1ページ目:森林環境教育とは
2ページ目:そもそも「環境教育」って何?
3ページ目:森林環境教育の目指すものとは
環境教育の誕生と目標
私たちを取り巻く環境の問題に気づき その問題に対して 何らかの働きかけが出来る人を育てる教育
環境教育という言葉は、わが国では1970 年代に生まれた「公害教育」を言い換えた表現として使われるようになった。「自然教育」から派生していった米国とはそもそもの誕生からの違いがある。上記の表現は環境教育をきわめて簡単に書いたものだ。
「ベオグラート憲章」(1975)では、環境教育の目標段階を6つに分けて書いている。すなわち、環境および環境問題に対する「関心」「知識」「態度」「技能」「評価能力」「参加」だ。これらの段階は全てAの次はB、Bの次はCということではないし、ここに分類された全てのプロセスを踏まないと環境教育とは呼ばないということでもないだろう。ただ全体像を知っておくことは必須だ。今実施している教育的行為が全体の中でどんな位置にあるのか、役割を担っているのかを常に意識してほしい。またこうした視点を持つためには、自分たちの活動を常に客観的に見る視点を持つべきであろう。
「環境教育」は“知る”だけでなく“行動”につながること
環境の問題の実態を知ること 環境の問題の原因を知ること 環境の問題の解決方法を知ること ↓ これらはすべて環境教育ですが‥‥ 「‥‥を知ること」だけじゃ駄目。行動しなくっちゃ!
この言葉の「環境」は「自然環境」「地球環境」と言い換えてもいい。環境教育と呼ばれるものは非常に範囲が広い。自然の中での楽しい体験から、教室で学ぶ地球規模の環境問題の学習、さらには、自治体から流されるゴミ処理方法の情報まで。どれも環境教育と呼ばれている。ただし、大切なことは「自分も原因者の1人と自覚して、自分の生活自体を見直し改善するという行動に結びつけること」である。環境の“もの知り”を育てることは環境教育の本意ではない。
「意識改革による解決の方法」
環境問題を解決するには 「規制」「技術開発」「意識改革」 の3つによる方法がある ↓ この「意識改革」を促す教育的行為を環境教育と呼ぶ
環境問題の解決のためには上記のほかにも様々な方法があるだろう。また、ここにあげた3つの方法のうち、どれが最も大切でしょうかということでもない。「規制による解決の方法」は、法律や地域の条例、国家間の条約などによる解決。さらには家庭の中でも、ゴミの処理の方法についてのいろいろな「約束」や「決め事」があるだろう。「技術開発による解決の方法」は、様々な技術の力によって環境問題を解決してゆこうという方法だ。環境問題解決のための技術を「環境技術」と呼ぶほど、様々な技術開発への挑戦が様々な場面で行われている。「意識改革による解決の方法」は、価値観の課題ともいえる。何を手にしたときに幸せだと感じるかという幸せの価値の基準が、より大きく、よりたくさん、より速くという基準から、小さく、少なく、ゆっくりが幸せという、新しい価値観が生まれつつある。こうした価値の軸の移動のようなものも、私たちの意識改革のひとつであろう。
この意識改革をすすめる教育的な行為を環境教育と呼ぶ。
「教育」とは引き出すこと
教育(EDUCATION)の語源 EDUCE の意味は…教え込む?=× 引き出す?=○ 何を 引き出すのか? 学習者の 能力・個性・意欲などを‥‥
教育(EDUCATION)の語源であるEDUCEの意味は、「教え込む」ではなく「引き出す」と言われる。環境教育は先にも書いたが「もの知りを育てる教育」なのではなく、「行動する主体的個人を育てる教育」なのだから、この「引き出す教育」という考え方は非常に重要だ。その具体的な方法として、講義中心の学校・教室型教育ではなく、体験中心の参加型の体験学習が注目を集めている。ただ「体験をするだけ」の「体験“だけ”学習」ではなく、体験したことを振り返り、そこから学べることを一般化するプロセスを重視する、本来の意味の「体験学習」が大切なのだ。
体験学習は体験することが目的?
体験学習とは、 体験すること?=× 体験によって○○を伝えること=○ 何を 伝えるのか?
体験学習の意義は、例えば、間伐という体験をしたならば、間伐をしたのと同じくらいの時間を使って、活動をふり返ること、咀嚼すること、この時間が大切なのである。
では「体験させることが目的」ではなく「体験を通して学ぶ何かが目的」ならば、その「何か」とは何か。それは、例えば、森林とのかかわり合い方(森林の問題)、山村とのかかわり合い方(人・地域の問題)、自分自身とのかかわり合い方(価値観の問題)である。
「聞いたことは忘れる。見たことは思い出す。体験したことは理解する。そして、発見したことは身につく(To find is to use)」といわれる。つまり、教育に大事なことは体験と発見なのだ。そして、環境問題を解決するには地球のすばらしさを、森林問題を解決するには森林や木のすばらしさを、体で知ってもらうための自然体験の機会を用意することが必要なのだ。
循環型社会/ 持続可能な開発のための教育とは
環境教育を語るときには、しばしば「持続可能な開発のための教育」という言葉が出てくる。この言葉は以下のような経緯で誕生した。
今の社会は持続可能な社会ではない 私たちが目指したいのは、持続可能な社会= SS(Sustainable Society) ↓ その社会実現のためには、持続可能な開発=SD(Sustainable Development)が必要 ↓ その実現の方法として、 持続可能な開発のための教育=ESD(Education for Sustainable Development)が必要
2005 〜 2014 年は国連「持続可能な開発のための教育の10 年」。2002年の環境サミット(ヨハネスブルク)で日本が提案し、国連総会で採択された。日本国内の民間のネットワークとして、「持続可能な開発のための教育の10 年推進会議」も発足し、自然環境の持続性だけでなく、環境経済、地域社会、などの持続性を求め、「環境・開発・人権・平和・ジェンダ−などの教育」も推進していく。そのために、政策提言や情報提供、ネットワーク構築などの事業も視野に入れている。
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