*********************************         森林環境教育ネットワークメールマガジン               第 29 号              平成18年5月15日 *********************************  □今号の目次    1.高尾ミニシンポ、開催される!    2.渋滞の窓から見た景色    3.「山菜取り」    4.海の森「マングローブ」 〜マングローブのめぐみ(その2)〜    5.「緑の募金公募事業」、「緑と水の森林基金事業」の募集について    6.森林環境教育リレートーク    7.林野庁ホームページのお知らせ **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---**   ゴールデンウィークも終わり、忙しい日常が戻ってきたかと思いますが、 皆さんいかがお過ごしでしょうか?  地域によっては、連休中に桜が満開といったところもあったかと思います。 花見のチャンスを逃した方もラストチャンスで桜を見に行った方も多かった のではないかと思います。  桜の季節の終わりとともに気温も随分と暖かくなってきました。季節の変わ り目で、何かと体調も崩しやすい時期です。風邪など引かないように体調管理 には十分気をつけてください。では、今号もよろしくお付き合いください。    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  ◆ネットワーク会員の登録は5月15日現在 No.436に達しました。  ◆イベント情報    4月14日以降、新たに4つのイベントが登録されました。    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで。      →http://www.zenmori.org/feenet/einfo/ **---***---***---***---***---***---***---***---***---***---** 1.高尾ミニシンポ、開催される!  4月15日(土)に、東京都八王子市にある林野庁森林技術総合研修所に おいて開催された「グリーンフェスティバル」に合わせて「森林環境教育ミニ シンポジウム〜森林でもっと元気に、もっと健康に!〜」が開催されました。  当日は好天に恵まれ、多くの方々に参加して頂きました。その中には、この メルマガを読んで参加された方々もいました。前半は、森林インストラクター 東京会の米澤邦昌氏と(財)キープ協会の五味愛美氏による講演、後半は、 リードクライム株式会社の西直人氏をコーディネーターに、講演を行ったお二 方と赤坂溜池クリニック院長の降矢英成氏、高尾森林センター所長である 中園達紀氏を加えた4氏によるパネルディスカッションを行い、森林を活用した 健康づくりをキーワードに様々な森林との関わり方について楽しいトークが交 わされました。  また、外では森林環境教育ネットワークとのご縁から、ヒロプランニングと 千年の森自然学校の方々がツリーハウスづくりに取り組みました。集まった 子ども達は、よじ登ったり、はみ出した丸太をのこぎりで切ったり、思い思いに 楽しんでいました。  ギコギコ・・・ギコギコ・・・丸太は容易には切り落とせないのですが、何人も の子ども達が一心不乱にやっていました。普段できないことなので、とても楽 しかったのでしょう。どうかその感触を忘れませんように。  今回ご協力頂きました関係各位にこの場を借りて御礼申し上げます。  ありがとうございました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.渋滞の窓から見た景色  大型連休中のある日、とある行楽地に自家用車で向かいました。大渋滞で、 ようやく国道から目的地に向かう路に入ってもノロノロ運転が続きます。そこで、 ふと窓から山の方を見ると、雑木林に竹が侵入にして木の中に竹が倒れ込ん でいるような風景が見えます。また、道路際から山に向かっては雑木林を藪や 蔓が塞いでいて、とても人間が入ることの出来ないような状態になっていること に気付きました。  近年、日本の里山はエネルギー革命等の影響により薪炭や肥料としての 利用がなされなくなったことにより、人の手が入らず放置されているところが 増えています。それにより、従来の明るく開けた里山から、竹の侵入や藪地化 などにより様相が変わってきています。このことは生物多様性にも影響を与え てきています。  従来の里山を取り戻すこと等を目的とした市民活動が近年盛んになってきて いますが、安定的・継続的な活動を行うためにはいろいろな課題があります。 (なお、林野庁ホームページでは以下のURLに里山林の保全・利用の取組事 例を掲載しています。http://www.rinya.maff.go.jp/policy2/satoyama/index.htm)  そのようなことを思い出し、しばし渋滞のイライラを忘れていました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.「山菜取り」  G.W.には都会の人ごみから離れ、地方でゆっくりと過ごされた方も多かった ことでしょう。