*********************************            森林環境教育ネットワークメールマガジン                    第 36 号                  平成18年9月15日 *********************************  □今号の目次    1.未来ある森林・林業のために・・・       〜新しい「森林・林業基本計画」が策定されました〜    2.都市と農山漁村の共生・対流    3.平成19年度林野庁関係予算概算要求の概要について    4.森の仕事発見の旅    5.カゾクヲマモル    6.森林環境教育リレートーク    7.林野庁ホームページのご紹介 **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---**  今年の夏もあちこちでクールビズ関連の話題が取り上げられましたが、 中でもエアコンの設定温度を上げて電気の消費を抑えるという取り組みが より一層活発になってきた気がします。設定温度28度というのは慣れるまで は暑く感じるかもしれませんが、いままでよくあった寒いくらいの室内温度に 比べれば、まだ人間的な環境かもしれません。  それでは今号もよろしくお付き合いください。  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  ◆ネットワーク会員の登録は9月15日現在 No.487に達しました。  ◆イベント情報    9月1日以降、新たに3つのイベントが登録されました。    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで。      →http://www.zenmori.org/feenet/einfo/ **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---** 1.未来ある森林・林業のために・・・  〜新しい「森林・林業基本計画」が策定されました〜  森林・林業基本計画は、森林・林業基本法の規定に基づき、森林及び林業 に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定されるものであり、 おおむね5年ごとに見直すこととされています。このため、平成13年10月に 閣議決定された現行基本計画を変更するため、平成18年1月より作業を行っ てきたところであり、今般9月8日に新しい森林・林業基本計画が閣議決定さ れました。  今回の新しい森林・林業基本計画は、利用可能な資源の充実、森林に対 するニーズの多様化、木材の需要構造の変化と新たな動きを踏まえ、充実 しつつある森林資源を活かしつつ、より長期的視点に立って緑の社会資本 である森林づくりを推進し、国産材の利用拡大を軸として林業・木材産業を 再生し、国産材の復活を目指すことを基本的な考え方として、森林及び林業 に関する諸施策を講じることになります。  その森林及び林業に関する施策の柱として、   ?100年先を見通した森林づくりの推進   ?流域全体の保全と災害による被害の軽減   ?様々なニーズに応えた森林づくりと利用   ?国産材の利用拡大を軸とした林業・木材産業の再生   ?国有林と民有林の連携の強化 などが挙げられ、森林・林業基本法の基本理念である森林の有する多面的 機能の発揮、林業の持続的かつ健全な発展という理念の実現に向けて様々 な施策を展開することとしております。また、今回の基本計画では新たに、地 方公共団体、林業・木材産業関係者、企業、NPO,市民まで、幅広い関係者 に期待される主体的な取組についても記述されています。  ちなみに、森林環境教育に関する課題として、森林の有する多面的機能や 木材利用の意義に対する理解と関心を深めるため、子どもたちをはじめ広く 市民に森林環境教育の機会を提供するほか、教育・環境・地域振興等の分 野との連携や企画・調整力のある人材の育成の推進があげられています。 また、国有林野においては、国有林の有する特性を活かしつつ、民有林との 一層の連携を図るため、都道府県等が行う森林環境教育を支援するための フィールドの提供や指導者の派遣等の取組を推進するとされているなど、新 しい森林・林業基本計画では、森林環境教育の充実について更なる取組の 充実が課題として掲げられています。  なお、森林・林業基本計画に関する詳しい内容は、林野庁ホームページに 掲載されています。  (http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/kihonkeikaku/keikakukanren.html) ――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.都市と農山漁村の共生・対流  「都市と農山漁村の共生・対流」とは、都市と農山漁村を行き交う新たな ライフスタイルを広め、都市と農山漁村のそれぞれに住む人々がお互いの 地域の魅力を分かち合い、「人、もの、情報」の行き来を活発にする取組の ことです。この共生・対流の推進に向けて副大臣会議では、各省が連携して 取組を行ってきました。  本年9月には、「2007年に向けた都市と農山漁村の共生・対流関連施策 の強化について」というプロジェクトチームからの報告が出されました。この 報告では、これまでの共生・対流の推進に向けた取組を総括しつつ、「団塊 の世代」「若者の世代」の願望、子ども達の体験学習、多様な主体の連携 と参加の3つの視点に沿って新たな強化策について取りまとめられています。  