*********************************         森林環境教育ネットワークメールマガジン               第 30 号              平成18年6月1日 *********************************  □今号の目次    1.<レポート>ESD情報交換会    2.山村力(やまぢから)誘発モデル事業の二次公募について    3.木製バットから学んだこと    4.フィリピンの森林・林業事情(8)    5.森林環境教育リレートーク    6.林野庁ホームページのお知らせ    7.イベントのご案内      ◆第5回インタープリターのための体験学習法セミナー        〜キープ流 インタープリターの極意はこれだ!〜 **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---**    暑かったり寒かったり、不安定な天気が続いていますが、皆様お元気でしょ うか。スカッと晴れたかと思ったら急にあたると痛いような雨が降ったり・・・。 そんな日の天気予報は「ところにより一時雨」。ところってどこだ?といつも気 になります。  この前、1日のうちに、晴れ・曇り・雨とおまけに雷までやってきた日がありま した。急に暑くなったり雨が降ると、顔をしかめて空をにらむ人が大半ですが、 1日でいろいろな空気を味わえるなんて、ちょっとトクしたと思いませんか? ミャンマーでは天気予報はいらないそうです。雨季は100%雨、乾季は100% 晴れだからだそうです。  急ぐ足を時には休めて、天気の移り変わりを感じてみるのも、四季のある日本 ならでは、いいものではないでしょうか。  これからじめじめした梅雨が全国に広がっていきますが、うっとうしい雨も、見 方をちょっと変えれば、心に潤いを与える雨に変わって見えるかもしれません。  それでは今号もよろしくおつきあい下さい。    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  ◆ネットワーク会員の登録は6月1日現在 No.440に達しました。  ◆イベント情報    5月15日以降、新たに6つのイベントが登録されました。    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで。      →http://www.zenmori.org/feenet/einfo/    また、今号は「第5回インタープリターのための体験学習法セミナー」の    ご案内を掲載いたしました。 **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---** 1.<レポート>ESD情報交換会  みなさん、「ESD」ってご存じですか?一気に結論だけを言うと、持続可能 な開発のために教育が極めて重要な役割を担うことから、国連において、 2005年からの10年間を「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の ための10年」としました。我が国では平成18年3月に実施計画を策定し、 取り組むべき内容を位置付けました。  林野庁としても環境教育の分野からESDに取り組んでいくこととしています。 (実施計画の中身については、 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuren/index.htmlをご覧下さい)  日本でのESDを推進する中核となるNGOである「持続可能な開発のため の教育の10年」推進会議(ESD−J。http://www.esd-j.org/ )が、去る5月 29日に第1回の情報交換会を開催しました。  実施計画策定後の第1回の情報交換会ということで、政府の関係省庁連絡 会議の構成省庁等からのESDに関する取り組み状況などに関するリレー トーク、地域の活動事例の発表等が行われ、ESD−J代表の阿部治氏からは、 ESDの10年間で、官民協働のサポートセンター作りや、地域のコーディネー ターや実施計画作りなどの課題が示されました。レポートが、近日中にESD−J のサイトにアップされるとのことなので、興味のある方はそちらもご覧下さい。  この会では、普段お付き合いしている自然体験系の方々だけでなく、ESD の対象分野の幅広さそのままに様々な分野の方々が来ており、新たなネット ワークの息吹を感じることができました。(H.O) ――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.山村力(やまぢから)誘発モデル事業の二次公募について  林野庁では、平成18年度から、都市と山村の自治体、NPO等が連携して、 山村地域の活性化に資する先導的な取組を支援するため、「山村力誘発モ デル事業」を実施します。  ついては、平成18年度の支援対象プランの公募を先日行いましたが、さらに 以下の要領で二次公募を予定しております。