***************************        森林環境教育ネットワークメールマガジン              第 14 号             平成17年9月1日    *************************** □今号の目次   1.「森の子くらぶ」活動参加者数の推移   2.<レポート1> 愛知万博の成果を海上の森の未来へ   3.<レポート2> 森林整備に関する教育関係者との意見交換会   4.「森林環境教育戦略会議IN白川郷2005」の開催について   5.<レポート3>第11回森林と市民を結ぶ全国の集いinあいち   6.森林認証制度と森林環境教育   7.林野庁ホームページの御紹介   *********************************  お盆のため、お休みしていたメールマガジンも今日から再開です。 みなさんはどんなお盆休み・夏休みを過ごされたのでしょうか?「こん な活動をしてきました!」「こんなことを感じました!」などなど・・・ みなさんのお盆休み・夏休みの出来事に対するご報告、ご意見をぜひ “会員専用掲示板”にお寄せください。  暦の上ではすっかり秋ですが、まだまだ暑い日が続いております。 我が家の近所では、街灯に照らされ、昼夜を勘違いしているセミが一日 中鳴いていて少々複雑な心境です。残暑厳しき折り、野外活動での暑さ 対策には十分お気をつけください。では、今号もよろしくお付き合いく ださい。  ● 会員専用掲示板今月のお題は引き続き「野外活動で役立つアイ    デア」です。よろしくお願いします。     *********************************                                                 ☆ネットワーク会員の登録は9月1日現在 No.363に達しました。 ☆イベント情報   8月1日以降、新たに2つのイベントが登録されました。   詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで  ********************************* 1. 「森の子くらぶ」活動参加者数の推移  森林環境教育活動の推進に関する重要な施策のひとつが、文部科学省 とも連携している「森の子くらぶ」活動の推進です。  林野庁では、平成12年より活動への参加者数を調査し政策の指標とし ており、平成17年の目標数を360千人日としています。  平成12年:181千人日、平成13年:239千人日、平成14年:250千人日  平成15年:289千人日、平成16年:327千人日 ※単位:人日(1人が1日参加した場合を1人日として集計)  過去5年間の参加者数は、順調に増加しています。  これは森林環境教育活動等の受入施設の整備や指導者の養成が進んで いること、森林体験活動を行うNPO法人等が増加していること、森林 体験活動等に対する国民の意識が高まったことなどの相乗効果によるも のと考えております。 2.<レポート1> 愛知万博の成果を海上の森の未来へ  前号で御案内した「海上の森シンポジウム〜愛知万博の成果を海上の 森の未来へ〜」が去る8月20日に愛知万博瀬戸会場瀬戸愛知県館森の 劇場において開催されました。瀬戸会場は名古屋市近郊に広がる「海上 の森(かいしょのもり)」の一部にあるわけですが、この瀬戸愛知県館 は、万博終了後は森の劇場や常設展のある仮設部分を解体・撤去して小 学校の建設に再利用するとともに、恒久部分は改装して海上の森で行う 各種の活動の拠点となります。愛知県は、万博後に海上の森の保全と活 用を進めるため「里山学びと交流の森」構想をもとに、市民活動への支 援をはじめとした様々な取り組みを実施することを予定しています。こ のようなことを踏まえ、シンポジウムにおける林野庁長官の講演は、森 林ボランティア活動、森林環境教育活動、健康づくり、木材の利用、緑 の募金など市民が取り組むことが可能な活動例を示して多くの市民の方々 の参加を期待するというものとなりましたし、その後のパネルディスカッ ションでは、当初は万博のメイン会場として予定されていた海上の森の 大部分が保全されることとなったという経緯を踏まえての熱の入った議 論が展開されました。  