛星を使って、現在地を把握 するシステムのことをいいます。   仕組みは、人工衛星からの信号が位置を把握したい場所まで届くまでの時間 によって、人工衛星からその場所まで、半径いくらの球体の表面にいるのかを 測定し、それを複数の人工衛星からの信号を計算することにより、一つの点を 割り出し、現在地を特定するといったものです。  現在では、携帯電話でもこういったGPSの機能が付いてるものも出てきました し、今では、すっかり車の標準装備となったカーナビもこの技術を使っています。 また、登山などをされる方は、このGPSを地図と一緒に持っていかれるという方 も多いのではないでしょうか。  これら一般的に利用されているGPSは、単独測位といわれる方法で位置を 測っています。GPSは、先ほど説明したように複数の人工衛星からの信号に よって位置を特定しているわけですが、大気や地形、構造物などの影響で 誤差が生じる可能性があり、場合によっては、10m近くずれが生じてしまう 場合があります。  つまりあくまでおおまかにその場所を特定するもので、正確な位置を図ること は出来ません。カーナビなどで狭い路地でもぴったり位置があっているのは、 地図の情報とあわせて、位置を修正しているからです。  この単独測位より高精度な方法としてDGPSというものがあります。これは、 人工衛星からの信号による位置測定に加え、海上保安庁が灯台から出して いる補正情報(現時点における人工衛星からの信号の誤差情報)を受けて、 位置補正を行うと言う方法です。  この補正情報を受けることで、誤差は1mくらいまで減らすことが出来ます。 このDGPSは、一部カーナビなどにも導入されているようですが、現在は、 森林を測量するのにも活用されています。  誤差1mといいましたが、森林の境界を図ったり、区域を測量したりする上 では、十分な精度といえます。もちろんこれ以上に高精度なものもありますが、 機器が高価であることや、森林内での作業には向いておらず、現在は、DGPS が主流です。  森林内の測量と言うと、ポケットコンパスなどを使って、方位と傾斜をはかり、 メジャーで距離を測定して計算すると言ったものが主流でしたが、この方法だ と下草が生い茂ったところや障害物がある場合は、迂回したり、障害物を撤去 したりと大変手間がかかることがあります。GPSならば、現在立っている場所 さえ確保できれば、一瞬でその場所を測定することができるため、作業効率を 上げることが可能になります。また、緯度経度が測定できるため、データとして 永久にその場所の位置情報を保存することが出来ます。  このような利点から、最近では、多くの森林管理の現場でGPSが活用され 始めています。初めていく場所でも、もし、緯度経度や座標がわかれば、 そこまで間違えずにたどり着くこともできます。  日本の国土面積の60%以上、約2500万haの広大な森林を適正に管理して いくための一つの手法として、今このGPSが注目されています。  森林管理もハイテク化が進んできました。もちろん今まで培われた技術や 手法、経験はこれからも重要であり、必要なことですが、それらと最新の技術を うまく組合わせてより良い森林管理を進めていくことがこれからの森林管理に 求められていることではないかと思います。  これからもこの場を借りて少しずつ、森林管理の新しい手法を紹介していき たいと思います。続く ――――――――――――――――――――――――――――――――― 5.アリとエビから学ぶ生態系のハナシ  街でマフラーを巻いてる人をちらほら見かけるようになり、季節もいつの間 にか秋という雰囲気がしてきました。都市部に住んでいて、さらにオフィスワーク (聞こえはよいですが)なんかをやっていると、ほとんど1年中気温が安定して いる環境にいるので、季節の変化にドンドン疎くなってしまいます。  以前、 天気に左右される仕事をしていたときはなんとなく空の様子で明日の 天気が予想できたような気がしましたが、最近はそんな能力もなくなってしまい ました。  そんな都会生活で自然や季節の移り変わりを感じるにはどうすればよい のか?というわけで、こないだロ○トの生物飼育キットの売り場をのぞいて みました。  科学の発達は何も世話をせずとも生き物が育つ環境を作るのに成功しました。 そんな輝く第1品目はアリ飼育・観察キット。