応募要件を満たしていれば、創意 工夫次第で様々なプランの発案が可能です。多くのプランの応募をお待ちして おります。 (対象事業)  山村地域の活性化を目的として、都市と山村とが連携した取組を促進する ため、応募されたプランの中から選定されたプランを対象に支援します。 (支援の対象となるプランの例) 1 山村振興に関する将来ビジョン策定のための検討会設置及び運営、   先進事例調査 2 都市住民のインターンシップ、地域通貨の試験的導入等 3 山村型自然エネルギー等循環システムの検討、山村への試験的居住   支援等 4 1〜3のほか山村の活性化に資する取組、事業の実施拠点となる施設の   修繕 (補助率)  補助率は本事業の実施に必要な経費の1/2以内です。  なお、補助対象経費の詳細については追って林野庁HPに掲載する予定の  公募要領を参照してください。 (応募要件) 1 応募主体は以下の(1)又は(2)に該当するものであることが必要です。 (1)都道府県域を超えて都市と山村とで任意団体を結成する場合。   (例えば、自治体、森林組合、第三セクター及びNPO等が連携した任意団体) (2)都道府県域を超えて都市と山村とで協定を結ぶ場合。   (例えば、協定の一員である自治体、森林組合若しくはNPO等) 2 (1)の任意団体の構成員又は(2)の協定の当事者として山村側の自治体が   参加していることが必須です。 (応募予定期間)  平成18年6月中旬〜7月中旬 (プランの審査)  応募プランについては、林野庁長官が開催する有識者等による第三者委員  会において審査し、支援対象となるプランを選定します。 (お問い合わせ先)  林野庁森林整備部計画課森林総合利用・山村振興室    電  話: 03(3502)8111(内線6207)    担  当: 佐山、島田   ※申請書様式等の詳細については、追って林野庁HPに掲載する予定    http://www.rinya.maff.go.jp/policy2/yamadikara/yamadikaratop3.html ――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.木製バットから学んだこと  練習嫌いの野球少年だった(矛盾していますが・・・)私にとって、初めて自分 のバットとグローブを買ってもらった時のことは今でも鮮明に記憶しています。 その時、買ってもらったバットは少年用の金属バットだったのですが、家族が あきれるほど振って振って振りまくっていました。  中学生になって、部活に明け暮れるようになると、初めて手にした金属バット よりも大きなバットを使うようになったのですが、基本的に練習や試合で使う バットは金属バットであって、木製バットを使う機会はほとんどありませんでした。  秋の新人戦の時のことですが、空模様は試合前から怪しく、試合の途中から は雷が鳴るようになってしまい、審判から木製バットを使うように、との指示が 両チームに出ました。金属でも木製でも雷の危険の程度に差はほとんどない、 という話を聞いたこともあるのですが、とにかくその時は木製バットを使うことに なりました。  打席に入る前に素振りをしてみると、明らかに手に伝わるバットの感触と重さ に違和感があり、しっくりしません。打席に入っても、その違和感は変わらず、 結果はほぼボテボテのセカンドゴロ、そのときの監督の怖い顔が忘れられま せん。  そんなことがあってから、まめに木製バットでも練習するようになったのです が、すっかり金属バットに慣れてしまっていたため、思うような打撃ができませ ん。とにかく芯でボールをとらえることがなかなかできないのです。ただ、木製 バットを使って練習することでバッティング技術が向上するのは確かなようで、 木製バットを使った後に金属バットを使うと、自分でも驚くほどよく打てるように なったものです。  建築用材をはじめ、かつて木材が使われていたいろんな用途において、木材 以外の素材が使われるようになりましたが、この木製バットの経験を思い出す たびに、木を使うことはいろんな知恵や技術を培うことにつながるのではないか、 などと思うですが、これはちょっと言い過ぎでしょうか。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.フィリピンの森林・林業事情(8)  フィリピン政府が1995年から開始したCBFM(コミュニティを基盤とする森林 管理)を利用したプロジェクトの場所も決まり、住民の組織力強化や研修も着々 と進み、いよいよ実際に作業に取り掛かるというところまで前回紹介しました。 今回は、その作業の中身について紹介していきたいと思います。  このプロジェクトでは、アグロフォレストリーを実施します。アグロフォレスト リー とは、「同一の土地で、樹木と作物(樹木作物を含む)、あるいは家畜を、同時 に(あるいは異時的に・交代で)組み合わせることによって、土地あたりの総生 産量を増加させる持続的土地利用システム」で、これにより、植栽木がある程 度収穫可能になるまで、農作物による収入を得ることができ、プロジェクトの維 持管理費及び住民組織への副収入が期待できます。  