*********************************         森林環境教育ネットワークメールマガジン               第 18 号             平成17年11月1日 ********************************* □今号の目次   1.学校の教科書について   2.ダイエットと竹林整備     〜茨城県八郷の森林整備に参加して〜   3.海の森マングローブ     〜マングローブは海水が好き?〜   4.良いメルマガのために必要なことは?   5.林野庁ホームページの御紹介   *********************************  11月になりました。ひんやりとした空気が心地よい秋です。秋といえばやっぱ り紅葉。もっか紅葉前線南下中です。皆さんの地域の紅葉はいかがですか?  さて、この紅葉前線ですが、例年、全国各地の同じ木を標本木として観測して います。そして、その木の葉の大部分が紅葉した最初の日を「紅葉日」とし、そ の点を結んだものが紅葉前線です。イロハカエデを観測するようですが、イチョ ウの黄葉した日を結んだ線もあるようです。ところで、紅葉前線の進むスピード は、時速1.1km(1日27km)で、桜前線もほぼ同じスピードです。こんなにゆっくり 進む紅葉前線ですが、あっという間に寒くなって冬がきてしまうように感じてしま うのは私だけでしょうか?今年の秋は、ゆとりをもってゆっくりと秋を楽しみたい ものです。  さあ、紅葉狩りに出かけましょう!! ● 会員専用掲示板今月のお題は引き続き「野外活動で役立つアイデア」です。   よろしくお願いします。   *********************************  ☆ネットワーク会員の登録は11月1日現在 No.381に達しました。  ☆イベント情報    10月14日以降、新たに1つのイベントが登録されました。    詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで  ********************************* 1.学校の教科書について  学校の教科書で森林・林業についてまとまって取り上げているのは、小学校5 年生の社会科です。各社の教科書には、日本の林業、森林の公益的機能、森 林を守る大切さなどについて、ページ数にして10ページ前後、記述されています。  森林・林業に関する教科書への記述については、一時削減される方向にあり ましたが、近年はこのような状況でほぼ落ち着いています。学校教育の中で農 林水産業に関してきちんと学ぶ機会が確保されていることは非常に重要なので、 農林水産省としても、毎年教科書会社担当者の方々に対して情報提供を行う機 会を設け、教科書やその他学校の教材として取り上げていただけるよう、取組を 行っています。  教科書会社によって、自然環境の保全という面を重点的に取り上げたり、林業 生産という面を重点的に取り上げたりと、いろいろなバラエティーがありますので、 お手元にお子様の教科書がある方は、是非ご覧になってみてください。森林・林 業の話題のほか、最近の教科書は随分工夫されているという印象をお持ちにな るのではないでしょうか。 2.ダイエットと竹林整備    〜茨城県八郷の森林整備に参加して〜  先日、森林整備のボランティアに1泊2日の日程で参加してきた。今回の森 林整備ボランティアには竹林整備が組み入れられている。日本の森林の「今」 を知るにはうってつけと思い、勇んで参加した。  初日。まずはヒノキ人工林20年生の間伐作業に挑んだ。道路から歩いて10分 ほどの現場で、「少々楽すぎるかな」とたかをくくっていたが、手ノコでの間伐作 業というのは本当に大変なことだと思い知らされた。直径20cmを超える材にな ると、1日に10本も倒せば疲労困憊。おまけに、ほぼ100%発生する掛かり木を 引き倒す作業が残余の体力をいやおうなく奪い取る。汗だくになって閃いたこと は“間伐ダイエットツアー”。先日、森林浴がNK細胞を活性化し、免疫力を上げ ることが科学的に証明されたらしいから、健康になって痩せられるツアーを売り にすれば、若い女性を中心に希望者が殺到するかもしれない。  そして2日目。いよいよ目的にしていた竹との闘いが始まる。無秩序に繁茂 する竹。