アリの英語名アントと水族館アクア リウムをひっかけた商品名で、容器の中に半透明のジェルが7割くらい入って いて、外で捕まえてきたアリ5〜6匹をその中に入れればあとは特に何もする 必要ナシ。  NASAが開発したというジェルが水分と栄養分を兼ねているそうです。この商 品のすごいところは、うまくいけばアリが縦横無尽に掘り進んでいったアリの巣 ワールドが一目でわかるという点でしょう。穴の進み具合を日々ゲーム感覚で 楽しめますが、容器の中でアリの生活が完結している点でも単純に興味をそそ られます。  その他の世話なしキットとしては小エビ飼育・観察キットがあり、こちらも特に 何もする必要ナシですが水槽なので日々の変化というのもナシ。どちらも部屋 の小物としてのインテリア性はなかなかだと思うので、気になったらネットでで も調べてみてください。  よくよく考えてみると、上で述べた観察キットのように循環システムが機能 している場所というのは都市部にはほとんどないような気がします。ほとんど の物資がサイクルではなく直線的に移動している状況でしょう。  逆に森林では植物の枯死と毎年の落葉という形で、土壌中へ有機物が還って いきます。人工林で仮に伐採したとしても、丸太として持ち出されるバイオマス 量は全体から見ればそれほど多くはないでしょう(海外では枝や梢部も一部持 ち出してエネルギーとして利用しているところもあるようです)。係の人がきれい に落ち葉を掃除してしまうような公園よりは、よっぽどましだと思います。  どこに住むにしろ、あまり深く考えずにとりあえずお気に入りの鉢物なんかを 探してきて、水をあげてみたりしたら新たな発見があるかもしれません。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 6.林野庁ホームページのご紹介: http://www.rinya.maff.go.jp/ □記者発表資料 〜プレスリリース  ○間伐・間伐材利用コンクールについて(10/31)  ○平成18年台風7号〜13号等による山地災害に関する災害関連    緊急治山等事業の採択について(10/26)  ○ニュースレター「集約化・提案型施業 かわら版」の発行について(10/26)  ○「日中林業担当局庁の長による定期対話」の結果概要について(10/25)  ○林政審議会の委員の公募について(10/25)  ○第41回国際熱帯木材機関(ITTO)理事会等の開催について(10/23) □今月の施策紹介  ○新たな森林・林業基本計画  ○国産材、使って減らそうCO2 □お知らせ  ○林政審議会の委員を募集します。  ○山村力(やまぢから)誘発モデル事業支援対象プランの選定    について(2次公募分)  ○「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について  ○「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」    について  ○寒波・雪害による災害対策の概要について  ○「森林(もり)づくりと木づかいのお便り」(林野庁メールマガジン)の創刊    について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 渡邊純枝 佐藤康弘 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  「十五夜」、「十三夜」といえば・・・そうです、お月見です。  みなさんはお月見をしますか?ゆったりと季節を感じることのできるこの 風習が、私はとても好きです。旧暦8月15日の「十五夜(中秋の名月)」は 有名ですが、「十三夜」の方はあまり知られていないようです。日本では 古くから「十三夜」は「栗名月」、「豆名月」とも呼ばれ、「十五夜」と同じ ように美しい月であるとされてきました。また、「十五夜」にお月見をしたら 必ず「十三夜」も見ないと「片月見」となり、縁起が悪いと言われているそうです。  この後記を書いていて、ふと疑問が湧きました。今年は新暦の10月6日が 「十五夜」でしたが、東京はあいにくの雨でお月見ができず、プラネタリウムで 投影された人工の月でお月見をしました。11月3日に迫っている「十三夜」、 私は夜空を見上げてお月見をして良いものでしょうか・・・? *********************************