さて、ここで問題となってくるのは、人工林を造成する上で苗木をどこで手に 入れるかということです。もちろん植林が一般的ではない、この地域では苗木を 生産・販売する施設が近くにはありません。また、もし苗木が手に入ったとして も、熱帯の炎天下の中、遠距離輸送をしていては、苗木が傷んでしまいます。 また、コストの面を考えると大量の苗木を購入することは、今後継続的に植栽 を繰り返していくことを考えると現実的ではありません。  そこで、このプロジェクトでは、住民組織の村内に苗畑を設営することにしま した。まずは、苗畑を設営するにあたり、最低限必要となる資材の購入です。 苗畑には、強い日差しをある程度和らげるための屋根(ココナッツの葉などで 覆ったりします。)をつけるための囲いが必要です。この囲いには、フェンスを 利用し、苗木盗難防止用の鍵も設置しました。また、水を供給するためのシス テム(川や井戸から水を引いてくる簡易なものです。)を設けることにし、それら に必要な資材を購入しました。  フィリピンでは、このような資材がどこでも売っています。フィリピンの人たちは 皆とても器用で大抵のものは手作りしてしまいます。例えば自動車のボディー もそうです。家まで作ってしまいます。ということで苗畑も皆の手作りで行いま した。フィリピンの人たちの多才さには非常に感心しました。約1ヶ月で研究施 設にあるような見事な苗畑が完成しました。  この苗畑により、良質の苗木が毎年継続して生産・供給することが可能にな ります。植栽地までは、一番近いところで歩いて10分から15分です。働き手は 必要ですが、苗木も購入しなくて済みます。樹種によっては、種を仕入れる必 要が出てくるかもしれませんが。  苗畑も手作りなら苗木も手作り。この手作りによる愛着感が林業の継続に つながってくれればと思います。また、自分たちで育てた森となれば、今まで とは、何か違った森林との関わりが生まれることが期待できるのではないかと 思います。  次は苗木作りを中心に紹介したいと思います。続く ――――――――――――――――――――――――――――――――― 5.森林環境教育リレートーク(第10話) 「森の恵み」  信州大学の2番バッターを努めさせていただきます。私は森林生態学や育 林学に関する講義や実習を担当しているのですが、信大に赴任しまだ2年 少々の新参者ということで、前勤務地である九州大学北海道演習林でのこと を書きたいと思います。  九州大学北海道演習林は、道東十勝の足寄町に所在する3,713haの演習林 で、2/3ほどがミズナラやイタヤカエデ、ハルニレなどの落葉広葉樹が豊富な 天然生林で覆われており、他の1/3の多くがカラマツ人工林となっています。  そこでは教員3名が主体となって学生実習や調査・研究を行っています。 「外向きの実習も積極的にやろう!」ということで、高校生対象の林業体験、 小学生対象の自然観察など、多数開催していました。  ある日、地元にある少年自然の家から、「是非とも、不登校生対象の実習を 演習林で行ってもらえないだろうか。」という要請を受けました。このような教育 を全く経験していなかったため、大丈夫だろうか?という一抹の不安を感じまし たが、「不登校生は自信を失っています。これが問題です。演習林で彼らに 厳しい作業を体験させてもらえないだろうか? 厳しい課題を克服させること が、何より彼らに自信を持たせ、立ち直させるきっかけとなる。」という説明 (説得!?)を受け、とにかく引き受けることとしました。内容は手鋸を使っての 若齢カラマツ人工林の間伐、それも気温が氷点下となる厳寒期に行うのです。  どうなるものか・・・と思いながらもその日となりましたが、何と彼らは、我々が 普段接している子供達よりも活き活きと作業するではありませんか。作業を通 じて気付いたのですが、彼らは非常に純粋な子供達であることです。半日かけ て全員、間伐をし、切り倒した木を玉切りして、ロープで引き出して土場に積み 上げました。  数年後のある日、当時中学生であった不登校生の1人と道端で会いました。 彼は土木作業員として働いていました。満面の笑みで私に声を掛けてきました。 きっと自信を取り戻し、自分の生きる道を探り出せたのしょう。あの実習の効果 も少なからずあったものと思います。「森の恵」のすばらしさを改めて感じた 次第です。   信大農森林 T・O → 信州大学AFC T・A ――――――――――――――――――――――――――――――――― 6.