農林水産省の農山漁村の振興施策、文部科学省の体験活動の推進施策を はじめ、環境省、国土交通省など各省の多種多様な施策をダイジェストで見る ことが出来るものとなっていますので、森林環境教育に取り組む方々はもち ろん、いろいろな立場から地域振興に取り組む方々にとって参考となるものと 思います。  是非、下記のホームページをのぞいてみてください。この話題については トップページの「トピックス」に出ています。また、トップページの左上の 「共生・対流」というところから、各種の情報を見ることができます。  http://www.maff.go.jp/nouson/chiiki/gt/index.htm ――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.平成19年度林野庁関係予算概算要求の概要について 林野庁は、8月末に平成19年度予算の概算要求をとりまとめ、財務省に 提出しました。その概算要求における重点事項は以下のとおりです。   ?木材の生産・流通に関する構造改革の推進   ?「100年の森林づくり」の推進と森林吸収源対策への取組の加速   ?森林施業の集約化活動の促進   ?安全・安心の確保のための効果的な国土保全対策の推進   ?ニーズに対応した木材供給・利用拡大に向けた取組の推進   ?国有林野の管理経営の適切かつ効率的な推進   ?持続可能な森林経営の実現に向けた国際的な取組の推進  このように、平成18年9月に閣議決定された新しい「森林・林業基本計画」 を踏まえ、木材の生産・流通に関する構造改革の推進、「100年の森林 づくり」の推進と森林吸収源対策への取組の加速など森林・林業再生への 新たな挑戦を開始するための予算要求となっています。今後は財務省との 折衝を通じ、平成19年度政府予算案を取りまとめていくことになります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.森の仕事発見の旅  『森林を知る』と一言で言っても、それが意味するものはさまざまです。  「木という植物自体を知る」ことも、「森林に棲むさまざまな動植物を知る」 ことも、「森林のもつ環境保全の力を知る」ことも、そして「森林と関わる人の 暮らしを知る」ことも『森林を知る』ことの1つであり、そのどれもが大切で、 森林のさまざまな側面を理解することがとても大切だと思います。  森林と人との関わりの1つが森の仕事「林業」です。全国森林組合連合会 では、林業への就業を将来的に視野にいらっしゃる方や、Uターン・Iターンで 地方への転居を考えていらっしゃる方に、林業の第一歩として、林業の現場や、 森林の仕事を知っていただくことを目的にした、「林業見学・交流ツアー」を 今秋も開催します。  林業への就業や、林業に興味をお持ちの18歳以上の方であればどなた でもご参加頂けます。ぜひ、現場での体験や、林業に携わる方々との交流を 通じて、林業の一端に触れてみてください。 詳細は↓↓↓まで! http://www.nw-mori.or.jp/tour/ 参加申込みや、またツアーの詳しい内容・過去のツアーの様子などをご 覧いただけます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 5.カゾクヲマモル  秋の気配が色濃く映るようになり、ちょっと季節遅れな感はありますが、 今回はハチについてお話ししようと思います。  みなさんはハチに刺されたことはありますか?一口でハチといっても沢山の 種類がいますが、身の周りにいるメジャーなハチといえば、ミツバチや、アシ ナガバチ、スズメバチの仲間でしょうか。漫画やイラストに出てくるハチは、往々 にして凶悪な顔をして、人間や動物を追い回しチクチクと刺していますが、接し 方を間違えなければハチはむやみに人間を襲ったり刺したりはしません。  刺すハチは主に集団で巣を作って生活するハチで、刺す理由の多くは自分の 巣や中の子供を守るためです。私たちがハチを恐れる以上にハチは人間を 恐れ、大切なものを守るため、身の危険を顧みず攻撃してくるのです。人間が 子供や家族、それらの入った我が家を守る気持ちと同じ、そう考えると 「ただのワルモノ」ではなく思えてくるのではないでしょうか。  とはいえ、自分の大切なものに危害を加えられたときは、こちらも黙っては いられません。先月、実家の母がハチに6箇所刺されました。幸いアシナガバ チでアレルギー反応も無く微熱程度で済んだのですが、右手を3箇所も刺され たので、仕事も日常生活も大変そうでした。  多少気の毒にも思ったのですがこちらも家族を守るため、アシナガバチを 退治することにしました。インドア派の父が深夜、意を決してアシナガバチ用 殺虫剤をかけに行ったのですが、家の1階と2階の間に巣があるらしく、敵の 本陣が見えなかったようで、まだ安心は出来ません。念のため、以前森林組合 の方に教わったペットボトルのトラップを仕掛けることにしました。  ハチ取り用ペットボトルのトラップの作り方はいろいろあるようですが、今回は 2Lのペットボトルに2箇所カッターで四角く穴を開け(4辺のうち上部の1辺は 切り落とさず、外に折り曲げて庇にする)、砂糖:酢:酒を1:1:3の割合で混ぜ 誘引液を作り、人の通らない庭のマツの日陰の枝、高さ2m位に吊しました。  設置して数日後、ハチがブンブン周りを飛んでいるのを母が目撃したそうで、 20日ほど経った今では、遠目にも分かるほど何かが沢山入っているようです。 もう少し涼しくなったら、トラップを開けてみたいと思っています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 6.