この海上の森において、万博終了後、どのような活動が展開されてい くのか注目されますし、また、海上の森の関係者にとっては、万博が終 わってからが本番なのだとも思いました。(H.O) 3. <レポート2> 森林整備に関する教育関係者との意見交換会  林野庁では、地球温暖化防止が国民的課題となっている中で、森林吸 収源対策としての森林整備について幅広く国民の意見を求めるため、森 林環境教育、森林整備・保全、木材利用のあり方に関して、教育関係者 との意見交換を8月24日に行いました。ここでは、筆者が個人的に印 象に残った発言の概要を紹介します。 ・総合学習の時間等に森林を取り上げてもらうためには、子どもの成長 にとって森林が何の役に立つのかを言うことが重要。森林は環境にとっ て重要というだけでは不十分。 ・森林公園のユニバーサルデザインを小学校の子ども達に提案させる取 り組みが成功した原因は、ユニバーサルデザインというテーマが森林だ けではなく福祉という観点も含むことで総合学習としての価値を高めた ことにある。 ・現在の小学校の学習指導要領には環境と森林はあるが林業はないので、 教科書では環境及び森林を守る中で林業に携わる人が重要という取り上 げ方をした。なお、生活科や中学校の社会科で森林・林業のことが取り 上げられていないのが残念。 ・学力の低下が問題となっているが、世界のスタンダードは知識ではな く、応用力や生きる力。総合学習は子ども達自ら考えることが生きる力 に変わるよう戦略的に行う必要。 ・現場で林業に取り組んでいる骨太の方々に実際に会い、人間の底力に ふれることに価値がある。普段会えない人に会うことが子どもを変える ことにもつながる。 ・・・会議全体の概要や出席者については、下記のURL(林野庁ホー ムページ、8月24日のプレスリリースです)を御覧下さい。(H.O) http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h17-8gatu/0824ikenkoukankaigaiyou.html 4. 「森林環境教育戦略会議IN白川郷2005」の開催について  前号でも一部紹介しましたが、今秋、岐阜県の白川郷において森林環 境教育の戦略会議が開催されます。  森林環境教育に携わる、森林・林業関係者、NPO団体や学識経験者 に加え、マスコミ、企業関係者等、多方面から様々な方々をお呼びし、 「森林環境教育のこれまで、これから」を語り合っていただき、今後の 森林環境教育の道しるべとなる「戦略」を模索しようというものです。  開催内容や募集についても、近日中に御紹介する予定です。  森林環境教育ネットワークHPをご注目下さい。  5.<レポート3>第11回森林と市民を結ぶ全国の集いinあいち    8月26日から28日の3日間、愛知県の新城市民会館と愛知県民の 森で開催された「第11回森林と市民を結ぶ全国の集いinあいち」に参 加してきました。この全国の集いについては、既にご存知の方も多いか と思いますが、全国で森林ボランティア活動に取り組んでいる人々が集 って議論し、交流を深め、ネットワークを広げるために開催されてきた ものです。  1日目は、只木良也氏(プレック研究所生態研究センター長)が「森 林と日本の文化」、内山節氏(哲学者)が「森へもどろう〜生まれかわ ろう」と題したお話がありました。只木氏は、雨が多い日本の自然の特 徴や遺跡からわかる古代人の木の利用(木の特性による用途の使い分け)、 自然保護に対する西洋との考え方の違いなどについて述べ、森林を活か して利用する技術、循環する森林のシステムにいかに学ぶかが大切であ ると強調しました。内山氏は、「自然」という言葉の日本の伝統思想に おける意味、森の文化、木の文化と言われる中で、かつて都市では木は 使うが森に関心を持っていなかったのではないかとの疑問を示し、昨今 の森林ボランティアは、都市の人が森に関心を持ちはじめて動き出した 活動として評価していいのではないかとのお話でした。  2日目は、愛知県民の森で7会場に分かれて分科会が行われました。  個別分科会Gでは「林業再生のシナリオを探せ」と題して、梶山恵司 氏(富士通総研)、中越利茂氏(梼原町森林組合代表理事組合長)、丹 羽健司氏(矢作川水系森林ボランティア協議会)の3氏の報告と討議が 行われました。産業としての林業の課題・展望や木材流通、林業労働な ど林業に関する多方面の課題が討議されましたが、中でも森林所有者の 存在が注目されました。