林野庁ホームページのご紹介 http://www.rinya.maff.go.jp/ □記者発表資料 〜プレスリリース  ○気候変動枠組条約第24回科学上及び技術上の助言に関する補助    機関会合(SBSTA24)の結果について(5/29)  ○第5回森の“聞き書き甲子園”の実施について(5/29)  ○平成18年度 第1回緑資源幹線林道事業期中評価委員会の開催    について(5/26)  ○林政審議会の開催及び一般傍聴について(5/26)  ○平成18年度山地災害防止キャンペーン実施について(5/16)  ○第40回国際熱帯木材機関(ITTO)理事会等の開催について(5/15)  ○平成18年度第1回水源林造成事業期中評価委員会の議事概要    について(5/12) □今月の施策紹介  ○山地災害に備える  ○平成17年度森林・林業白書について □お知らせ  ○平成18年度山村力(やまぢから)誘発モデル事業の2次公募予定    について(6月中旬から2次公募を予定しております。)  ○平成18年度山村力(やまぢから)誘発モデル事業の公募について  ○「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について  ○「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」    について  ○寒波・雪害による災害対策の概要について  ○「森林(もり)づくりと木づかいのお便り」(林野庁メールマガジン)の創刊    について ――――――――――――――――――――――――――――――――― 7.イベントのご案内 会員の皆様からお寄せいただきました情報をご案内させていただきます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜          第5回インタープリターのための体験学習法セミナー           〜キープ流 インタープリターの極意はこれだ!〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 体験学習法を知っていますか? 体験学習法は体験から学ぶ教育手法で 教育活動には欠かせない手法と言われています。 また、キープ協会のインタープリター養成にも欠かすことのできない考え方です。 これを身に付けておけば、プログラムも自分自身も成長し続けることができ、 プログラム内で起こっている様々な場を読み、作っていくことのできる インタープリターになることができます。初心者も経験者も インタープリターの極意「体験学習法」を3日間楽しく学ぶセミナーです。 【日 時】2006年6月30日(金)〜7月2日(日) 2泊3日 【開催地】山梨県清里高原 フォレスターズキャンプ場 【定 員】30名 【参加費】一般42,000円、学生38,000円(宿泊食費、プログラム費など)       (1ヶ月前までのお申し込みORリピーターの方 3,000円割引) 【内容】キープ協会環境教育プログラム体験、インタープリテーション講義、      体験学習法講義&実習、環境教育プログラム実施&相互評価など 【問い合わせ先】 財団法人キープ協会 キープ・フォレスターズ・スクール 〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545 担当:永井(ながい) TEL:0551-48-3795 FAX:0551-48-3228 E-mail:forester@keep.or.jp URL: http://www.keep.or.jp/FORESTERS/  ☆まずはお気軽にお電話ください☆ (詳細はhttp://www.keep.or.jp/FORESTERS/ip_taiken005.htmをご参照ください) ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 渡邊純枝 佐藤康弘 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  いよいよFIFAワールドカップが始まります。サッカー好きにとっては待ちに 待った季節の到来ですが、2006年の開催国ドイツとの時差はマイナス7時間、 寝不足と戦う日々が続きそうです。皆様も学校や仕事等日々の生活に影響が 出ないよう、体と相談しながら楽しく観戦してください。  今年のワールドカップでは、史上最も環境にやさしいサッカー大会にすること を目指し、「グリーンゴール」という環境コンセプトを発表したそうです。 「グリーンゴール」とは、大会における水、廃棄物、エネルギー、交通分野 における具体的な環境負荷削減のための目標数値を定めたものだそうで、 現地ではリユース・カップの活用、環境ボランティアの配置、観戦チケットに 公共輸送機関を24時間無料で利用できるというサービスを付ける等、様々な 取り組みがされているようです。  これを受け、日本でも小池環境大臣がプロデュースし、ペットボトルを再利用 した布でつくられた「もったいないふろしき」をワールドカップ日本代表等に配る ことで、ごみ減量活動を実践するようです。同時に物を大切にする日本の文化 の象徴として、ふろしきが循環型社会を考えるきっかけになれば、という意図も あるようです。  世界中が注目する一大イベントであるだけに、こういった環境負荷削減のた めの様々な取り組みが、今回限りで終わらず、世界規模で日常的に広まって いくことを願います。 *********************************