森林環境教育リレートーク(第16話) 「森林環境教育と国際交流」  くすの木自然館は環境教育を進める特定非営利活動法人です。その手段 として自然学校をはじめとする自然体験や人材育成、調査研究、国際理解 ツアーなどを実施しております。  今回は、森林環境教育と国際交流についての体験です。  毎年5月の中旬、初夏の霧島山麓の照葉樹の森を多くの皆さんと歩きます。 その中にはカナダ、イラク、マレーシア、中国…など様々な国の方が参加します。 私たちインタープリター(自然通訳者)の言葉をボランティア言語通訳者の皆さ んが通訳していただきながら、一般参加者と一緒に森の美しさや不思議さを楽 しむトレッキングです。  シカの生態や森のしくみ、ハナイカダの解説、口笛で鳥を呼んだりアナグマに 出会ったり、自然の出会いを演出し、身近なものとすることが私たちの仕事 です。  イラクの青年に「鹿児島のこの豊かな照葉樹の森はすばらしいでしょう。花も 咲き乱れ野鳥や鹿が生活する豊かな森は鹿児島の誇りです。」と自慢したつ もりでしたが、青年は「すばらしいですね。でも私の国にもちょうどこんな森が ありますよ。生き物はちょっと違いますけどね。」と返ってきました。  トレッキングの中では針葉樹の森から熱帯雨林、砂漠といろんな環境の話が 飛び交い、世界の森林を学ぶいい環境教育の場になっています。  2月、タイの山岳民族の村に行ってきました。その村は定住してから周辺の 山を切り開いてケシの栽培を20年前までしていたのですが、森に返そうと努力 し森ができあがっています。  そこでは、森林の管理を村人が自分たちで行うのですが年に数回、乾期の 時期に森の尾根づたいに幅10m位の帯の落ち葉を掃き集め焼く作業を、昔 から行ってきたそうです。これにより、村や周辺への山火事の延焼を防ぐの だと。しかし、森の中で燃やすためやはりその火が周辺に広がり毎年家が燃 える家もあるらしい。しかし、森は成長しつつあり、今はコミュニティーフォレスト (スーパーマーケットのような森)として維持する森、使う森、食べる森…と 分けて活用していました。笑顔の素敵な民でした。しかしながら近年、集中的 な豪雨や干ばつなど、地球温暖化の影響からか、崖崩れなどが頻繁に起こり、 家や畑田んぼが流され、村の存続にも危機が懸念されている。  研究者の中では50年後はここは砂漠だと言う者もいるようです。  また、この村の小中学校で環境学習講座を行ったのですが、タイでは世界の 野生生物について学習するカリキュラムや森の生態系について学ぶカリキュラ ムはないため、この村では、クジラの大きさやほ乳類であること、サイとカバの 見分けや住んでいるところなど知らない。  しかしながら、「ゾウはどこに住んでいる?」の質問に、「ゾウは南の山向こう にいる」。「トラはどこに住んでいる?」の質問には「トラは北の山向こうに」 「見たことある?」「いいえ、もし見たことがあったら私たちは生きていません」・ ・・  なるほど実感がこもっていました。野生のニワトリも森の中には生息し学ぶ ことの多いプロジェクトでした。  今、鹿児島大学演習林と協働で環境学習の人材育成を4年間実施しています。 私たちは研究すること、わかりやすく通訳すること、何を行うべきか考え行動す ることを同時に進め、様々な得意な技術を集結して、協働でこれからの森林環 境教育を進めていく必要があると感じています。 くすの木自然館 T.Y → 樹木医 H.K ――――――――――――――――――――――――――――――――― 7.林野庁ホームページのご紹介: http://www.rinya.maff.go.jp/  □記者発表資料 〜プレスリリース   ○平成18年度木づかい推進月間に向けた木づかい応援団の農林水産     大臣表敬訪問について(9/8)   ○第3回木材等輸出戦略検討会の開催について(9/8)   ○森林・林業基本計画の変更について(9/8)   ○森林・林業基本計画(案)に関する意見・情報の募集結果及び処理     について(9/8)   ○全国森林計画の変更について(9/8)   ○「全国森林計画の変更(案)」に対する意見・情報の募集結果     について(9/8)  □今月の施策紹介   ○水源の森をつくり育てる   ○夏休みはレクリエーションの森へ  □お知らせ   ○山村力(やまぢから)誘発モデル事業支援対象プランの選定について     (2次公募分)   ○「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について   ○「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」     について   ○寒波・雪害による災害対策の概要について   ○「森林(もり)づくりと木づかいのお便り」(林野庁メールマガジン)の創刊     について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 渡邊純枝 佐藤康弘 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  最近ますます危険視されている地球温暖化ですが、わが国の取り組みは 世界的にはまだまだ乗り遅れているようです。  夏にエアコンなど必要のない北欧では、京都議定書の削減目標はすでに クリアしているということです。  これからは日本でもエアコンの設定を変更するだけでなく、もっといろいろな 方法で目標達成にむけた努力が必要になってくることでしょう。まずはスーパー やコンビニなどでビニール袋をもらわないなど、身近なことから実践してみては どうでしょうか? *********************************