一つの典型的な荒廃林の姿だ。竹林は年に5mとも言われるスピード で地下茎を縦横に伸ばし、その地下茎から根を広げる。また、竹は1年で高さ が20m近くにも成長し、密集して空間をどんどん埋めていく。日本各地で放置 竹林が周辺の森林に侵入して成長し、森林を抑圧するケースが多発しているが、 それは竹のこうした特性によるものだ。そして他の動植物の侵入を許さないよ うな極度のモノカルチャー状態を呈することも大きな問題である。特に放置竹林 では高密度化、立ち枯れ、倒伏という悪循環が成立して林内に立ち入ることさ えできないのだ。  竹に対する憎しみが増大して、「いざ、竹を成敗してくれよう」と朝起きると、 激しい雨が降っている。残念ながら竹林整備は中止になってしまった。この憎 しみをどこに向ければ良いのかと案じていると、地元の方が竹を運んでくださっ て竹細工の教室を開いていただくことになった。簡単な工芸品などを見よう見 まねで作ってみたが、なかなか味のある作品ができる。やっぱり竹は日本人の 美意識にマッチした質感がある。ナタをたてた時のスーっと割れていく感覚も気 持ち良い。  竹をうらむ気持ちが、竹をいとおしむような気持ちに変わる。勝手なものだが、 問うべきは農山村における土地資源の管理問題なのだなと、当然の結論に落 ち着きつつ帰路についたのだった。 3.海の森マングローブ    〜マングローブは海水が好き?〜  メールマガジン15号でお話したように、マングローブとは熱帯や亜熱帯の海 岸線や河口域など潮の満ち引きの影響を受ける「潮間帯」と呼ばれる場所に 生育する植物の総称です。「総称」というと聞こえは良いですが、つまりはその 「潮間帯」と呼ばれている辺りに生えている植物をみんなまとめてマングローブ と呼ぼう!ということなので、いったいどこまでがマングローブなのかという定義 については研究者によって異なり、「世界にはいったい何種類のマングローブが あるのか?」という話になるとなかなかその数は一致しないようですが、100種類 以上の植物が「マングローブ」と呼ばれているというところで落ち着いているよう です。  日本にも沖縄や鹿児島に広く捉えると30種類以上のマングローブが生育する とも言われていますが、私たちが「マングローブ」と聞いてイメージするような典型 的なものは、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、 マヤプシキ、ニッパヤシなどです (ダマシ?!?、モドキ?!?など当の植物からすれば「もう少しセンスのある名前を付 けてくれればいいのに・・・」と思っているだろうなと感じてしまうのは私だけで しょうか?マングローブの名前の話はまた別の機会に)。  海水でも育つことができるマングローブですが、特に海水を好んで「潮間帯」 に生育しているという訳ではないようです。根から水分を吸収する際に、海水を 濾過して塩分を吸収しないような構造をもつ樹種や、海水を吸収した後に、葉 に塩分を貯め込んでその葉を落葉させる樹種、また不要な塩分を葉に備わっ た特殊な器官から排出する樹種など、塩水という環境に耐えるための機能を備 えた樹種があり、例えば苗木を異なる塩分濃度の塩水で育ててみると、海水よ りも淡水に近い条件の方が、よく成長したりします。ただ、完全な真水の方が成長 がいいのかというと、必ずしもそうではなく、マングローブの生理的な構造にはま だはっきりと分かっていない部分が多くあります。  なぜ、わざわざ塩水という好きでもない環境に生育しているのかという疑問が むくむくと湧いてきますが、陸上では他の植物との生存競争に勝てないので、 塩分を嫌う普通の植物が生育できない潮間帯でひっそり生きているんだという 説や、あるいは進化の過程で、一度陸に上がり再び海に帰ろうとしている「植物 界のクジラ」的な存在だという説もあります。  潮間帯という特殊な環境では、海水の塩分に加え、頻繁に水面下に浸る地下 部の酸素不足が深刻な問題です。そのためマングローブの中には地下深くに 根を張らず、代わりに地上部分に通気根と呼ばれる呼吸をする為の特殊な根 を出す種類もあります。ヤエヤマヒルギの支柱根はニョキニョキまるでタコの足 です。オヒルギの膝根は本当に字のごとく人が膝を曲げたように見えます。地面 から、まるで鉛筆や細いタケノコが突き出しているようにみえるのはヒルギダマシ やマヤプシキの筍根です。