********************************         森林環境教育ネットワークメールマガジン             第 12 号           平成17年7月15日 ******************************** □今号の目次   1.都道府県等における森林・林業体験活動指導者の養成状況   2.森林環境教育ネットワークトップページの写真が替わりました   3.ジュニア農林水産白書   4.〈レポート1〉愛知万博「森の自然学校」   5.〈レポート2〉林業・見学交流ツアー『森林の仕事発見の旅2005』   6.林野庁ホームページの御紹介   *********************************  西日本を中心に空梅雨が続いたことでダムの貯水量が減少し、水不足が 心配されましたが、突然訪れた強力な梅雨前線によって、少しでも水不足 の問題を解消することができたのでしょうか。これが、森林の水源涵養機 能を、あらためて見直す機会になればと思います。  そんな森林に対する素朴な思いや、森林環境教育に対する情報提供、ご 意見を「会員専用掲示板」にお寄せください。  ● 会員専用掲示板今月のお題は引き続き「学校と森林環境教育」です。    よろしくお願いします。     *********************************                                                 ☆ネットワーク会員の登録は7月15日現在 No.351に達しました。 ☆イベント情報   7月1日以降、新たに2つのイベントが登録されました。   詳しくは、ホームページ“イベント情報”まで  1.都道府県等における森林・林業体験活動指導者の養成状況  森林・林業体験学習参加者の増加に伴い、正しい森林・林業知識の提供 や適正な安全管理等が求められています。  これに伴い、全国各地で都道府県、市町村やNPO等自らが「森林・林 業体験活動指導者の養成事業」を実施しています。  指導者の養成を行う事業は、林野庁が実施した平成16年度調査では、 45の都道府県で81の制度・事業が実施されています。(森林インスト ラクターなどの全国的な資格は含まれていません。)  また、その制度により養成された指導者は、平成13年度の3,163 人から平成16年度の9,873人と約3倍に増加しています。  制度の概要としては、「養成のみ実施」しているものが55制度、「養 成後に資格を付与」しているものが20制度、「養成後に試験を実施」し ているものが5制度、不明1制度でした。  養成の内容としては、自然観察・自然体験・林業体験・木工工作・レク リエーション・安全管理・企画手法等が主なメニューとして平均的に実施 されております。  なお、ここ数年の特徴としては、安全管理や企画手法等に時間を多くす る傾向にあります。  制度の実施主体としては、都道府県45、市町村14,公益法人10, 民間NPO12となっております。  81の制度のうち、62の制度が国や県の補助事業により実施されてい ます。 2.森林環境教育ネットワークトップページの写真が替わりました  新たな写真は、近畿中国森林管理局が昨年9月に大阪府で開催したシン ポジウム「里山を語ろう!」で行われた「美しい里山フォトコンテスト」 において約1,550点の応募作品から選ばれた13点の中で、林野庁長 官賞(最優秀賞)を受賞した作品です。  このシンポジウムは「森林の癒し」という面にスポットを当て、その効 果などについてディスカッションしたものです。  近年、森林空間において様々な活動を行うことは、血圧の適正化やスト レス関連物質の分泌の抑制に効果的であることが、科学的に徐々に明らか になりつつあります。また、一部には、実際に森林に行かなくても「森林 の写真」を見るだけでも、情緒面・健康面で効果的あるとの研究結果も報 告されています。  なるほど、トップページの写真からは、題名の通り森の「息吹」が感じ られ、清々しい気持ちになれます。  今後、定期的に写真を更新していきます。  また、早く13点全てを見たいと思う方は近畿中国森林管理局のHPまで。  過年度の写真も紹介しております。  http://www.kinki.kokuyurin.go.jp/kyoku/ 3.ジュニア農林水産白書  農林水産省では、子供たちに農林水産業について分かりやすく説明する ために「ジュニア農林水産白書」を発行しました。  ジュニア農林水産白書は、「食料や農業について」「木や森林・林業に ついて」「お魚や水産業について」「農山漁村について」の4つから構成 されており、それぞれについて役割や課題、過去からのうつりかわり、 それを支える人たちについて紹介しています。  