丹羽氏が森林所有者に対して行ったアンケート では、ボランティアの受け入れについては案外寛容で前向きな意見が多 かった一方で、森林・林業に関する知識をあまり持っていない、放置さ れた状態の所有者でも放置林とは思っていない人が多いなど、森林所有 者の現状が報告されました。林業の再生といった問題はもちろんのこと、 ボランティアの受け入れなど多面的な森林の利用にむけても、森林所有 者の権利・義務をどのように扱い、また働きかけを行っていくのかが、 大きな課題であると感じました。 6.森林認証制度と森林環境教育  森林認証制度という言葉を聞いたことがありますか?  森林認証制度とは、ある森林が「持続可能な森林経営」の要件を満た していることを認証するものです。特定の基準や指標に基づいて、第三 者機関が厳正・客観的に審査します。森林が認証されると、そこから産 出される木材・木材製品(認証材)にはラベルが付けられて、消費者の 積極的・優先的な購買・利用を促します。日本ではFSCという海外発の認 証制度が話題になりましたが、国内の認証制度であるSGEC(エスジェック) も2年ほど前に設立されて活動を始めているところです。  ところで、この森林認証制度では「森林環境教育」をどのように扱っ ているのでしょうか?SGECの森林認証指標6.1には「市民に自然に触れ合 う機会/場所の提供に努めていること。森林を地元にできるだけ公開し、 便益の提供をすること。」とあります。  つまり、認証森林たるものは、森林の持つ公共的な側面を十分に認識 すべきであり、市民に対してオープンであることが求められるというこ とでしょうか。この指標を素直に読めば、認証森林には森林環境教育の フィールドが当然用意されているということになるでしょう。  また、SGECの森林認証指標6.2では「入山者に対する環境教育、安全な どへの指導および対策が整備されていること。」とあり、そのガイドラ インの中では、さらに踏み込んで「相当規模の森林経営体にあっては、 独自の森林環境教育プログラムを持つこと」が奨励されています。  地域的な特性や森林規模の大小もあるでしょうから認証森林の全てが 一様に森林環境教育のプラグラムを持つということにはならないと思い ますが、少なくとも都市市民のアクセスが良いような場所にある森林で は、森林環境教育の施設やソフトが提供できるぐらいに準備しておくこ とが必要でしょう。  さらに、具体的に市民が利用できる状況にすることが重要で、市民参 加のためのイベントや講演・見学会等を企画・運営し、それを広く告知 するような取り組みも必要になると思われます。  昔ながらの林業、木材生産のイメージを抱いていると、少々びっくり する話かもしれませんが、こうしたことが「持続可能な森林経営」の要 素になってきているということなのですね。 7.林野庁ホームページの御紹介 □記者発表資料〜プレスリリース〜  ○「森林整備に関する教育関係者との意見交換会」の概要について  ○林政審議会治山事業部会報告書について □今月の施策紹介  ○得用林産物の生産動向について  ○ボランティア企業等と一緒に考える”森林づくり” ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 黒澤 徹 多田裕一 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記> 「山んはぎーねー、海んはぎーん」 沖縄のふるい方言で、山が禿げると海も禿げる、つまり、山に木がなく なると海に魚がいなくなるという意味の言葉です。きっと各地に同じよ うな意味の言葉があるのではないでしょうか。最近になってその重要性 が注目されている、森林と海とのつながりですが、今のような深刻な森 林の伐採や開発がなかった時代にも、私たちのご先祖様たちが、生活の 中の様々な経験から、森には海の生き物たちを育む力があるということ を知っていたことには驚かされます。今では、生活の中の経験から、そ ういったこと、自然や環境と自分たちの生活とのつながりを実感できる 場面というのもなかなかない状況ではありますが、環境教育を通した様々 な経験がその手助けになるだろうと、切々と感じる今日この頃です。 *********************************