暖かい晴れた日に山に行くことはそれだけで楽しいことですが、 この季節には山菜取りというもうひとつの楽しみがあります。  近年は山菜ブームということもあり、それまでは郷土料理のような位置づけで あった山菜が、農産物直売所や道の駅などで気軽に買えるようになりました。 そして、食べられる山菜が一般に知られるようになり、山菜取りに出かける人 が急増しました。  日常生活の中で、食べ物を買わずに自分で手に入れるという行為は非常に 貴重な体験です。なにより季節の旬のものを食べるということは、スローフード やLOHASにもつながるライフスタイルの基本ですね。  有名な山菜としては、ウド・コゴミ・セリ・ゼンマイ・タケノコ・タラノメ・ツクシ・ フキノトウ・ワラビなどがありますが、他にもまだまだたくさんあります。関連の 書籍やホームページもたくさんありますが、やはり経験の豊富な方にご教授 願うのが間違いのない方法でしょう。  上記以外で僕の好きな山菜料理は、「サンショウの葉の味噌炒め」です。 サンショウの葉のうち、春に出た若いものを摘んでさっと水洗いしてからフライ パンでごま油少々と弱火で炒め、最後に味噌を入れます。サンショウ特有の苦 味と香りが酒飲みにはたまらない一品です。  サンショウのトゲは対生なのに対して、イヌザンショウは互生なので簡単に見 分けられます。地域にもよりますが、まだ今からでも取れると思います。サン ショウの葉を摘むときはくれぐれもトゲに注意しましょう。  山菜取りは基本的にお金をかけずにできるのですが、近年いろいろな問題も 起こっています。まず、日本に所有者のいない山や森林はありません。山菜 取りに出かける場合は、どこにどんな山菜があるかも重要なポイントですが、 まずはそこで取ってもいいのかを考えなければいけません。  まだ時期が早く大きくなっていない山菜を、後で来れないからなどの自分の 都合で取ってしまうのも山菜法(?)違反です。さらに、キノコほど種類は多くあ りませんが、食べられる山菜に似た毒性をもつ植物もあります(できれば詳しい 人と一緒に行きましょう)。また、山に入るときの基本ですが、ケガをしないため にも履物や服装などの準備と、喫煙する場合には携帯灰皿の使用を心がけま しょう。実際に山菜取りで遭難したり、山火事が発生したケースもあります。  意外と山にはいろんな人が入っているものです。そのようなことも少し頭の中 に入れながら、楽しく山の幸をいただきましょう! ――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.海の森「マングローブ」 〜マングローブのめぐみ(その2)〜  ↑↑↑1つ上は森のめぐみ「山菜」のお話でしたが、マングローブの森にも 美味しいめぐみがあります。前回のマングローブ話に引き続き、今回もマング ローブのめぐみについてその1つをお話してみたいと思います。  マングローブの森の美味しいめぐみと言えばその代表格が「ノコギリガザミ」 です。マングローブの根っこの隙間や、泥にあけた穴の中に潜んでいます。 熱帯から温帯にかけて生息するワタリガニの仲間ですが、大きなものになると 甲羅の幅が25cmにもなります。体格に合わせて味も大味かと思いきや、蒸し て良し、焼いて良し、汁ものにして良し!その美味しさから、東南アジアや太平 洋の島国をはじめ世界各地で喜ばれるマングローブのめぐみのひとつです。  美味しくいただく際には、ぎっしりと身が詰まっているため、こぞって取り合う 大きなハサミですが、マングローブ林でノコギリガザミにばったり出会った時な どは要注意です。調子にのってちょっかいを出して、うっかりハサミに挟まれ たりしたら一大事です。以前に、調査の網にかかった小さな赤ちゃんノコギリ ガザミを逃がそうとして指を挟まれたことがありますが、その時でさえ、しばらく 痛い目に遭いました。その親分のハサミと考えただけでも冷や汗ものです。  地元のオジィに、ガザミ(ノコギリガザミのこと)のハサミに挟まれたときには、 無理にハサミをこじ開けようとせず、小枝でカニの脇の下をコチョコチョとくすぐ ればいいとの嘘とも本当とも思えぬ話を聞いたことがありますが、試してみる 勇気などとうてい湧かないのでした・・・  マングローブの森では、腐った落ち葉が分解されてプランクトンを養い、その プランクトンを求めて多くの魚やカニ、エビなどが集まってきます。木陰が照り つける太陽の日差しをさえぎり水温の上昇を防ぐためそこに暮らす生き物たち に快適な環境をつくります。また水面下の幹や、複雑な形状の根っこは、稚魚 や稚エビなどを鳥や大きな魚たちから守る隠れ家のような役割を果たします。  海の生き物たちの食物連鎖の底辺を支えると共に、稚魚や稚エビなどを育む マングローブは、海の生き物たちにとっての「生命(いのち)のゆりかご」など とも称されます。 近年、ノコギリガザミも乱獲によりその数が減少し、高価で貴重なめぐみと なってしまいました。稚ガニの放流等による対策も講じられていますが、自然 のペースに人間が合わせるというという視点は常に頭に置いておきたいですね。 つづく? 日本に分布するマングローブの種類やそこに棲む生き物たちが紹介されています。 →「マングローブと生き物たち」http://www.kaiyo-net.com/mangrove/ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 5.