これだけバラエティに富んだ形態にどうしてなったの か、マングローブを見るたびに不思議に思います。またこれらの根の中には、 葉緑体を持っていて光合成をする樹種や、満潮時、水面下でも呼吸や光合成 ができるように、空気を貯めておくタンクの役割をする器官を持つ樹種もあります。  潮が満ちては引いていく潮間帯という環境では、うかつに種も飛ばせないと 思ったのかもしれません。オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどは、母樹に 付いたまま発芽し、しばらく成長してから木から落ちる、胎生種子と呼ばれる種 子をつくります。お母さんにくっついたまま発芽するというところから「胎生」とい う言葉がついています。また既に発芽してしまっているので本当は種子ではな いのですが、この呼び方が一般的になっています。万年筆のような形で、長い ものでは、日本ではヤエヤマヒルギが30cmぐらいの胎生種子をつくります。 この胎生種子がお母さんの樹の下で、あるいは波に運ばれ、たどり着いた先 で成長していくのです。  多くの植物、動物がそうであるように、マングローブが潮間帯という植物にとっ ては決して棲み易くはない生育環境に、長い年月をかけて特殊な機能や形態を 発達させるなど様々な工夫(?)をしながら適応してきたことは想像に難くありま せん。  マングローブや他の生き物たちが、ついて行けないような急激な環境の変化 には、当の人間だってきっとついて行けなくなると感じる今日このごろです。 (つづく?) 日本に分布するマングローブの種類やそこに棲む生き物たちが紹介されています。 →「マングローブと生き物たち」http://www.kaiyo-net.com/mangrove/ 4.良いメルマガのために必要なことは?  シンポジウム、セミナー、研修会、会議、お祭り等々にいたるまで、いずれの イベントでも共通の課題は「人集め」でしょう。  主催する側としては、一人でも多くの方に参加していただきたい、良い話なの で聞いていただきたいとの思いを込めて、宣伝や募集をします。しかし、思った 様には・・・。  このような課題は、イベント等に限っての話ではないのかもしれません。  多くの方々に共感や興味を持っていただくことは、例えば、食品や玩具・自動 車等の商品開発、本の出版、テレビ番組の製作、今年の夏のクール・ビズの 活動等にも共通する課題だと思います。  それに、人気のあるホームページやブログ、メールマガジンを作るためには、 如何にすればいいのでしょうか?  時々、「メルマガ読んでるよ!」とか、言われると例えそれが御批判であっても うれしいものです。  よりよい、人気のあるメルマガの編集のために皆さんの御意見をお待ちして おります。  私も、メルマガには積極的に意見するようにしています。 5.林野庁ホームページの御紹介 □記者発表資料〜プレスリリース〜  ○森林・林業の再生に関する論点・課題の中間整理について ○「21世紀の森林整備の推進方策のあり方に関する懇談会」     中間取りまとめ(案)に対する意見の募集結果及び処理について ○「21世紀の森林整備の推進方策のあり方に関する懇談会中間とりまとめ報告」     の公表について  ○「第8回全国山火事対策シンポジウム」の開催について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 黒澤 徹 多田裕一 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  前号で、「モリゾー・キッコロはどこに行った?」とのことを書きましたが、さる 30日にとある家電量販店の新装開店のイベントにモリゾーキッコロの着ぐるみ が、万博協会に無断で使用されたそうです。  万博協会では、万博終了後の着ぐるみの使用は禁止しているらしく、これまで も使用したい旨の要望は全て断っているとのことです。  一方で当日は大変な人気で、長い列が出来る程で客寄せ的には成功だった 様です。  本物のモリゾーとキッコロは、この状況をどのように思っているのでしょう。 モリゾーキッコロ本人、又は2匹?2人?のお知り合いの方、御意見をお寄せ 下さい。 *********************************