その特徴は、 @最新のデータやグラフを盛り込んだ分かりやすい解説 Aイラストや写真、親しみやすいキャラクターの活用 であり、児童・生徒に親しみやすく読んで学んでもらえるように工夫され ています。  また、間伐材を原料とする紙を使用しています。  この小冊子が、農林水産業について学習する小学校社会科の授業や小中 学校で実施されている「総合的な学習の時間」などで、幅広く参考資料等 として活用されることを期待しています。  「木や森林・林業について」では、森林の役割として、「水を蓄えきれ いにする」「山がくずれることを防ぐ」「心身のリフレッシュ」「地球温 暖化を防ぐ」の4点を紹介しています。世界と日本の森林の項目では、日 本の森林面積があまり増減していないのに対して、アフリカや南米等の発 展途上国で森林面積が減少していると述べています。林業分野に関する項 目では、植栽から伐採までの林業の流れについて説明し、林業に携わる人 が減少していることを説明しています。また、新たな林業への取り組みと して間伐材の飲料容器への利用や木質バイオマスについて説明しています。  森林・林業に関する項目の最後では、「森林へ行ってみよう」として森 林教室や林業体験への参加を呼びかけています。  夏休みのイベント等に是非ご活用下さい。  ジュニア農林水産白書は、無料でダウンロード出来ます。  http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050705press_1.html 4.〈レポート1〉愛知万博「森の自然学校」  「懐石料理を作ってみましょう。」 両親に手を曳かれた子供たちや上品な老夫婦からなる参加者たちは、 「なんのこっちゃ」と怪訝な表情を浮かべている。  「ヒゲのおっちゃんです」と自己紹介するのはインタープリター(森の 案内人)の大阪人。森の道を歩きながら大阪弁で参加者を煙に巻いている。 山道沿いに見られるキノコ(毒?)やクモノ巣などを指しながら、「もし、 これを料理するとしたらどうしましょうか。」と参加者に訊ねる。  「ゆでる!」「てんぷら!」「みずあめみたいにクルクルまいて食べて しまう」といった無邪気な会話がやりとりされる。子供を手なずけ、大人 たちの気持ちを解きほぐす。このヒゲのインタープリターはなかなかの達 人です。    ここは愛知万博会場内の「南の森」。人でごった返すメイン会場の喧騒 から離れた雑木林の中、「インタープリターとあるく森のツアー」が行わ れている。  1回のツアーはだいたい50分程度。10〜20人が一まとまりになっ て歩く。参加者の多くは親子連れだろうか。万博のリピーターで会場を見 尽くした人が最後に訪れる場所といううわさもあるらしい。それでも参加 者は2万人を越したというから、この類の自然体験教室にあっては前例を 見ない集客力ということが言えるだろう。  「ところで懐石料理って何かしっとる?」 インタープリターの気さくな人柄に直ぐにうちとけた参加者からは、 「上品な料理」、「和食レストランで食べるやつやろ」、「お坊さんの 食事?」「魚肉が入らん精進料理と同じようなものかな」といった楽しい やりとりが続く。  「えっへん」ヒゲをさすりながらオッチャンの講釈が始まる。 「温石(おんじゃく)を懐に抱いて腹を温めるのと同じ程度に、腹中を温 め一時の空腹をしのぐもののことを懐石といいます。一汁三菜というよう な質素な手料理ということですね。」  「じゃ、森に落ちているもので懐石を作りましょう。」 森の中にはテントがあって、ウルシ塗りのいろいろな器が準備してある。 その器に、木々や木の葉など、うまく作品を並べて芸術品に仕立てること がこの遊びの味噌である。料理にはそれぞれが思い思いの名前を付けて並 べる。並べ終わると、各々が作品を発表していく。意外な作品の続出に参 加者は大笑い。  「漠然と森を見ていると分からないけど、何かを見つけようとして見て みると森の中は思う以上に様々のもので満ち溢れている。」との参加者か らの話が印象的だった。    森林環境教育の原点をみることができたような気がした。 5.〈レポート2〉林業・見学交流ツアー『森林の仕事発見の旅2005』  「都会で生まれ育ち田舎がないので、自分の田舎さがしをしようと思っ たのが、このツアーへの参加のきっかけです。」「毎日パソコンに向かう 仕事をしながら、自然と向き合う林業への興味がどんどん大きくなって、 自分向きの仕事かどうかは分からないけど、それを判断するためにも、と にかく一度体験したかった。実際に体験してみて、ますます林業に関心が でてきました。」などなど・・・  7月9日(土)10日(日)、茨城県八郷町森林組合で開催された林業・ 見学交流ツアーに参加された方たちの声の一部です。  林業・見学交流ツアーは、林業への就業を将来的に視野に入れている方、 UターンIターンで地方への転居を考えている方たちに、林業の現場、森 林(もり)の仕事を知っていただくことを目的に全森連が実施しているツ アーです。