*********************************            森林環境教育ネットワークメールマガジン                    第 35 号                  平成18年9月1日 *********************************  □今号の目次    1.「平成18年度山村力誘発モデル事業」支援対象プラン選定の      お知らせ    2.「平成18年度森業・山業創出支援総合対策事業」優良プラン選定の      お知らせ    3.森林の多様な利用に関する調査報告 −その3−    4.野生動物から学んだこと    5.フィリピンの森林・林業事情(10)    6.森林環境教育リレートーク    7.林野庁ホームページのご紹介 **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---**  時折、涼しい風が強い陽射しを縫うように吹き抜ける、心地よい季節に なりました。  今年の夏は暑くなるスタートが遅かった分、残暑が厳しくなるのではと 思っていたのですが、秋はもうすぐそこなのでしょうか。夏が短かったような 気がしてなごり惜しく感じているのは私だけではないようで、家周辺のセミは まだ毎日大音量で鳴き続けています。    彼らを見習い、今を精一杯、元気に生きましょう。  それでは今号もよろしくおつきあい下さい。  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  ◆ネットワーク会員の登録は9月1日現在 No.480に達しました。  ◆イベント情報    8月2日以降、新たに3つのイベントが登録されました。    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで。      →http://www.zenmori.org/feenet/einfo/ **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---** 1.「平成18年度山村力誘発モデル事業」支援対象プラン選定の   お知らせ  本メルマガ27号(H18.3.31)及び30号(H18.6.1)において紹介したところ ですが、林野庁では、平成18年度の新規事業として「山村力誘発モデル 事業」を創設して、山村地域と都市住民の連携により、山村再生ビジョンの 策定など山村への定住者確保につながる様々な取組の中から、全国的に 先進的な取組を募集・選定・支援して、山村地域の活性化のモデルとして 全国に普及啓発していくこととしています。  ついては、平成18年度は、一次公募を4月3日から5月19日まで、二次 公募を6月14日から7月14日まで実施し、応募プランの中から支援対象と なるプランを全国で35件選定(一次公募:13件、二次公募:22件)しました のでお知らせします。  一次公募分の支援対象プラン一覧表   http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h18-6gatu/0616b.pdf  二次公募分の支援対象プラン一覧表   http://www.rinya.maff.go.jp/policy2/yamadikara/2jikoubotaisyopuran.pdf  お問い合わせ先   林野庁計画課森林総合利用・山村振興室山村振興指導班:佐山、島田    TEL:03-3502-8111(6207)  FAX:03-3593-9565 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.「平成18年度森業・山業創出支援総合対策事業」優良プラン選定の   お知らせ  本メルマガ27号(H18.3.31)において紹介したところですが、林野庁では、 平成17年度から「森業・山業創出支援総合対策事業」(予算額:129,038千 円、事業実施主体:日本森林技術協会(本事業の事務局として、プランの募集・ 選定、支援業務を実施))により、森林資源等を活用した将来性・持続性のある 優良な事業プランに対して支援を実施しております。  平成18年度については(社)日本森林技術協会を事業実施主体として、事 業プランを4月1日から5月25日まで募集し、応募されたプランの中から35件 を優良なビジネスプランとして選定しましたのでお知らせします。  優良ビジネスプランの概要 http://www.jafta.or.jp/moriyama/h-18/thepress/index.html  お問い合わせ先   林野庁計画課森林総合利用・山村振興室山村振興指導班:佐山、島田    TEL:03-3502-8111(6207)  FAX:03-3593-9565   社団法人 日本森林技術協会    TEL:03-3261-6683  FAX:03--261-3840    URL:http://www.jafta.or.jp ――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.森林の多様な利用に関する調査報告 −その3−  今号では、地方公共団体における里山林の保全・整備・利用に関する施策 についてご紹介します。  森林環境教育の推進・里山林整備に関する施策が、都道府県・市町村にお いて条例・事業という形で制定されています。