*********************************        森林環境教育ネットワークメールマガジン               第 15 号             平成17年9月15日 ********************************* □今号の目次   1.環境教育の人材育成・人材認定等事業データベースについて   2.<レポート1> 「企業とNGO/NPOのコラボレーション」セミナー   3.森林環境教育のフィールド作り     〜例えばグリーンツーリズムの試みを参考に〜   4.海の森「マングローブ」   5.林野庁ホームページの御紹介   *********************************  9月に入ってからも、大型の台風が日本列島に到来しています。記録的な豪 雨をもたらした先日の台風14号では、深刻な被害が起きているようです。山地 災害の被害状況も今後分かってくることと思いますが、森林・林業に対するダ メージが心配されるところです。台風の到来する頻度が増え、その大きさも近年 顕著になってきているような気がします。いずれにしても、まずは災害に対する 備えをしっかり準備しておくことが大切かと思います。  9月13日配信のメールマガジン号外でもお知らせしましたが、11月10日(木) 11日(金)、岐阜県白川郷において「森林環境教育戦略会議 2005 in 白川郷 〜 これからの森林環境教育 白川郷宣言 〜」を開催いたします。  これまでの森林環境教育の普及に向けた取り組みや活動をふりかえるととも に、森林関係者や環境教育の実践者、関心がある人、さらにより広い人を対象 にメッセージを届ける専門家たちとの協働により、今後の展望と戦略を練る会 議です。  たとえば10年後、あなたはどう森と関わっていたいですか?どうぞ、あなたの 思いをもってご参加ください。  開催概要、お申し込みはこちらから http://www.keep.or.jp/FORESTERS/fee_m2005.htm ● 会員専用掲示板今月のお題は引き続き「野外活動で役立つアイデア」です。   よろしくお願いします。   ********************************* ☆ネットワーク会員の登録は9月1日現在 No.368に達しました。 ☆イベント情報 : 詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで  ********************************* 1.環境教育の人材育成・人材認定等事業データベースについて  メルマガ6号と7号でご紹介した「環境の保全のための意欲の増進及び環境 教育の推進に関する法律」の人材認定等事業の登録制度ですが、徐々にです が登録事業が出てきています。先だって環境省が新たに設置した「環境教育の 人材育成・人材認定等事業データベース」では、現在7事業が掲載されています。 事業の種類は、認定事業が3事業、育成事業が4事業です。育成された指導者 が活動する地域は全国が5事業、県内が2事業(兵庫県、福岡県)です。事業の 実施主体は、公益法人によるものが4事業、NPO法人によるものが2事業、株 式会社によるものが1事業です。事業内容は自然体験関係に加え、企業ビジネ スと環境を両立するためのプランナーを育成する事業、エコオフィスを活用して 新エネ・省エネに関する指導を行う人材を育成する事業などもあり、登録事業 数は少ないながらも、いろいろなものが出てきています。  指導者を育成・認定する事業(ただし地方公共団体自らが実施するものは対 象外)であれば、幅広く対象となりますので、まず、林野庁計画課(森林総合利 用推進班)までお問い合わせ下さい。皆様の積極的な取り組みを期待しており ます。  文中でご紹介した人材育成・人材認定等事業データベースのURLは以下の 通りです。 http://www.env.go.jp/policy/edu/reg/index.html  林野庁計画課担当者の連絡先は以下の通りです。 電話番号:03-3502-8111内6205、メールアドレス:hiroshi_ogino@nm.maff.go.jp 2.<レポート1> 「企業とNGO/NPOのコラボレーション」セミナー 数年前から、コラボレーションという言葉を良く耳にするようになりました。  直訳すると、「共に働く」とか「共同研究」という意味です。現在では、もっと広 い意味に使われており、国際的な大規模プロジェクトから、ミュージシャンによ る曲の共同制作を言うこともあります。  