「緑の募金公募事業」、「緑と水の森林基金事業」の募集について  社団法人国土緑化推進機構により、平成18年度分が6月15日まで募集 されています。民間のボランティア団体等を対象に、森林整備活動や森林環境 教育活動に対し助成を行うものです。詳しい内容については、こちらのURLを ご覧下さい。 http://www.green.or.jp/ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 6.森林環境教育リレートーク(第9話) 「森の時間」  京都から信州へリレーのバトンが回ってきました。信州大学農学部構内は 今、カラマツの芽吹きがとてもきれいです。  私の所属するAFCは、正式名を信州大学農学部附属アルプス圏フィールド 科学教育研究センターといい、かつての農場と演習林が統合された組織です。 約500haもある演習林を活用して、3年前から森林の持つ多面的な機能を実践 的に教育するカリキュラムを始めました。  例えば森林の癒しの機能を体験する生物保健機能学、原生林のまま残され ている中央アルプスの西駒演習林での生物多様性を学ぶ野生生物保全学など を開講しています。何れも実習とセットになっていて、学生たちは長野県以外の 出身者が大半なので、信州の自然が珍しくもあり結構楽しく受講しています。  昨年ふとした事で人間の時間で森をみているのではないかと思うようになり ました。私は昆虫生態学が専門で、昨年は野生生物保全学実習の教材研究 のため演習林で昆虫類の調査していました。別ルートで調査に入った仲間と 落ち合うため待ち合わせ地点で、小一時間ほど森を眺めて過ごしました。  クジャクチョウが縄張り争いをしている。オサムシが落ち葉の下から顔を出 した。少しむこうの崖からカモシカが下りてきた。森は「森の時間」をきざみ、 その姿を見せてくれたような気がしました。  昆虫学の専門的知識や技術を森の中で体験させるため、絶滅危惧種の生 息地や蝶の占有活動が観察できるポイントなど、学生を森の中を連れまわして 教育する。豊かな自然、多様な動植物相の学習といいつつ、我々の忙しい人間 の時間を森の中に持ち込んで、用意した教材に沿って「森の時間」を断片にし て、その一瞬の空間だけを取り出し学生たちに教えているのではないか。 森の中にいながらふと博物館の陳列棚に学生を連れて順番に説明しているよ うなシーンが浮かんできました。  今年は「森の時間」を感じるために、4日間アルプスの山の中で自然観察を したり、冬の雪の森の中でけものの足跡を追ってみる試みを入れる予定です。   信大農AFC H・N → 信大農森林 T・O ――――――――――――――――――――――――――――――――― 7.林野庁ホームページのご紹介 http://www.rinya.maff.go.jp/ □記者発表資料 〜プレスリリース  ○林政審議会委員の現地視察における意見交換会の開催及び一般傍聴    について(5/9)  ○林政審議会の概要について(5/9)  ○小笠原諸島森林生態系保護地域設定委員会(第2回)の開催    について(5/8)  ○平成18年度第1回水源林造成事業期中評価委員会の開催について(5/1)  ○森林・林業の再生に関するプロジェクトチーム第7回会合の概要    について(4/27) □今月の施策紹介  ○21世紀の森林づくりと緑化運動 □お知らせ  ○平成18年度山村力(やまぢから)誘発モデル事業の公募について  ○「スギ・ヒノキ花粉に関する情報」についてのお詫びと訂正について  ○「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」    について  ○寒波・雪害による災害対策の概要について  ○「森林(もり)づくりと木づかいのお便り」(林野庁メールマガジン)の創刊    について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 渡邊純枝 佐藤康弘 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  花見といえば、お弁当。  お弁当といえば、今では当たり前のようについてくる割り箸。  その割り箸が今危機的状況になっているようです。20年ほど前までは、半数 は国産で補っていた割り箸も今では、約9割が中国からの輸入になっています。 その中国が、割り箸価格の大幅値上げや将来的には輸出禁止まで視野に入 れて動いているようです。  そうなると今まで当たり前についてきたコンビニ弁当の割り箸が有料になる といったようなことは、そう遠くはないでしょう。割り箸の利用に関しては、木材 の有効利用に貢献するといった意見や、環境破壊につながるといった意見な ど賛否両論あるとは思います。ただ、今まで当たり前だったことがそうではなく なったとき、改めてそのありがたみを感じることができるような気がします。  割り箸が当たり前ではなくなるかもしれない今後、木材資源の有効活用や 環境問題のことも含めて私たちの生活を見つめなおす良い機会なのではな いかと思います。 *********************************