年度ごとの施策数は、    平成13年度 :  90    平成14年度 : 113    平成15年度 : 147    平成16年度 : 206    平成17年度 : 237  と、地方公共団体における里山林の保全・整備利用に関する施策は年々増 加する傾向であり、調査を開始した平成13年度と比べ3倍弱増加しました。   例えば、   ・里山林の保全、整備に関する条例の制定   ・市民参加型による森林づくり、里山林づくりに対する支援制度   ・里山林の保全活動に対する支援事業   ・緑地や自然環境を保全する人材を育成するための養成事業   ・都市住民が里山林の保全や活用をするための里山林のオーナー事業   ・保存すべき樹木及び樹林の指定と、その適切な維持管理を図るための    支援制度   ・河川の上下流連携による森林整備活動、水源地保全事業への助成 など、それぞれの地域の個性や特徴を活かした事業や条例の制定を行って います。各地方公共団体における里山林整備の気運の高まりが感じられる ところです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.野生動物から学んだこと  騙したり、嘘をついたりするのは何も人間ばかりではありません。例えば、 カメレオンのように身体の色を周囲の色とそっくりな色に変えて身を守る動物 や昆虫もたくさんいます。なかには他の種類の鳥の巣に卵を産み、子育てを その巣の鳥に任せてしまうようなしたたかな鳥もいたりします。  昔話の世界では、狐や狸に人間が騙されるお話は、もう定番といってもいい と思います。  でも、野生生物が騙したり嘘をつくようなことはほとんどないというのが、一 般的な共通認識ではないでしょうか。特に、カブトムシに夢中になる小学生位 の頃は、動物に騙されるなどとは思いもしないことです。  ところが私には小学生の頃、強烈に印象に残っているある小動物に騙され たと思われる出来事があります。  集落共用の井戸から出ている下水管の近くに、ねずみを一匹発見しました。 近づいてみてみると、息をしている様子は全く無く、屍骸が横たわっているよう に見えました。  あまりにも可哀想に思い、一緒にいた友達が「何か供えてあげよう」と言った ので、瓜のような大きなきゅうりを一本、そのねずみの横に供えてあげました。  それから数日して、ちょっと気になったので井戸のところにいってみたところ、 ねずみの姿は見当たらず、きゅうりだけがその場に残っていました。屍骸は 片付けられたのかと思い、ちょっときゅうりを手にとって見たところ、驚くことに そのきゅうりは皮だけになっていて、中身は見事なまでに食べられていました。  せっかく供えたきゅうりが見事に食べられていた(しかも皮を残して)のを確 認した時、子供心ながら大きなショックを受けました。ねずみが死んだふりを するのかどうか確かなことは分かりませんが、ねずみのたくましさ、生きていく のはたんへんなことだということを、子供なりに学んだように思います。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 5.フィリピンの森林・林業事情(10)  フィリピン政府が1995年から開始したCBFM(コミュニティを基盤とする森林 管理)という制度を有効活用するために始めた地域住民主体の林業経営モデ ル地区を作るプロジェクトも、苗畑、そして苗が完成し、いよいよ植林の段階 までやってきました。今回は、その植林の様子について紹介したいと思います。  さて、植林をする前に、その苗を植えるための土地の準備も重要です。 長年放置された土地は硬く固まり、スコップをさすこともままなりません。また、 アグロフォレストリーを実施するため、農作物が育てられるように耕さなくては なりません。比較的急峻なこのサイトでは、トラクター等を使うことも難しく、 また、そもそもそのような機械を自由に使えるような経済状態ではありま せん。  そこで活躍するのが、カラバオと呼ばれる水牛です。日本でも沖縄などで見 られるような水牛と思ってもらえればいいと思います。(沖縄の水牛とフィリピン のカラバオが同じ種類かどうかはわかりません。)このカラバオは、大変おとな しく、力も強く、働き者?で、フィリピンの農家にはかかせない仕事仲間です。  アグロフォレストリーを行う上での、植林と農作物を植える前の地ごしらえは、 カラバオにがんばってもらいました。カラバオは、地ごしらえをするだけでなく、 サイトまで行くための乗り物にもなりますし、速度はとても遅いですが、ある程 度の斜面や足場の悪い場所でも進むことが出来ます。カラバオはこのプロ ジェクトにとっても、なくてはならない存在です。  さて、植栽ですが、苗を山の上まで運ぶ作業は、ポット苗のため、一人が運 べる数は、せいぜい2〜30個といったところです。道が通っていれば、もっと 効率よく運ぶ手段もあると思いますが、人がやっと歩けるような道しかないた め、地道に運ぶしかありません。  将来的には、収穫のため、ある程度の道を開設しなければなりませんが、 今はとにかく植えることが先決です。幸い片道2〜30分の距離だったので、 それほどの負担にはなりませんでした。  植えるときは、スコップで穴を掘り、一つ一つ丁寧に植えていきます。場所に よっては、石だらけで大変な場所もありましたが、カラバオがある程度掻き起こ してくれているおかげで比較的スムーズに進みました。  しかしながら、日陰も全くない場所での作業ですので、私などは、体力が持ち ません。せいぜい自分が運んだ苗くらいしか植えることは出来ませんでした。  こうして、雨期の間、こつこつと植栽を続けていきました。とても大変な作業 でしたが、荒地が徐々に生まれ変わる姿を見ると疲れも忘れてうれしくなって くるのは、私だけではなく皆も同じ気持ちだっただろうことは、皆の様子を見て いても確信できました。  