2005年は山梨県を皮切りに宮城県、愛知県、福井県と実施され、 先週末7月9日、10日は茨城県の八郷町森林組合で開催されました。  当日は雨が心配な曇り空でしたが、40人強の方々が参加され、ヒノキ 林での間伐作業を体験しました(間伐とは農業で言うところの間引きのよ うな作業で、植林後10年以上が経ち、若木が成長して混み合った林で、 曲がった木や他の木の成長を妨げているような木を伐採して、それぞれの 木に十分に太陽の光あたえ健康で価値のある木を育てる作業です。また、 林床まで日光を入れて下草を生やすことにより、土壌の流出を防ぐなど、 とても大切な作業です)。  はじめに森林組合の職員の方にお手本を見せていただき、班ごとにのこ ぎりを使って間伐作業を行いました。作業は、「伐採する木を選ぶ」→ 「周囲の状況を確認し、木を倒す方向を決める」→「倒す方向に受け口を 作り、受け口の反対側から伐る」→「倒した木の枝を払い、玉切りする」 →「丸太を一箇所に集める」という一連の作業を繰り返し行っていくので すが、班ごとに協力し合い、汗だくになられながら作業を進める参加者の 方々の姿がとても印象的でした(いちばん最後まで黙々と作業されていた のは、女性の参加者の方でした)。  翌日は八郷町森林組合の組合長さんのお話を聞き、さらに組合長さんの 山を歩かせていただき、「人工林でもきちんと人の手を入れて整備してい けば、こんなに豊かな森になるんだなぁ」ということを実感しました。  今回の間伐作業で伐採した樹齢20年以上の木も、搬出のコストを考え ると採算が合わず、結局捨てるしかないという組合長さんのお話に、日本 の林業が直面している厳しい現状を目の当たりにした気持ちでいろいろな ことを考えさせられた2日間ではありましたが、ともあれ、ひさびさの肉 体労働のあと、間伐された林にたちこめるヒノキの香りにつつまれて、気 持ちの芯からリフレッシュできた週末でした。  次回、佐賀県での林業・見学交流ツアー(7月23日24日)の参加申 込期間は終了しましたが、10月8日(土)9日(日)に三重県での林業・ 見学交流ツアーが予定されています。 詳細、お申し込みはこちらから ◆ 林業・見学交流ツアー『森林の仕事発見の旅2005』    :http:// www.nw-mori.or.jp/ tour/  また、全森連では林業就業に関するホームページを開設しています。 林業への就業に興味のある方はぜひアクセスしてみてください ◆N.W.森林(もり)いきいき:http://www.nw-mori.or.jp/ ◆RINGYOU.NET「緑の雇用」総合ウェブサイト:http://www.nw-mori.or.jp/ 6.林野庁ホームページの御紹介 □記者発表資料〜プレスリリース〜  ○ 林政審議会治山事業部会の概要について  ○ 林政審議会施策部会の開催及び一般傍聴について  ○ 第3回「21世紀の森林整備の推進方策のあり方に関する懇談会」の    概要について  ○ 森と湖に親しむ旬間の実施について   ○ 第29回世界遺産委員会の開催について □今月の施策紹介  ○ 水源の森をつくり育てる □お知らせ  ○ 適切な森林管理に向けた林業経営のあり方に関する検討会報告」    について       ********************************* 森林環境教育ネットワークメールマガジン 発行者 肱黒直次 編集者 黒沢 徹 多田裕一 URL http://www.zenmori.org/feenet/ ********************************* <編集後記>  先月末のことですが、森林組合職員が集う研究集会に事務局として携わ りました。当日は200名を越える参加者が集まり、会場はたいへんな活 気が漲るなかで、研究集会は開催されました。  研究集会では、森林組合職員が日頃実践している事業活動の体験発表が 行われるのですが、今回は5名の森林組合職員が発表を行いました。  報告内容は、コスト削減を目指した木材生産システム、間伐推進体制の 構築、地域内消費型直送システムなど、生産性向上と供給体制の構築に取 り組んでいる実践活動が報告されました。  さらに、今年の春に広域合併した森林組合から、都市との連携による森 林整備活動への取り組みが報告されました。合併を機に、上下流あわせた 地域が管内となったことから、森林環境教育活動の拠点としてボランティ ア都市住民を対象とした研修や教育事業を目指していくとのことです。こ の組合がある地域は、早くから森林整備のための費用負担を下流域に求め る取り組みをはじめ、森林整備に対する上下流相互の理解が得られている ことも、活動を推進していく上で大きな利点と考えられます。このような 地域の広がりのなかで、森林環境教育活動が進められていくことが望まれ ます。 *********************************