今回参加したセミナーは、企業という営利を追求する組織と、NGO/NPOと いう営利を追求しない組織という、2つの相反する組織が各々の目的達成のた めの取り組みについて研修しようというものです。  これには、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)としての、地 域や環境に対する取り組みが、社会的に注目され、企業経営においても重要 視されている背景があります。また、現在のNGO/NPOが財政的に脆弱であ り、経済的に苦慮しているという背景も同時にあります。  セミナーには、企業関係者・NGO/NPO関係者が約50名参加し、企業とN GO/NPOのコラボレーションの事例紹介や環境分野の取り組みに焦点を絞っ た話し合いが行われました。  具体的な意見として、企業側からは、「一部のNPOなのだろうが、経理処理が 杜撰な団体がある」「偏った考えの団体があり、毎回同じ人間しかイベントに参 加せず、活動の波及効果が感じられない」「活動が地域社会にあまり理解され ていない」等の批判的な意見もある一方で、「企業が有していないNPO独自の ノウハウやアイディアに驚く」「今後の企業経営において、NGOやNPOとの共同 は極めて重要である」と、コラボレーションに期待する意見等も多くありました。 NGO/NPOからは、「欧米諸国に比較して、NGO/NPOの社会的な評価が 低い」「企業からのほどこしではなく、対等の関係を築いていきたい」「企業の担 当者によって、活動への理解や熱心さの違いが大きい」とのネガティブな意見が 比較的多かった点が印象的でした。  その他の意見として、米国では、国家としては京都議定書に参加していなかっ たり、地球温暖化は人為的な現象ではない等、地球環境の問題にあまり協力的 でない反面で、民間レベルでは、公害問題や野生動物の保護等に対して積極的 に活動している。なお、国家レベルでも民間レベルでも、環境問題等に全く取り 組んでいないのが中東の多くの産油国だそうです。WWFの支部も無いそうです。  今回の、セミナーには、国や地方自治体等からの参加者は少なかったのです が、森林環境教育の普及はもとより、地球温暖化等の様々な行政課題の解決 に向けては、企業やNGO/NPOの協力は極めて重要であると思います。  今回のテーマである「企業とNGO/NPOのコラボレーション」に、今後は行政 も加えていただき、「WIN‐WIN‐WIN」の関係が出来れば良いと思いまし た。(Y.Y) 3.森林環境教育のフィールド作り   〜例えばグリーンツーリズムの試みを参考に〜  森林環境教育のフィールド作りということを考えてみますと、森林ボランティアを 呼び込むためのフィールド作りとか、あるいは後で紹介するグリーンツーリズム のためのフィールド作りなどと重複する部分がかなり多いのではないでしょうか。  例えば森林ボランティアの場合、ボランティア志願者には多様な人々が予測さ れます。問題意識の高い学生さんから、森に興味を持つ主婦の方々、停年した お父さん、あるいは企業の社会活動の一環で行われるケースなど様々です。こ ういう多様な人々をどのように取り込むのか?重要なことはどうやらネットワーク の形成ということにあるようです。ボランティアの母体は主に都市生活者というこ とになりますから、そういう方々を取り込むような「ボランティア供給ネットワー ク」が必要になりますし、一方、地方でもそれらの方々を受け入れるための「ボ ランティア受入ネットワーク」の構築が必要です(注)。勿論、ボランティア組織が 育つような環境作りができた上での話になりますが・・・・・。  そして、供給側・受入側いずれの場合にもまず「窓口」がないと話は進みません。 都市部のネットワークを基に人の招集ができるような窓口と、地方を統括して情 報発信できるような窓口の両方が不可欠です。後者で言えば、例えば県レベル で窓口を持って、都市側からの要望に応じて、ボランティアのメニューを提示でき るぐらいの体制を採ることが重要だと思うのです。また、窓口が責任をもって対応 するためには、県内各地の取組みが、ある程度、標準化されたものになっている ことも必要になると思います。  全く同じことが森林環境教育のフィールド作りについても言えるのではないでしょ うか。地域毎のボランティア組織の育成、ネットワーク作り、プログラムレベルの 標準化、情報窓口の一本化等がポイントになると思います。    ところで、今年11月に開かれる「全国グリーンツーリズムinいばらき」は、やや 観光面を重視した取組みかもしれませんが、地域のボランティア組織と行政との コラボレーションという点で、受入側ネットワーク作りとして参考になるイベントだ と思います。概要は次のとおり。 