気になることは活着率です。次の乾期を乗り越えどれだけの苗が生き残るこ とが出来るかが、まず第1のハードルです。私は、そこまで見届けることが出来 ませんでしたが、少しでも多くの苗が生き残っていることを祈るばかりです。  もう一つのハードルは、住民組織が団結して、今後も継続的にプロジェクトを 進めていくことができるかどうかです。どちらかというと、これが一番の難関でも あります。  プロジェクトの一連の流れは紹介しましたので、これからは、プロジェクトを支 える人々の紹介をしていきたいと思います。続く ――――――――――――――――――――――――――――――――― 6.森林環境教育リレートーク(第15話) 「自宅は校長住宅です!」  前号のI氏に便乗しちゃいましたが、私の自宅は校長住宅です。 えっ?と思われるのが普通ですよね(^_^;) 今年3月まで大学院生だった 男が、現在どうして校長住宅に住んでいるのでしょう。  私が所属しています大野ESD自然学校とは、2006年3月に閉校になった 小中学校の跡地を利用して、地元の自治体・住民・大学(演習林)の三者が 連携し、それぞれの資源(森・水・農林業・伝統文化・人材等)を活用した環境 教育・ESDプログラムを通して、大学生・児童生徒・地元住民及び一般市民が 互いに学びあう自然学校です。正式に設立はされていませんが、前述した三 者で組織する準備委員会を今年立ち上げ、自然学校の組織作りを模索しなが ら、様々な環境教育活動を今年度から実際に行っています。  私はその専従職員なんですが、自ら地元住民となるため校長住宅だった家 に住んでいるという訳なんです。1人で広い家に住むのは非常に淋しいですが、 たくさんの星とたくさんの虫、庭の元気な雑草に囲まれ、現在に至っています。  R.カーソンは著書「センス・オブ・ワンダー」の中で「妖精の力にたよら ないで、生まれつきそなわっている子どもの『センス・オブ・ワンダー』を いつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろ こび、感激、神秘などを子どもたちといっしょに再発見し、感動を分かち合って くれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります」と述べています。 私の好きなフレーズのひとつですが、子どもたちに限らず多くの人の感性をチ クチク刺激するにくらしい大人(指導者)になれるよう、また、将来大野ESD自 然学校を軌道に乗せ、鹿児島から様々な情報を全国に発信できたらなぁと密 かに企んでいます。  実は明日からも子ども向けのキャンプを計画しています。連日の事業で 疲労もピークに達しそうですが、今夏を締めくくるにふさわしい素敵なキャンプ にしたいと思います。メインプログラム?の打ち上げで、いい肴になるように・・ ・。 大野ESD自然学校 F.Y. → くすの木自然館 T.Y. ――――――――――――――――――――――――――――――――― 7.林野庁ホームページのご紹介: http://www.rinya.maff.go.jp/  □記者発表資料 〜プレスリリース  ○「平成17年度国有林野の管理経営に関する基本計画の実施状況」     及び「平成17年度国有林野事業の決算概要」について(8/29)   ○林政審議会の概要について(8/29)   ○小笠原諸島森林生態系保護地域設定委員会(第4回)の開催     について(8/23)   ○平成18年度第4回緑資源幹線林道事業期中評価委員会の議事概要     について(8/21)  □今月の施策紹介   ○水源の森をつくり育てる   ○夏休みはレクリエーションの森へ  □お知らせ   ○山村力(やまぢから)誘発モデル事業支援対象プランの選定     について(2次公募分)   ○新たな森林・林業基本計画の策定に向けて   ○「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について   ○「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」     について   ○寒波・雪害による災害対策の概要について   ○「森林(もり)づくりと木づかいのお便り」(林野庁メールマガジン)の創刊     について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 渡邊純枝 佐藤康弘 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  9月1日というと、多くの学校では始業式ですね。学生の頃は年間スケジュール がしっかり組まれ、春はお花見、夏は林間学校やプール、秋は運動会や文化 祭、冬はマラソン大会というように、学校での行事から季節を感じていたように 思います。  社会人になるとそういった行事も無くなり、四季の移り変わりに対して鈍感に なりがちです。忙しさに流されていると、ふと、自分が生き物ではなく機械仕掛 けになってしまったような、嫌なきしみを感じることがあります。休日には 「やること」の詰まったエアコンの箱から飛び出して、四季探しに森へ行った り、地域のイベントに参加してみたり。同じ毎日の繰り返しの中にも、空や風、 街路樹や食物などから季節の欠片を見つけることができます。私は野生の 生き物や樹木と同じような、四季のリズム、生き物としてのリズムを少しでも 感じられるようになりたいと思います。みなさんはどう考えますか。 *********************************