11月1日(火)〜2(水)1泊2日体験ツアー  場所:つくば駅を発着地とする県内10コース 11月2日(水)全体集会(13:00〜)  場所:つくば国際会議場 詳しくは、http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/nourin/nokan/ibarakigt.htm 注)受入体制を構築するためのマニュアルについては、昨年、全森連で「森林整 備連携実践マニュアル」というパンフレットを作って、特に森林組合の方々がどの ような取組みをすべきかをまとめています。ご希望の方は全森連組織部までご連 絡ください。 4.海の森「マングローブ」  木は陸上に生えるものだと思っていました。  植物に潮水をかけると枯れると思っていました。  満潮時、海水の中に生える不思議な形の木がありました。  海の森「マングローブ」。    「マングローブ」をご存じですか?最近では森林資源問題や地球環境問題と関 連して耳にすることが多くなりました。また、マングローブ林の中の水路をカヌー やカヤックで進みながら、さまざまな生き物を観察するエコツアーなども盛んに行 われているので、体験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。  マングローブとは熱帯や亜熱帯地域の河口域など、満潮になると海水が満ち てくる場所(潮間帯)に生育している植物の総称です。つまり、特定の植物の名 前ではなく、例えば、コケモモやチングルマなど標高の高い場所に生育する植物 をまとめて高山植物と呼ぶように、海水の影響を受ける潮間帯に生育している植 物を総称して「マングローブ」と呼びます。ヤシやシダの仲間を合わせると世界で は100種類以上の植物がマングローブと呼ばれています。日本では主に沖縄や 鹿児島でマングローブ林を見ることができます。  潮間帯という特殊な環境で育つマングローブにはタコ足のような形や地面から 鉛筆を突き出したような不思議な形の根っこ、またお母さんの樹についたまま発 芽する種子などの特徴のある形態や、また塩分を体内に貯め込まないための特 殊な機能を持った種類もあります。  日本は世界的に見るとマングローブの分布の北限に位置しているため、木の 高さも10m程度と低めですが、海外では60mを越すマングローブもあり、10m以上 の高さから、ニョキニョキとタコ足のような根っこが出ている姿には驚かされます。  マングローブの森には、カニやカイ、エビや魚、またそれを食べにやってくる鳥 など、たくさんの命があふれています。森の中でそっと立ち止まれば、無数のカニ が巣穴から顔を出し、テッポウエビがハサミをはじくパチーンパチーンという音が 森のなかに響きます。また熱帯・亜熱帯の沿岸地域にはマングローブの恵みの 恩恵を受けて暮らしている人たちがたくさんいます。  ところ変われば、森の姿も変わるのですね。  近年、海外では沿岸の開発や過剰な伐採による減少が、大きな問題になって いるマングローブ林ですが、日本に住んでいる私たちの暮らしとは全く無関係な 話でしょうか。多くの環境問題に共通するように、世の中のものの流れのシステ ムが大きすぎて、普段の生活の中ではなかなか見えにくい部分に大切なことが たくさん詰まっていると感じます。  自然の素晴らしさを知るということと同時に、私たちの生活がその自然とどこで どうつながっているのかということに目を向けるということがとても大切ですね。 (つづく?) 5.林野庁ホームページの御紹介 □記者発表資料〜プレスリリース〜 ○「顔の見える木材での家づくり」に関する事例調査の結果について  ○林政審議会の開催及び一般傍聴について  ○間伐・間伐材利用コンクールについて □今月の施策紹介  ○特用林産物の生産動向について ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 黒澤 徹 多田裕一 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  地震、雷、火事、親父といえば、怖いものの代名詞ですが、近年の台風による 被災などを思うと、台風をこの代名詞のひとつに加えてもいいのではないかなどと 考えてしまいます。  アメリカで起きた超大型ハリケーン「カトリーナ」による被災は想像を絶するもの がありますが、改めて自然の脅威を思い知らされます。世界的にみても異常気象 と呼ばれる現象が各地で起きているようで、地球温暖化がその原因ではないか などと指摘されています。そんなことからも、森林の適正な育成や管理を行うこと が国際的な要請となることを期待したいものです。 *********************************